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第32回目(2013年12月)の課題本

12月課題図書

 

ずる―嘘とごまかしの行動経済学


です。

この本には何度も衝撃を受けました。

人間ってここまで無意識に利己的な行動をしていたのかと驚くはずです。

そしてあなたもそんな人間の一人なのですから、よほど注意深く自分の行動を

制御しなければ、この本に出て来る人たちのようにやってしまうと思うんです

よね。

しかもこの本に書かれた実験というのが秀逸で、良くここまで細かく考えたな

ぁと感心しました。こういうところが彼らのスゴいところです。

また本書の内容とは関係ありませんが、この著者の経歴がまたスゴいんですよ。

アメリカという国は未だにチャンスが溢れている国で、どんな人にも門戸は拓

かれているんですな。


年末の忙しいさなかに読書に時間を使ってみては如何ですか。

Happy Reading!

【しょ~おんコメント】

12月優秀賞

 

今月はみなさん、「人間ってこんなに無意識でずるや不正をしちゃうんだ~」と驚いたようですが、

それで終わっちゃダメだと思うんですよ。

中には、自分はどうやってずるをしないようにするかを考えて下さった方もい

らっしゃったんですが、ちょっと待って。その前に考えなきゃいけない事があ

るんじゃないですか?と言うところに目を向けて欲しかったんです。

良く言う事なんですけど、言葉の定義を軽くスルーしちゃいけないんです。こ

の本のテーマになっている「ずる」って定義はどこからどこまでなのか?とい

う視点を持って欲しかったのですが、それが辛うじて出来たのがお一人だけで

した。という事で今月はもう受賞常連になっている感がありますが、『BruceLe

e』さんに差し上げます。

彼の感想はちょっと芝居がかっていて、ネタっぽいんですが、


  ● ずるってなんだろう?


という定義に最初に切り込んでいるんです。これだけで合格です。

 

 

 

【頂いたコメント】

投稿者 jorryjorry55 日時 2013年12月23日


ずるー嘘とごまかしの行動経済学、を読んで

第1章のゲストスピーカーの講義内容にいささか虫唾が走ったが、何とか踏みとどまって先に進むことが出来た。
ずるをすればそんなに金を稼ぐことができるのか?でも、もし本当だとしてもそこまでしてお金を儲けたいか?
私としては断じて否である。しかし、読み進めていくうちに、大なり小なり私も同じことをしていたことに驚愕
してしまった。
本の中に出てくるある業界の仕事において、少なからず加担していた。今はもう時代の流れで出来なくはなっているが、
その当時は当然という感じで、競合会社から顧客を獲得するために、間違いなく実際に貢献していた。
いくら製品が良くても、営業力で何とかなる事自体が間違っていると思うが、どの業界でも人とのつながりは重要なわけで。
仲が良ければ、その人の提案を優先するだろうし、実際にそうしてきた。
それにもかかわらず、最初納得できなかった内容があった。それは、ごまかしをする人自身が、その行為から何も利益を得ない場合、
水増しの度合いが更に高まった、というくだりである。
自分が得をしないのにずるをする必要があるのか?と思ったからである。
しかし、先の実体験を思い起こしたのと、そのあとの記述からようやく理解したのであるが、かくも簡単に人間はずるして
しまうものかと驚いた。
話は変わるが、思い込みによって、成績が良くならなかったという結果を読んで思ったことがある。
それは、潜在意識に自分は出来る人間だと埋め込んだとしても、自分の実力以上には能力を発揮する事は出来ないのか?
それであれば催眠術などで暗示をかけたとしてもダメなのか?という事である。
よく小説などで、催眠術をかけて超人的なパワーを出して色々な事をこなせしている内容があるが、所詮は作り話に過ぎないのかと。
結局は努力して自分の実力をつける必要があり、楽して何でも出来ると思い込むのはいけませんね。
人はほっておくとずるして楽な方に行ってしまうので、気を付けようと思いました。
ありがとうございます。

投稿者 kwbtakr 日時 2013年12月23日


『ずる-嘘とごまかしの行動経済学』をよんで

誰しもがちょっとした嘘、ずるをした経験はあると思います。でも本文中で実験していた計算問題に関しては日本人の大半は正直な答えをするのではないかと思います。「お金は汚い」という価値観で育ってきた人はずるをすることで儲けを増やそうはしないのではとも思うからです。その他公共的なルールは守る割合が高くなると思います。

ちょっと意味合いが異なるかも知れませんが以前、台湾人、中国人と一緒に食事をしていた際に台湾人がこう言いました「日本では夜中3時でも赤信号をきちんと守って止まっている。」
同席していた日本人に通訳したところ「当たり前だ」との反応でしたが、台湾人、中国人には交通量の無い交差点で赤信号を馬鹿正直に守ることのほうが可笑しい、とうことのようです。

このように割りかしルールを守る日本人でも、会社等、組織の一部となるとずる、不正を行う確率が高くなるのではないでしょうか。
顧客へ提出する資料の内容を水増しして作成したり、不都合な内容はできるだけ記載しなかったり。
資料作成した担当者は正直な内容で作成したと思いますが、会社(または部門)として、有りの侭の内容では不都合を生じる場合、上司からの指示だからと言いつつもいかに不都合が隠せる内容に改ざんするか、資料作成の目的も変わってきている経験もあるのではないでしょうか。


個人としては不正をしないよう心がけている人でも、いざ組織として行動すると不正を犯してしまいます。組織での不正をどのように抑制できるかが課題のひとつではないでしょうか。

投稿者 dukka23 日時 2013年12月28日


本書を読んで、まず頭に浮かんだのが東電の原発の事件です。

※東電に関しては、家族に犠牲が出た方や、住むところを奪われた方々が
 いらっしゃるのは痛ましく思います。
 その中で、後述する内容は私の私見・印象であり、
 事実や統計的な裏付けをとったわけではないこと
 および東電の行為を正当化するものではないことを最初にお断りいたします。

東電自体は今はマスコミの餌食となっていますし、
もしかしたら一部の経営陣は本当の悪人で、
「情報を操作しようとして」情報操作しているのかもしれません。

しかし、すべての社員が悪人であるわけではなく、
むしろ善人があつまってゴチャゴチャやった結果、
「不正」を働いてしまった部分もあるのではと思います。
(原発の良し悪しではなく、あくまで事実報告の部分についてのみです)

実際に一昔前までは電力企業に勤める方はエリートと呼ばれる層で、
結婚ランキングなどでも「堅実さ」を買われ上位に来るような人気でした。

電力会社勤務の方々は付き合ってみるとよくわかりますが、
良くも悪くも、お金が入ってくる仕組みが悠然とあるために、
ビジネスについてガツガツしない紳士で、
また組織の規律も取れた集団の一員であることがわかります。
(逆にいうとサラリーマンボンボンではありますが)

その方々がなぜ不正を働くこととなったか?
それは”規律の取れた組織”が逆効果だったからだと思います。

本書にあるように、
【利益相反】
→規律だった組織では、相応の整った人事制度となっているために
 出世のためには成功を積み上げていくことが大事。たとえ一回でも「失敗」は絶対に許されない。
 そのため、だれも”自分の責任でこうなった”という報告を嫌がった可能性がある。

【自分を欺く】
→中には正義の報告(まったくの事実)を報告しようとした人もいたのではなかったか。
 (そう願いたい)
 しかし、それは上司や役員にもみ消され、”別の人”の報告としてあげられる。
 それを報告するときの”別の人”は「いや、これが事実なんだ。正しいことなんだ」と
 思い込むような自分を欺く状態だったのではないか。

【利他的なごまかし】
→本当の責任をわかっている上司や役員から泣きつかれたとき、
  担当者は「自分のためではない、会社のためだ」と思ってはいなかっただろうか。
  会社に貸しを作れることを考えれば、意思決定に無理に抗う必要もなかったのではないか。

と、こういったことが少なからずあったのではないでしょうか。
上記は一部ですが、現実にはこれらのことが複合的に絡み合って、
あの一連の結果になったのではと思います。


本書で書かれている不正やずるが行われる状況は、
特別なものではなく、日常生活でもよく当てはまる条件です。
それ故に自分自身の行動にも、相当気をつけなければ
意識的にも、無意識的にも不正やずるをしてしまいそうで正直怖いと感じます。

その対策を自分自身で考えてみました。稚拙で単純な対策かもしれませんが、

「神様が見ている」

と常に思うことです。
監視者がいれば不正は減ると本書にもありましたが、
同じ人間からの監視であれば、どうにかしてすり抜けることを考えてしまいますし、
監視がなければ、逆に反動で不正が増えてしまいそうです。

ですが、「神様」だといつどこでも見られている意識を持てますし、
不正をして、自分の運気が下がるのは嫌だというインセンティブも働きますので、
良いと思った次第です。

※これを意識しだしてから、道端のゴミを必ず拾うようになりました。
  別に「良いことをして加算してね」というつもりではありませんが、
  ゴミを見つけているのに「拾わない」理由(急いでいる、ゴミ箱が近くにないなど)
  をつけることは無くなり、自分を欺くことは格段に減りました。

ところで、本書を読んでこれからできるだけ不正してしまう状況を減らすために
簡単なアクションを。
「もう高級ブランドの型を真似した100円ショップのサングラスはもう使わない!」

投稿者 kd1036 日時 2013年12月29日


本当に作者はよく考えたなというおのが、一番の印象です。
数々の実験と、条件付けからのデータの取り方には学ぶ点が大量にありました。

私が普段よくやる事の一つに以下のような事があります。
「仕事の場面では、何故その行動をしたのかをきちんと説明できるようにして業務を遂行しなさい」
と指導する事です。
この狙いは、
対お客さんであれば、何かのコミュニケーション不全があった時
社内では、PDCAや業務の改善をする際
に、現状をしっかり把握するものです。
何かをどうにかするためには、何がどうなっているを理解する必要があります。
逆に、何がどうなっているか理解できれば、何をどうすればいいかは自ずと明確になります。
私はこう思ってこうしたんだけど、相手はこう考えていたのか。だったらその違いを修正すればいいんだ。と大抵の事は落ち着くと思います。

本書は、誰でも意識せずに、巧妙にずるをするとういメカニズムをここまで明確にしてくれたという点で非常に貴重なものでした。
何となく、行われている実験の結果はどうなるかは分かる気がするんですが、条件を色々変えた時の結果の出方には、そこまではっきりするのかと感じました。
特に、第6章の自分自身を欺く以降の話は、かなり注意深く自己を監視していないと、自分でも気づかないうちにやる事です。
こういった事柄を、知っているという事は、人と関わるうえで非常に楽になります。そもそも、ちょっとしたずるをする事が当たり前だと認識していれば、どのように制限をかけて防ぐかもデザインしやすくなります。

本書は、良書リストの「影響力の武器」と併せて頭に叩き込んでおくと、非常に有効な一冊かと思います。

投稿者 chikaminzai 日時 2013年12月30日


ずる。私も結構ごまかしをしているなと思った。そしてその事に普段は気がついていない事に驚いた。それは、日常化しつつあるという事だからだ。ほんの些細な事はあたりまえの様に罪悪感も無く行われる。
無意識のうちに「つじつま合わせ」をしている節があり、ちょっとぞっとした。正しい事をするには、強い意志やそろ相応なエネルギーが必要だからだ。「ずる」をしている方が、ストレスなく日々暮らせるのだろうか。
人と人との間って、なんて簡単なのだろうか。えこひいきされる為に心理的に何をすれば良いのか。
読んている途中で、仕事で少し実行してみたら、(まぁ、単純に担当者にちょっとしたプレゼントを渡した。)結構すんなり事が進み、相手も譲歩してくれたりして、私も対してエネルギーを使う事なく、効果ありと感じられた。
小さな事なら、相手も自分も幸せになれる。必要な事がだと思ったが、何処までやって良いかの見極め判断を考えさせられる、そして興味深い1さつでした。

投稿者 fingerxfrog 日時 2013年12月31日


ずる-嘘とごまかしの行動経済学を読んで、の物語。

ここに1人の男がいる。名前をコマオという。
今、かれは元脇吊り橋の中間地点に立ち、清々しさと悲しさの入り混じった表情で眼下の海原を見つめている。
時間は夜明け前、水平線あたりは薄紫から橙に滲んできた。風はない、そっけないくらいに無風だ。
手には握りしめてしわしわになった手紙。もう靴は脱いである。何も悔いは無いはずだ。
そう、コマオは、自らを投げ出そうとしているのだ、、、、。

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「こんな簡単に彼女ができるなんて、もっと早くからFAKEBOOKのアカウント作っときゃよかった~。ネットって楽すぎ~。」
半年前から始めたFAKEBOOK、最初は好きな音楽関連から好きな日本のBandのページを見ていた。
そのうち、あるBandのFBへ何度か書き込みをしているうちに、同じように書き込みしていた今の彼女、なつめと知り合ったのだ。
「よくもまぁ、無駄に取り繕っていたな、、、。」今となってはどうでもよいことだ。
コマオはなつめの気を惹こうと、年収600万のITエンジニアと伝えていた。
さらにそう見えるよう、知人を通して情報収集し、なまじっかな自信と知識の振る舞いで通していたら、本当にそんな気がしてきて何でもできるんではないかと錯覚さえ覚えたのだ。

だが実際は、年収200万のガテン系フリーター、33歳、、、。

「今年の夏は、無地ロックフェスティバルに3日間全部行きたいなぁ。」となつめ。「あっ、もちろん旅費とかはお互いに負担でいいからね。」
「おーいいねぇ!大丈夫、俺が全部出すから。まだ先だけど今のうちから準備しないとね~。」とコマオは返事をしたものの、、、本当は貯金ゼロだ。

コマオは働いた。昼の力仕事が終わったら夕方からスーパーのレジ打ち、そのあとに居酒屋の皿洗いと掃除。睡眠時間は3時間。
「これでなつめが喜んでくれるのなら、、、」そしてとうとう二人分の旅費¥50万を工面したのだ。 

そんなある日、通い慣れたなつめのアパートへ。何回目だろうか、今回の旅行の事で打ち合わせだ。
「おまたせ。これ旅費二人分で今日精算してくるね。今回ボーナスも上がったし、おれ現金主義でクレカあんま使わないんだよね。」
「ホントにいいのぉ?」「やっぱ外資系ITエンジニアってすごいなぁー!」

日毎に強くなってきた日差しが、カーテンの間から入り込んで、なつめの嬉しさと安堵の表情をやさしく照らしている。

「腹減ったからとりあえず一旦、外で軽くメシ食おうよ、おごるから。その向かいのロイヤルコストでいいよね!」
コマオは、なつめの笑顔がボーナスみたいなもんだと嬉しかった。

「あっ、先に出てて。親に一本電話入れてから行くから。」


、、、、泥沼って他人事だと思ってた。
信じてる信じてないで、こんなにも引き裂かれるとは。

メシから戻ると¥50万は消えていた。なつめは鍵をかけ忘れた私のせいだと泣いている。
警察に通報しよう。たった小1時間でも泥棒が入ったに違いない。だた、どうも腑に落ちない、、、財布と鍵を持ってなつめは追いついてきたし、、、。
警察からの進展もなく、スケジュールのキャンセルは不可能であった。結局俺は泣く泣くクレジットでリボ精算する事になった。なつめには十分に貯金があるからと嘘をついて安心させた。

なんとか無事、ムジロックを満喫し、1ヶ月程たったある日、ちょっとしたことから喧嘩になった。
コマオは仕事の疲れと、現実とのごまかしの間でストレスがピークだった。そしてあの言葉が、、、、。

「信じてるけど、まさか、なつめ、あん時の¥50万ってお前、、、。」

言ってしまった、、、。

「、、、、今までずっとそういう目で私を見てたのね!最低、ひどい!!」なつめは怒りと悲しみで目を腫らす。「出てって!」

それから俺は、なつめに一切会いに行っていない、むしろ行こうとも思わない。人づてに聞いた話では、なつみは以前から二股をかけていて、最初から¥50万は彼氏との海外旅行費用に使うつもりだったようだ、、、けれど、

こうなってしまった原因は誰のせいだ?
何が楽しくて俺は俺を演じたんだ!
ここまでやって来た俺の存在価値って何だ?

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さきほどまでの東雲の橙から、金色の日の出が浮かんできた。
海風が出てきた。しわしわの手紙を足元の靴にねじ込む。コマオはもう一度大きく深呼吸した。
「なんて素晴らしい34年間だったんだ、、、。」
コマオは両手を広げゆっくりと、相模灘の海原へ飛び立っていった、、、。

 

 

「、、、、、、、」
「、、、、ウォーーー、オーーッ!」

コマオは我に返った。水面の直前で引き戻される。

ここは諏訪峡大橋、ブリッジバンジージャンプ場。現在日本で唯一、橋からダイブする本格的ブリッジバンジージャンプ場だ。コマオは建設会社の現場視察と称して、キャンプ社員旅行に来ているのだ。実際の所少しの罪悪感は感じつつ、すべて経費扱いにするのは上司も周りの同僚も暗黙の了解だ。

散々周りから、早く飛べ、罰ゲームだろうとプレッシャーを与えられても、精神統一だからとごまかし、ありったけの想像力を駆使して、コマオは高所の恐怖と勇敢に戦った。

下を流れる利根川に、ちょうどボートに乗った、爆笑するなつめの顔が近く遠く、だんだんに潤んで見えた。

投稿者 tadanobuueno 日時 2013年12月31日


誰もが不正をする能力を持っており、不正を行うプロセスを知ることで不正防止に対する有効なアプローチが可能となる。
現在の法律、規制強化はSMORCを基に出来ているが、それでは説明できない事例をあげ、道徳等のSMORCに基かない方法による不正防止効果を実証していく。

著者が受けた実験による経済損失は、あきらかな不正より、何気なくやっている・ちょとした不正、との指摘に象徴される通り、著者としては小さな不正を非常に問題視していると感じた。実際、小さな不正を行う誘惑の多さ、不正を行うと人はそれに慣れ、更に周囲にも感染してゆくことを実証し、大きな不正へと発展していく素地をつくることを指摘している。

本書の内容は、自己規律・組織運営の面で非常に示唆にとんだものでした。
自らが不正のスパイラルにはまっていかないように、不正が組織全体に感染していかぬよう、どのような点に注意すべきかのきっかけになった。

宗教の持つ役割(道徳のよりどころ、リセット機能等)が触れられており、このエッセンスを非宗教的なやりかたでビジネスに活かすことができると書かれていたが、改めて宗教の教えに触れてみる必要性を感じました。

今回の著書の前2作含め、来年の自らの課題の中に加えていきます。
今回も新たな気付き戴きありがとうございました。
来年も宜しくお願いします。

以上

投稿者 ken2 日時 2013年12月31日


『ずる 嘘とごまかしの行動経済学』を読んで

「自分は基本的に正直で真面目な性格でうそがつけないタイプなんです!」
これが長年にわたる私自身のセルフイメージでした。

でもとんでもない、この本を読んだ後でも大真面目にそう主張するならば、私は大ウソつきだ。というほど価値観がひっくり返りました。

あぁ、人はかくも簡単にずるに手を染めてしまうものなのか。
にわかには信じがたい著者の調査結果に私の理性は抵抗しようとするも脳が疲れてしまい、その疲労ゆえ甘いチョコの誘惑にも負け、完全なる敗北感を受け入れた次第です。

本書の著者の主張は「ずる」の推奨ではもちろんなく「ずる」に至る流れや思い込みを明らかにし、「ずる」のワナにはまらないこと、「ずる」の抑止を目指すことにある。

自分にとって衝撃的だった内容をいくつか列挙する。

・お金そのものに対するずるより、物なり行動なりのワンクッションがあるとずるのハードルが下がる

・道徳的柔軟性の水準が高いとき、不正行為をやっちまえと思いがち

・意志力がすり減ると欲求を抑えるの苦労により正直さまでもすり減ってしまう

・ずるに関して国別の差異はあまり見られず、また自国民は他国よりずるをするという思い込みがある。
→日本の言及が見当たらないが、日本では逆に、ずるをすることが少ない、という思い込みがあるのではと推測する。
しかし、赤信号みんなで渡れば怖くない、といういい回しが日本にあるように、結局のところずるに関して日本も似たり寄ったりかと思う。

とはいえ実際に調査してみるのも面白そうだ。


本書を読んで日々の行動に落とし込める点として次の内容が心に響いた。

・ずるの抑止力にはならないが、偽物を知りつつ身につけてると不正の道に歩を進めがちだということ。
→本物を身につける、本物を選ぶことの意味を教えてくれる調査結果だと思う。
安物買いの銭失い、自己肯定感、セルフイメージとも関係する。

人は何かのふりをすると自分の行動と自己イメージ、さらには周りの人たちに対する見方も変わる。

自分も周りの人も「ずる」を誘発しないような行動をすることと仕組みづくりがとても大切だと気づかせてくれた良書だと思います。
ありがとうございました!

投稿者 morgensonne 日時 2013年12月31日


『ずる 嘘とごまかしの行動経済学』を読んで


人間は、ここまで物事を自分に都合の良いほうに解釈し、自然にそのように行動していって
しまうものかというのに驚きを感じました。そして、そのことを実験によって立証していく
著者もすごいと思ったと同時に、実験結果に対して興味深くもあり、恐ろしくも感じました。

「ずる」もひとつの原因にはなりますが、人為ミスを防ぐためにどのような対策をすべきか、
という事を仕事で考える機会がよくあります。一番良い対策は、フールプルーフ(ポカヨケ)を
することですが、それができない場合は、どうしても人の判断に頼ってしまう部分が出てきます。
そういう時には、人はミスをするものであるという考えに立って対策を考えるようにしていますが、
この「ずる」というのもそれに似たようなところがあると思いました。
今後、この本の「不正を減らす要因」も参考にしていきたいと思いました。

最近、自分の住んでいる自治体で、自転車の違法駐輪に困っていたために様々な実験的な
試みをしているという記事を見ました。その対策のひとつに、職員が睨んでいる顔写真を
駐輪禁止場所に設置してみたところ、違法駐輪が10分の1程度にまで減ったというのが
書かれていました。これもまさにこの本の「監視」であり、実社会でも効果が立証されているのを
目の当たりにしました。

ある程度、人は「つじつま合わせ係数」によって行動しているということを受け入れつつ、
自分に対しては、潜在意識に見られているというように考えて行動をしていきたいと思いました。

ありがとうございました。

投稿者 ntotheg8 日時 2013年12月31日


不正の事件が起こった際に、容疑者ががあたかも極悪非道な
イメージで伝えられていることが多いことに前から違和感を感じておりまして、
本当はなんかのきっかけで魔が差してやってしまったというが
大部分なんだろうなぁと思っていたところを裏付けてくれた本でした。

どんな正直者でも多少のずるはするものだとは思いますが、
意識的か無意識にずるをやっているかは別としても
やはり、ずるに対してルーズな人は事件に巻き込まれる確立が高いと思います。

この本でも触れられてたとおり、人は他人のずるには厳しいいもので、
人がずるしているのを見ると、そのずるしている人に対してずるを仕返す事の
ハードルが下がるのは半沢直樹が支持されるように大いに有り得ることですし、
実際に自分の職場でも、ルーズな人(この場合は無意識にずるしているパターン)は
周りからあまり手伝ってもらえてないという印象があります。

ただ、安易に仕返ししてもいいという発想も、
ずるに対してルーズな事にもなるので、そこは自分にも
言い聞かせなければならないポイントだなぁと思いました。

実際、ずるして利益を得ることや、仕返しして溜飲を下げるのは
人生の最終目標にはなりえないことですし、
自分らしく生きるためには対して意味がないとも言えるので、
一時の感情に惑わされずに目標を達成できるようになりたいと思いました。

最期に、この本を読んでる最中にみた映画で、
この本と近いものを感じたものがあったのでご紹介します。

インビクタス/負けざる者たち
http://wwws.warnerbros.co.jp/invictus/

劇中、ネルソン・マンデラ氏が唱えていた詩の一節です。
I am the master of my fate:
I am the captain of my soul.
~INVICTUS - William Ernest Henley~

投稿者 Silver 日時 2013年12月31日


「ずる 嘘とごまかしの行動経済学を読んで」

障子一枚隔てた向こう側は「別室」とし、たとえ見えても見ないフリをして暮らす
文化の私の所属する社会では、「日本ではないよね」で片付けられて終わりだろうな、と思いました。
しかし、イタリアや中国で同一の実験をしても、アメリカとほぼ差はなかったという結果もあることから、
日本でもそれほど変わらないと思います。

不正やごまかしを無い事とせず、どのような時に発生しやすいかを、詳しく分析されており、
非常に面白かったと同時に、自分の行動についても気をつけていこう、と思いました。
特に、疲れていたり、判断が鈍っている時に、同時に人間は不正をしない気持ちまで鈍ること、
また、一度小さな例外を認めてしまう(=ポテトをひとかけ食べるとダイエットは台無しになる)と、
「どうとでもなれ」となることは、私にも身に覚えがある事です。

不正を起こしやすい、許してしまう場をいかに作らないか、の仕組み作ること、
リセットをする儀式を持つ事の重要性を作者は言っていました。
私も積極的に取り入れていこうと思います。

内容からずれますが、この本に掲載されている数々の実験のアイデアを考えることは、
とても楽しいだろうなと思いました。共同研究をしてみたい!実験に協力して不正を観察されたい!と
さえ思いました。

私は今まで、普通の心理学の記事や本に全く興味がなく、それは往々にして単純化されてて、
退屈な印象があるからでした。
しかし、この研究や本に掲載されている内容は、人間の行動に深く関心を持ち、
その行動の意味を知りたいという欲求が感じられるのと同じくらい、
ブラックジョークやユーモア混じりの姿勢が、読者を引きつけ、
こんなに研究を楽しい物にさせるんだな、と言うところに、とても作者の魅力を感じました。
カフェやレストランで単純に友人から話を聞いていて楽しいことにまで、研究内容が具体的に
なっているだけで、こんなに興味を引く研究ができるのだ、と感心しました。
こういう姿勢で、私も研究を行いたいと思いました。
(なるべく「ずる」はなしで!)

投稿者 iristome 日時 2013年12月31日


嘘とごまかしの行動経済学を読んで

人はごまかしをする生き物である、
うん、そのとおりであると思います。

不正をする人、それを防ぐ人、この2種類の人達がいるからこそ
人類は進化しているのだと思います。

人は1人ではなく、繋がり、波となって常に変化していくもの。

ずるをする人、正直な人、創造的な人、知性的な人。

世の中に色んな人がいて、時代を生きて変化させて、
時には失敗から学び、時には躍進し、私たち人間が時代の一部で、
時代そのものが生き物なんじゃないかなぁ、
と考えさせられました。

投稿者 tractoronly 日時 2013年12月31日


ずる―嘘とごまかしの行動経済学 を読んで

本著の中で核心をついているなと思ったのは「自分をだましてはならないということだ。自分というのはもっともだましやすい人なのだ」という一文でした。

不正が発生するケースと発生しないケースでは何が違うのか注意深く実験内容を見てみると、当事者が主観意識のみを持っており、客観意識がない場合に発生することがわかります。
特に第9章の「協働して行う不正行為」に登場した会計士の上司のように、それが組織で発生する場合、問題となったときの悪影響も甚大となるでしょうから、組織をまとめる人間は「ビジネスは、〈三人称〉で考える。」で出てきた4人称以上の視点が求められることもこうした理由なのでしょう。

こうした組織での不正行為を防ぐためには、利害関係のない第3者的な客観的意識を仕組みとして持つような組織構造、本著にあったような大手国際銀行の監視体制とか、ISOのような定期的な認定とかが解決策になるのではないかと思いました(そのような仕組みがないのが芸能界やマスコミなのでしょうが...)。

私自身、小さなごまかしは日常茶飯事的にやってしまうときがあります。
まだまだ客観意識が身についておらず身につまされる思いでした。
ただ、自分を正当化するわけではないですが、こうした個人のミクロレベルでの取り繕いやごまかしというのは少なからず発生するのだということも数々の実験が教えてくれているため、その認識を持って物事にあたらないといけないという思いも持ちました。
自分自身を振り返るきっかけを与えてくださってありがとうございました。

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投稿者 BruceLee 日時 2013年12月31日


本書では「ずる」が発生する仕組みとその結果起こる不正を減らす方法を中心に
描かれているが、そももの疑問が生じた。「ずる」とは何だろうか?

例えば、あなたが冴えない中年サラリーマンだとして、ある日オフィスに売り込み
営業の電話が掛かってきたとしよう。対象商品はあなたが業務上使用するもので、
あなたがメーカ選定権を持つ商品(但しどこでも手に入る商品、つまり
コモディティ)。以下2社から掛かってきたとする。

A社:50代くらいの男性営業。ダミ声で電話の話から、あまり要領良くなさそう。
兎に角一度お邪魔してご挨拶&ご説明させて頂きたい、の一点張り。
B社:20代後半か30代前半の女性営業。ハキハキした声でそれなりに賢そうだが
少し甘え声で「まだ勉強中でいろいろ教えて頂きたいんですぅ~」との依頼

ここで問題です!あなたはどちらと会いたいでしょうか?と、クイズにするまでも
ないだろう。当然B社だ。そしてB社の女性担当者の名前を聞いて「○○さんかぁ~、
どんな人なんだろう?」と、ニヤニヤしそうになるのを必死に抑えつつ、電話の声
から勝手に美人を想像するだろう。そして下らない社内会議とバッティングしない
よう、速攻でOutlookカレンダーに予定を書き込む事だろう(フラグは「重要色」)。
で、更に業務の合間にB社名と○○さんをヒントにfacebook等を検索し、顔写真を
探し当てたらもう大変。「おぉ~この子か!可愛いじゃないか~」と周囲に人が
居ないのを確認してPC画面に釘付けになるだろう。そして「B社から購入する事に
したら、接待受けるかな~。で、飲みの席で盛り上がって、で、で、もしかして
・・・ムフフフ」などと、有り得ない空想をしながら悦に入るかも知れない。
裏で情シスにWEB閲覧ログを取られてるとも知らずに。

だが。。。あくまで万が一の話だが、アポをお断りしたA社の男性営業が「何でうちを
断わったのにB社はOKなんですか?」とツッコミが入ったら何と答えるか?或いは後日、
あなたがB社を選定した後になって部長から「う~ん、B社も良いけど俺は前々からA社
も気になってたんだよね~。今回敢えてB社を選んだ理由ってあったの?」とコメント
入ったら、何と言うか?勿論、あなたは決して本当の理由、つまり「B社の○○ちゃんと
会てみたかったからです」とは死んでも答えない。。。つまり適当に誤魔化しの言い訳
を作り上げるのだろう。が、あなた自身それが正しくない、つまり「嘘」だと自覚して
る訳で、この時点で「ずる」となるのだ。

いや、中には「当社そんな姑息な事しません!コンプライアンス重視してますので、
A社もB社もお会いしてお話を聞き公正に比較検討して当社にとって最適な1社を選定
します」という人もいるだろう。嫌味なほど立派な回答であるし、ルールとしては
正しいのだろうが、全ての判断基準をルールに依存している感じもして、実は怖いのは
こちらのような気もする。少しでも会社のルールが曖昧だったり、悪意ある上司がいた
としたら、その命令に思考停止で従ってしまうのではないか?勿論、女性営業にデレデレ
してる奴とて信頼度は低いのだが、人間的には自分に正直な奴、とは言える訳で、
そう考えるととても混乱してしまうのだ。

もっと考えてみよう。では、初めからその展開を狙って女性営業にコールド
コールの売込み営業させる会社ってどうなのよ?だが「イヤイヤ、当社は純粋
に女性戦力を営業に活用しているだけですから」と言われたら証明のしようもなく
話は終了だ。また、あなたにとってはWEB閲覧ログを取ってる情シスだって
「ずる」い対象かも知れない。そしてもしかしてB社からアポ当日やってきた
のは男性営業一人で「いや~○○(電話の女性)はアポ取り専任で実際お邪魔は
しないんですよね~」等と言われたら、その「ずる」さにあなたは怒り心頭
だろう。するとこの中で全く「ずる」が無くクリーンなのはA社の男性営業マン
と言えるが、幾らクリーンでもビジネス取れなければいつかはリストラ対象である。
そう考えると「兎角この世は難しい」とボヤきたくなりつつ、本書にあったように、
勿論不正はイケナイが最後は受け手の解釈次第であり、実際の日常生活において
このレベルの「ずる」は人生全般の潤滑油と言うか、自動車を運転する時の
「遊び」の如く必要なもの、とも思えるのだがどうだろう。「他社より1円でも
高ければ安くします」や「牛丼戦争」など、消費者からすれば「安く出来るなら
初めから安くしといてよ」とも言える訳で、これを「ずる」と呼ぶか?という事
である。

という事で最後にまとめだが、全てをガチガチに杓子定規に捉えず、やんわり解釈
するのも人生の極意とも思えるのだ。より具体的に言えば「日本一のホラ吹き男」
の植木等のような感じで「パァー」っと行きましょう!と(今年久々DVDを見て堪能
した事をここに明記)。実際、この投稿にしても、実は「『ずる』と潜在意識の考察」
や「外交における『ずる』の効能」など、とても深く難しくまとめようとしたのだが、
考えてみれば、優秀賞選定者様は恐らくお屠蘇気分で半分酔っ払い状態で読まれるで
あろうから、「硬い内容より軽く笑えるバージョンの方が読みやすいだろうし、
酔った勢いで間違って優秀賞に選ばれちゃうかも!」と「ずる」く考えこのバージョン
にしてみたのだが(笑)。。。うん?笑い事じゃないって?正月早々不謹慎で
けしからんって?お呼びでない?お呼びでないね?こりゃまた失礼しました~

「ずるっ!」(全員がコケた音)

以上

【最後に】
という事で本書のタイトルを初めて見た瞬間からこのオチしか浮かばす、
かなり無理矢理だと自覚しつつ、自分の気持ちに対して「ずる」の無い締め
とさせて頂きました。今年1年課題図書で毎月脳の活性化の機会を頂き感謝です。
有難うございました!。

投稿者 ktera1123 日時 2013年12月31日


「ずる-嘘とごまかしの行動経済学」を読んで

しょうおんさんと知りあうきっかけになったのが「無意識に利己的な行動」をしていたのが1つの要因になっているので、痛い所をつかれたのは事実です。

さっき、ラジオで言っていたのだけど「欲」と「自尊心」の間で揺れ動いているのが人間ではないのでしょうか。

課題図書の紹介の末尾のアメリカにチャンスがあふれている国でどんな人にも門戸が開かれているについて、以前西海岸にツアーで出かけた際に現地日本人ガイドが、物乞いが車外にいた際に「チャンスはいくらでもあるのに」と言っていたのと、利用したバス会社の社長さんが中米方面からの不法移民だったそうでチャンスをつかんでこんな大きい会社にしたんだと言っていたのを思い出しました。(別のドライバーガイドさん曰く、交通法規に関する取り締まりは日本と比較するとめちゃくちゃ厳しいそうです。)

投稿者 senumishima 日時 2013年12月31日


ずる 嘘とごまかしの行動経済学

ごまかしから利益を得たい。自分をすばらしい人間だと思いたい。
この2つの整合性をとるために、人間が無意識にとる行動、これは潜在意識の1つでもあるのだろうか。

創造性の高い能力を持った人ほど、不正をしやすい。
つまり、正当化する能力が高いために、併せてそれを抑える能力も必要になってくる。
「意思力がすり減ると、欲求を抑えるのに苦労する。誘惑にさらされっぱなしだと、抗う力が弱まる」
人として持って生まれた力と上手く付き合っていくには、常に自分の行動を意識しておかなければと思う。

誰もがもっているこの意識を知ったおかげで次の2つのことがいえる。
他人の行動・判断の理由が理解しやすくなる。
そして、自分の行動を客観視してみることができる。

これから自然の法則に則った行動ができているかどうか、日常生活を気を付けて意識してみた。
意識して生活してみると、あらゆることにこの本の内容のままの世界に見えてくる。
こういう目で周りを見始めると、疑ってばかりになってしまう。

なので自分は、自分の行動を客観視してみることから始めます。
それだけでも行動に良い変化が出ることを期待して。

投稿者 whockey51 日時 2013年12月31日


一番驚いたことは、立てた仮説に対しての実験の多さに尽きる。仮説の多さにも驚かされるが、よくもこんなにも実験を思いついたというのが一つ大きなところになる。

ビジネスで必要な仮説はもちろんだが、それを検証するために行う仮説が非常にためになった。仮説を導き出すために行うのではなく、それによってどういった結果がもたらされるのか。そこが重要だと言える。仮説を証明するために実験があるのではなくて、それを行った事によってどういった結果が出て、それがどう活かされるのか。それが知れたのが良かった。

この本を読んで、ずるを人はするから気をつけなくては。という結論が自分の中では出てこなく、自分の立てた仮説がどういった結果につながるのかを今後の自分のビジネスに活かしていこう。そう感じた。もちろん「ずる」はなしで。

投稿者 magurock 日時 2013年12月31日


これは新しい年を迎えようとするこの時期にぴったりの本ではないだろうか。
自分の中にひっそりと隠れていた「ずるさ」を明るみに引っ張り出された居心地の悪い本だ。
「ずる」のしくみを理解して、来年からは「ずる」の罠に陥る機会を減らそう(「無くそう」と言う自信はない)と心に誓う年の瀬。

「協働して行う不正行為」という章の題名を読んだとき、「赤信号、みんなで渡れば怖くない」というおなじみの言葉が思い出され、そういった内容を想像した。
でもそれよりもっと深刻な重いものだった。
正確な報告書を作成しようとする誠実さと上司の意向やチームへの思いやりのはざまで悩んだうえに犯した、ジェニファーの不正行為に胸が痛んだ。
自分だったらどうしただろうか。
圧力に屈せず正直な報告書を作成するだろうか。
正確な報告書は受理してもらえないのだとしたら、やはり意向を汲んで「改善」するのだろうか。
どちらにしても責任を自分が負うことになる…
ジェニファーの憂鬱を想像すると自分も悲しくなってくる。
でも、ここで「みんなで渡れば」式の責任分散型のずるのほうがまだマシだ、と思った自分もかなりずるい人間なのだと自覚する。

「なぜ疲れているとしくじるのか」の章にあった「判事が疲れるとき」のエピソードに心が引っかかった。
刑務所からの仮釈放の審査を受けるのは、仮釈放審査委員会の判事が元気な朝一番か休憩直後が有利、との記述に思わず笑ってしまった。
「仮釈放を認める能力が高まっている」タイミングらしいのだが、そういえば誰しも疲れていないときのほうがおおらかだしな…
これも厳密に言えば「ずる」(決定を下す側もそれを利用する側も)なのだろうし、気分によって決定が変えられ不利益を被る側からすると笑えないことなのだろうけど、こういった「人間味」をうまく利用する要領の良さも生きていく上では必要なのではないか、とも思う。
あからさまではない本当に要領の良い人を見ていると、「ずるい!」という感情よりは思わずクスリとさせられ「上手い!」と思ってしまうものだし。

データを軸にした本書だが、データを取る際しっくりした結果が出なかった場合に「ずる」をしようとする「利益相反の危険」が印象深かった。
データが提示されると説得力が増しつい鵜呑みにしてしまうが、そんな性質を利用したトリックも蔓延しているので注意が必要だ。
そう思うと世の中は「ずる」で溢れている。
しかも、誰もがごまかしをする能力を持っている。
でも、不正に対抗するための方法を考る知性も持っている。
「不合理性を忘れるな」
「不合理」な著者の名言だ。
「わたしたちは不合理だからこそ、新しい環境に順応し、他人を信頼し、進んで努力を払い、子どもを愛することができる」
(「不合理だからすべてがうまくいく」から)

投稿者 lupinthethird0710 日時 2013年12月31日


汝自身を知れという格言がありますが、この課題本を読んで、その事は今まで以上に難しい事だと再認識させられました。

特に、消耗した後や1日の終りなどには困難なことのように思われました。

人生を振り返ってみると本書の理論に何度も唸らされ、そして悲しくなりました。

一度の不正が何度も、小さな不正がだんだんと大きく、例を出せばきりがないほどあり、また繰り返していくうちに自分自身を汚していくのだと理解しました。

そして、その行き着く先が(ずれるのですが)他人への不信に繋がりそして反心のこころを生み出してしまう原因かなと少し思いました。

しかしそうなってしまった後でも自分のこころを綺麗にし、そして保つことにおいては遅すぎることなど全くないと思います。

本書に書かれている知識をインストールしてこれからの日々の生活をしっかりとしようと意識していけばそれでいいのだと思います。

そして人間はすぐ忘れるということも忘れずにしたいです。

投稿者 chaccha64 日時 2013年12月31日


『ずる―嘘とごまかしの行動経済学』を読んで

ずる、不正が何に関係し、その原因は何なのか、どうすればなくすことができるのかを実験、調査を通して明らかにしていく過程は、推理小説のようで楽しんで読みました。科学者としては当たり前なのでしょうが、実験結果から結果を検討し、その結果から新たな疑問を導きだし、それを解明するために新たな実験を繰り返すという地道な作業を行っています。その実験方法はよくも思いつくなという感じです。
最初に、不正行為と結果の心理的距離の「つじつま合わせ係数」には納得しました。自分自身を省みて、本にあるように備品を私用に使ってしまったことが何度もあるので。
読み進めていくうちに、不正をなくすことは難しいのではないかという気がします。不正の理由付けをしているのが左脳の作話能力だということ、不正は感染すること、グループでは監視になりにくいことが現在わかっていることだから。不正をなくす有効で簡単な方法が今現在ないと思われます。これから、著者たちは不正をなくす方法をこれから研究されるのでしょうが、よい方法が見つかることを望みます。
小さな不正(かどうか疑問もありますが)をたくさんしてきた自分としては、「つじつま合わせ係数」を思い出し、道徳心を呼び起こすリセットをなるべく頻繁にしていきたいと思います。

投稿者 AKIRASATOU 日時 2013年12月31日


ずる‐嘘とごまかしの行動経済学‐を読んで

僕には娘が二人いる。
いつだったか忘れたが「子供には危ないから赤信号を渡ってはいけないと言うのに親は平気で信号無視をしたりする。そういう小さい事の積み重ねが親の威厳を失う。」と、言うような話を、子育てに関する本かテレビを見ていた時に目にし、確かに親として子供の模範になる行動をしなきゃいけないよなぁ。と思い、信号無視をしないようにしよう!と思った事がある。が、そうは思っても100%実行するのは難しく、「次の地下鉄に乗らないと待ち合わせに間に合わない!」とか、周りの人が沢山信号無視をしてたりすると「みんな信号無視してるし、今は子供が見てる訳じゃないし。」と、(心の中で)赤信号を青くして向こう側へ渡る。つまり、信号無視をしてしまう。でも、基本的には信号無視をしないようにしているよ!とか言ってしまう。
上述の様な例は枚挙に暇がない(自分だけでは無く、沢山の人がこういう実例を持っていると思う)が、本書に書いてある通りほとんどの人間はそう言った自己都合による拡大解釈つまりズルを意識する、・しないに関わらずしてしまう。これは車で言うブレーキの遊びのようなもので全くズルをしないで生きる事は難しく、ズルの内容の良し悪しは別として誰もが多少なりともズルをして生きている。そしてそれが、人間としてのあるべき姿の一部なんだと僕は思う。
様々な条件において人間はズルをする生き物であるなら、それを上手く利用して自分が出来る範囲でそのズルしたくなる気持ち、条件を良い行いをしたくなる・すべきと感じるような方向に働くように誘導してあげる事。それが本書を読みこれから行うべき事だと考えました。
ちょっと違うかもしれませんが、例えば自分がスーパー・コンビニ等の店員もしくは支配人で少しでも多くの募金を集め困っている人を助けたいと思ったら、中身がよく見える小さめの募金箱に万札や五千円札、500円玉を通常より多い割合で入れ、沢山募金されているように見せかける事で、来客者に何となく募金した方がいいかなーと思わせるように誘導する(この例はあまり正しくないかもしれませんが。。)など無意識で利他的な行動を行えるよう誘導する等、考え方ひとつで自分の属する世界をより良いものにする事が出来ると思いました。具体的にどういった事が出来るかまだ見つけてませんが、上述の様な行動を通して自分と周囲の行動を良い方向に持っていき、まずは自分の属する世界から少しずつ変えていく事が出来れば、いずれは世界全体を良い方向に変える事が出来るかなーと思いました。

投稿者 gizumo 日時 2013年12月31日


「ずる 嘘とごまかしの行動経済学」を読んで

行動経済学と言えば、以前「経済は感情で動く」を読んだことがあり大変興味深いものの、数々の実験に苦戦したことが思い出された。
実験の内容がわからず考え込んでしまうためである。

今回は「不正」というごく一部の人のものと考えられる行動がテーマであったが実験を通して"一部"というのが間違えであることが実証されていく。
さまざまな環境や条件によって、だれもが不誠実でありずるをやってしまうのは驚きであった。
「ずる」と思っているうちはまだ修正がきき、進んでだんだんと不誠実が不誠実でなくなることがビジネスでも起こり得る恐怖を感じた。

実生活を振り返れば、仕事でネットを使い調べものをしているうちに他のサイトを楽しんでしまうことやちょっと便利だとプリントアウトするなど恩恵に預かることはよくあること。
実験者がずるをしてお金を多く手にいれようとすることに比べれば些細なことと思いがちだが、エスカレートすれば同様である。

協働して行う不正行為に関しても、「なぜこんなことが・・・真っ黒な人の集まりなんだろうな」と思っていたが、だれもが可能性を持つことが理解できた。

人には正直と不正は全く異なる動機付けに動かされながら二つの目的を同時に達成することを可能とする能力を持っている。
だが、道徳的指針をリセットする社会的機構も存在するのは非常に興味深い。
正直、読み進めながら自分のずるをする可能性に怯え、他人に対してはずるをしているのではないかと人間不信にとらわれそうになった中で、安心材料となった。

人間の未完成なのか完璧なのかわからない魅力をまた楽しんだ内容でした。

投稿者 kakki 日時 2013年12月31日


「ずる-嘘とごまかしの行動経済学」を読んで

「ごまかし」は、世界共通なんだと知った。
アメリカ人よりも、イタリア人、中国人の方が
ごまかす確率や度合いが多いと思っていたが、
そうではないと知った。

「偽物を身に付けるとごまかしをしたくなる」
ブランド品は、高すぎるから偽物を購入する人は
あとを絶たない。
本物を身に付ける効果としては、堂々と振る舞う事が出来たり
正直に行動・思考する確率が上がる。
一方、偽物を身に付けるとごまかしをしやすくなる。
本物と偽物の価値の違いは、価格よりもむしろ行動や
思考に違いが起こるという事だろう。
自分自身も、出来るだけ本物を身に付けるように
心掛けたい。(偽物を購入しない)。

不正をつくる要因のまとめで、「誓約、署名、監視、
道徳心を呼び起こすもの」とある。
会社では、不正な行為を取り除く活動が必要だと
強く感じた。
ただ、経営陣が不正行為をしていては(あるいはしていても
気付いていないと)、元も子もないのだが。
少なくとも自分の組織には、不正行為を取り除く活動を
行おうと決めた。
例えば、毎年社員規則を読んでもらい、内容に納得した証拠として
署名をしてもらう。
定期的に、監視カメラに写っている映像を見せて
自分たちの行動が監視されているという意識を
植え付ける等。

しょうおん先生、今年も大変お世話になりました。
課題図書のお陰で、読みっぱなしの読書から、
少しはアウトプット出来るようになりました。
来年も引き続き課題図書を楽しみにしております。
ありがとうございました。

投稿者 harusan 日時 2013年12月31日


「ずる 嘘とごまかしの行動経済学」

この本を読みながら、
著者の実験者のように、こういう人達にごまかしをされて、
モノを購入させれているとばかり思い込んでいたのですが、
読み終われば実は、私自身がごまかしを続け生活をしていたことに、
身が引き締まる思いがしました。


自身に当てはめてみれば、
企業を継続させるために、労働生産性を上げることは、
サラリーマンにとっての課題なのですが、
ある一定限度になると行き詰る課題でもあります。
当然、中間管理職であればそこで会社と現場で挟み撃ちに会い、
どのようにその場面を乗り切るかばかり考えた時点で、
顧客のことを忘れてしまっていて、、
これがごまかしや不正につながる発生点であるなと気付かされます。


もし、その成果を顧客に提出すれば
その会社は仕事力が低いことが見えるでしょうし、
それは、仕事をしている私自身が仕事力が低いと見抜かれ、
節度が無いというレッテルを貼られます。
ごまかしを少しずつでも積み重ねていれば。
負のスパイラルに気付かぬうちに陥いっている訳です。


しかしこの本を読んで、会社は人で造られていることを考えれば、
反対にそれを戒めれる人や周りが"ずる"をすることを指摘できる人が、
これからの社会を一歩抜きん出る能力になるとも感じます。
また、ずるを発生させるポイントがわかるということは、
人聞きが悪いですが、自身が仮にビジネスをするためには、
このごまかしを活用させる能力を加えることも必要なのかもしれません。


大きな目で見れば、社会で誰かが政治や経済的にアクションを起こせば、
それは誰の利益の為のごまかしが刷り込まれていることも見抜けるかもしれません。
まだまだ研究し続けるテーマだと感じます。

投稿者 okenaknis 日時 2013年12月31日


『ずる 嘘とごまかしの経済行動学』を読んで

皆さんにお伝えしたいことが2点あります。
1つは「創造性とずる」の事実。もう1つは智の道に関することです。

まず1点目の「創造性とずる」についてですが、クリエイティヴな業務をしている人にその傾向が強いと感じていたため、第7章を読んで「やはりそうかと」大いに納得しました。
少し古いネタで今月12日の朝×新聞電子版に『「追い出し部屋へ配転」提訴~』という記事が出ていましたが、実は2年前までその追い出す側での仕事をしていました。実際に提訴した方は担当していなかったので、細かいところは把握していないのですが、その他大勢の方を受け入れる中で痛感していたことについて記載します。
この追い出し部屋では、いわゆる「部門をリストラ」された人に対して、次のようなステップで対応していました。

①状況理解 部門でリストラされた理由を自分で認める
②自己理解 どうして自分がそうなったのかを自分自身で気付く
③将来への探求 そのうえで、次の行動(社内で異動先を探すか、社外に転職先を求めるか)を決める
④実際の行動 自分から行動を起こす(会社ではそのサポートを行う)

主に制作部門のプログラマやデザイナ、そのうえのディレクタが中心なのですが、所属部門で使えない(使いづらいやパフォーマンスが上がらないといったところも含みます)社員を対象に、緩やかにリストラを進めることが最終的な目的ですが、①と②が本人の中で腹落ちできていないと前に進めないため、カウンセリング的な関わりをしながらじっくり話を聴くということをしていました。
その時に強く感じたことが「自分がつくったストーリーだけを話す(真実は話さない)」ということです。
たいていのクリエイターは、自分がいかに会社や所属部署に貢献してきたのか、上司がどんなにダメか、ということについて、事細かにストーリーを話します。こちらでは「うんうん」と話は聞くのですが、所属部署で上司や同僚からヒアリングした内容とは大きく異なることが大半で、はじめは「この人たちは認識力が欠如しているのか、もしくは単なるアホなのか」と思います。
しかし、話をじっくり聞いていくと、「実は自分でもわかっていたような気がする」と話し出すのです。
どうしてリストラされたのか、部署の状況と自分自身の問題を見ないように、気づかないようにして、自分に都合のいい部分だけを切り抜いて話を作り出している方が大勢いました。ほとんどの話が実によくできていて、上司・同僚へのヒアリングをしてなければ、完全にだまされるレベルです。
この『ずる 嘘とごまかしの経済行動学』を読んで、創造性・いらだちがずるにつながることが、しっくり理解できました。

もう1つ、智の道に関しては全体を通して気付いたことです。
一切「ずる」をしない方はそんなことはないのかも知れませんが、気付くと「ずる」をしてしまっている自分にとってはこの気付きは大きいものでした。
ささいな「ずる」は気を緩めると、自分の行動に移されてしまいます。本書の中でも、いろいろな場面での「ずる」が検証されています。特に誰かのために「ずる」をすることは自分も他者も○になっているように感じてしまうため、本当に危ないと感じました。
しかし、このささいな「ずる」をしてしまうことで、そうすれば、いくら大きな側面で智の道を進むべく、自分も○、他者も○という関係作りに努力したことを帳消しにしてしまうはずです。
本書では道徳的指針をリセットし、こういったずるを抑止するために「カトリックの懺悔」「ラマダン」「毎週の安息日」といった宗教儀式がが効果的とされていますが、実際には、しょ~おん先生の基本編やバージョンアップ編で教えていただける○○○や△△△を毎日行う時に自分自身をリセットすることが、もっとも智の道を進んでいけるのではないかと気付きました。
私の毎日のタスクリストに追加です。

12月という忙しい時期に読むにはきつい1冊でしたが、新年を迎えるにあたって、いい気付きができたと感じております。
この時期にこの課題図書を選んでいただいて、ありがとうございました。

投稿者 takeda 日時 2013年12月31日


ずる 嘘とごまかしの行動経済学 をよんで

研究のテーマが、ずる なんて、とても扱いにくいけど、面白い発想だと思いました。
ずるをするのは、無意識にしていますが、その判断要因が、かなり多く、また抑制する策も少ない、ということを論理的に実験を交えて、分かりやすくかかれていて、後半になればなるほど読むスピードが速くなっていくのを感じました。

抑制するのに、宗教がからんでいるとは、あらためて書かれているのを読むとかなり納得できます。

かならずしも、ずるが悪い、とは思わないし、かかれていないのですが、出来るだけ、今後は少なくしていこうと、改めて考えさせられました。

投稿者 wapooh 日時 2013年12月31日


ずる-嘘とごまかしの行動経済学」を読んで
 嘘も方便、一つ小さな嘘をつくと次から次から嘘を重ねなくてはならなくなる…さまざまな言葉だけではなく、日々の自分の行動にもうそ・ずる、不正を正当化する言い訳や行動は、(自分が)許される、と感じた範囲で起こしている。
 勤務時間に携帯をいじらなかった?課題図書、最後まで読めないのに感想文書かなかった?今自宅で使用しているシャーペンの芯は、会社からの持ち出しでは?
 また、本書では他人のずるによって「私も許される」というずるの感化も紹介されている。人間って弱いものだ。
 ブランディングによって、人間の意識が変わり不正が軽減される、と言っていたが、昨今の食品偽造問題はそんな高級ブランドで起きたりもした。
 人間、ストレスで欲求抑制が継続され、精神消耗が激しい時や、締め切りなど行動に余裕がない時には特に、正当な判断が出来ず、ずるへのタガが外れやすい。だから、余裕を持った行動が必要だし、署名やその位置、ちょっとした監視の張り紙など、良心の声を呼び覚ますしくみで不正への衝動が小さくなるという。また、起こってしまったことには、『リセット』が有効だと著者は説いている。
 たとえば、新年・新学期などのタイミング、就寝前などの懺悔とリセット。
 先ほど読み終えたばかりだが、心の痛みを減じるためにも、少し今年一年の懺悔と新年へのリセットを試みて、眠りに入ろうと思います。
 今年一年は、前年と比較しても他分野にまたがり読後の視野の広がりを実感できる課題図書が多くありました。選書とこのようなアウトプットの機会を頂けるしょうおんさんのこの場に深謝いたします。来年もどうぞよろしくお願いいたします。

投稿者 nkatani 日時 2013年12月31日


ずるは倫理観の低い人間が自分の利益を多くするために行うものと思っていました。
しかし、この本を読んでみると、ずるというのは、
実は上記からだけでなく人の利益のためにごまかしを行うこともあるということを知り、
びっくりさせられました。

また、他にも下記のような気づきを得られました。

つじつま合わせ系数
 ずるをしておいて、自分は正しい人間というイメージを持っているなんて、
 なんて図々しいのだろうと感じました。
 しかし、みんな大なり小なりずるはするもので、100%正しくあるのは難しく、
 自分もそれなりに図々しいのだと感じさせられました。
 今後、不正があった時は、不正をした人だけが悪いと考えるだけでなく、
 不正が入り込む余地があったと考え、その対策を講じる仕組みを導入する必要があることも考えさせられました。

 お金から離れるたびに、不正の割合が増えるという事実を面白く感じました。
 ものに代わるとお金の間隔がマヒすることは、賭け事でお金をものに変換する事から感じていましたが、
 ずるにおいても作用していた事には面白いと感じました。

倫理観を意識させるとずるは減る。
 トイレによくある「いつも清潔に使っていただいてありがとうございます」の張り紙を思い出しました。
 これによってトイレが以前よりもきれいになったという事例は、もしかしたら上記による効果かもしれないなと思いました。
 話がずれているかもしれませんが。

疲れているとしくじる
 誘惑が多いと、誘惑に打ち勝つ判断の力が弱くなり、それに負けてしまう。
 「誘惑に勝てないのは意志が弱いから」と精神論を持ち出したくもなりますが、
 精神力の問題だけでもないという事に気づかされました。

 「たまには誘惑に負けてみる」という考えは、
 自分自身を正当化するために使っている意識はありましたが有効な方法だとわかり、
 救われた気分になりました。

 話はずれますが、机の上が片付いていると思考スッキリするという話も、
 第4章を見た後だと納得がいきました。
 散らかった机では、無意識にたくさんの判断がなされるため、
 精神的な負担がかかっているのだと理解しました。

偽物をつけるとごまかしをしたくなるのか
 偽物を身に着けていると不正が増えるという事実にはびっくりさせられました。
 偽物を身に着けている自分というイメージが不正を悪くするのかなと思いました。

 今回の実験では、本ものを偽物として偽っていましたが、
 偽物を偽物として身に着けさせる場合や、偽物を本物と偽った場合どうなるかについても、
 少し気になりました。(本の中で行われた実験と同じ効果がでるのでしょうか?)

自分の動機で目が曇る
 自分の都合がいいようにごまかしをするということは自分もよく経験することがありますが、
 人間にはそうなりがちな傾向があるということにも気づかされました。
 人間性が悪いために起こるのではないと知り、少し救われたように思います。

感染症としての不正行為
 人の行動を参考にして不正が行われるメカニズムを知っておく必要があるなと感じさせられました。
 不正の裏には、当人の人間性としてだけではなく、
 そうなる風土があったのではないかも疑う必要がある事に気づかされました。


以上です。

この本を読むことによって、
ずるに関する一つの視点が持てたと思います。
面白い本をご紹介下さり、ありがとうございました。

投稿者 uchdk 日時 2013年12月31日


ずる 嘘とごまかしの行動経済学

 本書を読んで、人は弱く周りの環境に影響されやすいことを痛感しました。


 数々の興味深い実験検証の中でも、にせもののブランド商品を身につけていると認識しているとごまかしの程度が大きくなることは自分自身において気をつけなければいけないと感じました。そして、日常生活において過度のストレスを受けつづけると、正直の閾値を超え「どうにでもなれ」となってしまう。そうならないためには、普段からバランスを保って暮らせるよう、メリハリをつけ「いいかげん」に頑張ることが必要かと思いました。
 また人は周りの環境の影響を受けやすいことを肝に銘じ、悪い環境には近寄らず、良い環境を取り入れ、さらには自分自身を良い嘘でごまかし思い込むことも必要かと思いました。程度にもよるが、嘘でも何度も言っていれば真実になるというのはあるのだと再認識しました。 


 本書の実験の続きがあればもっと知りたい。その前に、本実験において人は正直でありたいものであるとしているが、この前提はどこまで正しいかという疑問がある。国ごとで実験の結果に違いはほとんど無かったことは驚きだが、業界・役職・年齢・性別など例をあげればきりが無いがこれらの種別でも影響が無いか非常に興味がある。また、自分が日本人だからか本書の実験を日本人がすると、生真面目な国民性の日本人が最もごまかしをしないと思うのは自分が日本人だからかもしれない。

投稿者 yamag 日時 2013年12月31日


この作品は、自分の様な公共性の強い職にとっては、
非常に考えさせられる内容でした。

一昨年、間接的な先輩が収賄で逮捕され、
免職となったとき、「なぜあの人が?!」と思いましたが、
そんな疑問に一つの答えが示されたような思います。

誰でもなりえる、そして、それは損得だけから、生じるわけではなく、
「つじつま合わせ係数」という考え方に起因するというのは衝撃的でした。

罰則から取り締まる、損得的な考え方から、収賄後の職員教育は行われています。
ですが、それだけではないのだとしみじみ思います。

エネルギーと意志力、そして、
今自分がどこに向かって飛んでいるのかという羅針盤をしっかりもって、
向かう先を修正しつつ、仕事に向かおうと思わせてくれる一冊でした。

ありがとうございます。

投稿者 kumanoko 日時 2013年12月31日


ずる 嘘とごまかしの行動経済学

本を読み始めたのが本日の21:30・・。
大掃除を優先するか、課題図書を優先するか・・ベランダの掃除をしつつ、頭にあったのはそのことばかり。
年明けからちゃんとやればいいじゃないか・・そんな心のささやきを、自分に対する「ずる」というのだな。こんな短い時間では大した感想なんてまとまらないじゃないか、そんなセリフも自分をそそのかす。
日本人は「ずる」が少ないと、日本人は思っていると思われるが、ごまかしの伝染性、集団感染のひどさは、最近のニュースを見ればよくわかる。
自分自身に対する「ずる」をすることへの許容範囲、という発想が新鮮で面白かったし、伝染を受けないためにも自覚することの重要性を理解した。

投稿者 19750311 日時 2014年1月1日


恥ずかしながら、社会人として2ヶ月連続で締め切りを守れなかった自分への戒めとして、コメントを残させて頂きます。

正直読み進めて行く間は、緻密なケース設定による評価には感銘を受けましたが、何を学んで何を自分の生活に生かすかと言う事にはしっかりイメージ出来ませんでした。その後、今働いている医療業界の例や、SOx法成立のきっかけとなったエンロンやワールドコムの不正のケースに及び、経理マンとして経験した2007-08の激しいSOx監査につながり、自分のケースで少しまとめてみます。

「人は基本的に無意識にずるをする」という事を緻密なケーススタディーで分析していく方法により、何事も自分の思い込みで判断する事が最前では無いケースがある事を私は学びました。経営方針、戦略、そこまで行かずとも日々の生活でも、自分では何とも思っていない一時的な駐車違反等は、誰でも無意識にしてしまう事ではないでしょうか。

・人は基本的にずるをする 
→ 自分は絶対にずるをする人間ではないと考えていましたが、意図せず停車つもりが駐車になっているケースもありました
→ しかしながら不正会計などを行う人との違いは、最初の小さな「ずる」を絶対にしない事です。私の場合は、やっぱり神様が見ていて悪い事をすると、自分だけでなく家族の所にまで戻って来ると考えています。(海外の宗教規律などと同じでしょうか)
→→ 会社などの環境では、社員の道徳心の啓蒙、定期的な教育などによって、心構えから変えてもらう様に教育が必要。また好ましくありませんが、ある程度の罰則規定も会社の規律を守る事には、ある程度の効果があると考えます。

私自身においても立場や環境、思考が変わって来ると、自分の物事に対する重要度やコンプライアンスなどに対する感度も変わってくると思いますので、人は基本的にずるをすると言う事を常に頭に置いて、人を傷つける様なずるは絶対しない、またそういう子供を育てたいと思います。

投稿者 koro 日時 2014年1月2日


本書を読んで感じた事

・現金から遠ざかるとごまかしが増える→父親にもらったiTunesカードの使い方が分らず、ツイッター上にコードを晒して、他人に勝手に使われてしまったという事があったのを思い出した。
・創造性が不正を生む→"企業が「帝国化」する"にあった、アップルの租税回避策にも納得。
・他人の不正を目撃すると不正へのハードルが下がる→元東京都知事の献金問題もマスコミによる過剰な政治家叩きに思えなくもなかったが、不正行為の感染を考えると辞任に追い込んだのはある意味正解か?
・不正行為の基準が文化等によって異なる→本書の実験結果は他の国と変わらないだろうけれど、母国でのごまかしはアメリカと比べてどうか?と問われたら自信を持って「断然少ない」と答えると思う。

締切に間に合わなかったのは、
大晦日におばあちゃんが危篤状態になってしまったからなんです。ほんとなんです。信じてください。

投稿者 shima 日時 2014年1月2日


今回の課題図書を読んで、人間っぽさににやりとしてしまった。
人間はやはり自分のラクする道を選びやすい。
そのような短所も愛すべき自分たちの特徴と捉えてしまえば
自分が心乱されることも少ないだろう。

締切守れず申し訳ございませんでした。