投稿者 sikakaka2005 日時 2019年10月31日
課題図書を読みながら思ったこと。
それは「子どもが犯罪者にならないかは親次第」ということである。
まず、本に出てきた少年院の子たちは、親から無視されて育ってきた可能性が高いと思った。
今の世の中、我が子に発達障害や知的障害かも?と思う機会は結構あると思う。
先日、お笑い芸人の会社が国税局から多額の申告漏れがあったと話題になった。
そこで申告漏れをした理由に「ADHD」という発達障害かもしれないからという意見がSNSでにぎわっていた。忘れっぽい、本人は悪気がないのは発達障害だからだと納得する風潮が既にある。
それは社会人に対してだけでなく、学校など子どもに対しても当てはまる。
小学生の子を持つ私の友人に、子どもが学校で宿題をやらなかったり、勉強について行ってなかったり、生活に態度にチェックが入ると、すぐに学校に呼ばれると聞いたことがある。先生の口から発達障害とは言わることはないが、家庭でも配慮してほしいことを伝えられたことがあるらしい。
学校や先生に寄るところはあるが、社会全体が発達障害に過敏に反応するようになっている。
きっと本に出てきた子たちも、学校に呼び出され、補導されてきたことだろう。
子どもからのサインはきっと何度かあったはずである。
なのに親として手を打ってこなかったのか?
病院に連れて行ったり、専門家に見せたりしようとは思わなかったのか?
そういったことを見過ごして結果、子どもが非行に走ったと思ったりする。
また、親が気付いてあげられないと、簡単に非行や下層社会に落ちていってしまう現実を知った。
発達障害や知的障害の人に対するセーフティーネットがあまりに少なくあっと言うに犯罪者になる現状をとても怖くなったのだ。
だから、子どもからのサイン(と思えないことも)を見過ごしてはいけないのだ。
勝手な判断でスルーせず、解決まで向き合う姿勢が親に求められていると改めて思う。
先延ばししていいことなんてないのだろう。特に子育てにおいては。
子どものそういった特性に気付いても、見過ごしたくなる気持ちは少し分かる。
でも、今の世の中ではオープンになった方が支援を得られやすいし、解決に近づきやすくなる。
うちの自治体では、もし子どもに発達障害の傾向があると分かり専門医の診断が下りれば、療育にかかる費用は相当補助をしてくる。加えて、10月から始めった幼児教育の無償化によって全額免除になる場合もあるのだ。
支援団体や支援コミュニティも増えてきている。
今の時代は外に出た方が、子どもも親もきっとより幸せになる可能性が高くなると思うのだ。
子育てのように時間のかかることは先延ばしにしてはいけないと述べる本を思い出した。
それは、クリステンセン教授の「イノベーション・オブ・ライフ」である。
この本には、どうすれば幸せなキャアリを歩み、家族や友人などゆるぎない幸せな関係を築き、罪人にならずにいらないか?をテーマに、教授が自身の体験や、大学の同級のその後の人生を観察するなかで、分析した結果が書かれている。
そこには、家族とのゆるぎない関係を築くために、こんなことが書かれていた。
苦境に陥った同級生たちは、「昇進や昇給といった見返りがすぐに得られるものを優先し、立派な子供を育てるといった、長い間手間をかえる必要があるもの、何十年も経たないと見返りが得られないものおろそかにした」とあった。
時間がかかるものほど先延ばしにするべきではないのである。
ただ、忘れてはいけないのは、いくら時間をかけたからと言って子どもは親の思い通りにはならないといことである。
橘玲さんの「言ってはいけない」の三章「子育てや教育は子どもの成長に関係ない」に書かれてある。
そこには、子どもはそもそも親の言うことよりも、子どものコミュニティのなかのことを優先するため、親の言うことはきかない性質があるという。それは、旧石器時代からの生活様式から予想できるというのだ。そして、子どもは、子どものコミュニティのなかで、得意なことや目立てることを自ら見つけてそれを自然と伸ばしていくという。
そうして、子どもの人格は作られていくというのである。つまり、人格は遺伝的な要素を土台とした偶然により出来上がっていくと言うのである。
だから、親は子どもにとやかく言っても、親の思い通りになるとはないという。
親にできることは、子どもの特性がつぶれないような環境を与えることだという。
親が思っているようには子どもは成長しないことも忘れてはいけないこと。
でも何もできないわけではなく、適切な環境を与えているやることが最高の教育なのである。
犯罪者になるかどうかは親次第ではあるが、その先は子どもが決めていくということである。
最後に、微力ながら続けているHomedoorを支援する意味が本書を読んで深められた。
支援されるべき人たちが支援されずに犯罪者になってしまっている悲しい現実を知り、もしかして、ホームレスの人たちのなかにも、自分の力だけではどうすることもできず、犯罪者にはないまでも、ホームレスになってしまった人もいるのでは?と思う。
忘れられた人たちを一人でも多く納税者にすることできる可能性があるHomedoorの支援がより意義深く感じられたのである。
今月も考えさせられる本を紹介していただき、ありがとうございました。