投稿者 kawa5emon 日時 2021年1月31日
まず何よりも、著者がこの本を執筆してくれたことに心から感謝したい。
ビジネス上の複雑な課題整理とその後の夢のような成功をどう繋げたのか?、
その実体験を言語化してくれたことで、読者は追体験が出来、また多くのことを学べるからだ。
今回のような夢物語の裏側はそうそう目にできない。だからこそ語られたことは非常に貴重で、
案の定内容も初めて触れる世界の連続で、自分もその一員のような錯覚も覚えた。
スティーブ・ジョブスの言動も然り。世間一般の評判とは違い、意外の連続だった。
本書で私が気になったのは、如何なる困難の中でも最終的に突破口を見つけ、
物事を前に進める著者の姿勢とそれが可能になった環境についてである。
最終的には、中道思想を通じ、現実世界での充足と心の充足を両方得る方法と展開するが、
よくよく読むと奇跡の連続である。出会い、怪我・事故後の事態好転、機を得た引き寄せ等々。
何故そのようなことが起こったのか?起こり得たのか?
PIZAR成功物語は中道思想の体現版と著者自身の気付き説明があるが、それは後々の話で、
PIXARで当事者だった時はその法則に気付いていなかった。
現実を変えられるのは行動が全てとした時、PIXAR苦難の時、彼は何を感じ、何をしたのか?
以下4点が本書から得た自分なりの学びである。
数字だけで物事を進めない。
著者は元々ビジネス世界での数字のプロであった。ビジネス化、事業化にお金は必須である。
そもそもどんな領域であろうが秀でた存在にならなければ、その世界の客観視は無理である。
しかし数字だけで進めると人心が離れ、事業自体にも人々の想い、意義や価値が薄れていく。
著者は計算上の結論だけに判断を委ねなかった。当初は無意識下の実行だったろうが。
関係者の想い、情熱、意思を大切にする。蔑ろにしない。
数字のプロでありながら、家族も含め人を大切にしている点が非常に印象的であった。
象徴的な場面はp244ジョブスの発言「でも、ここで折れたら・・・」の部分に象徴される、
自分たちにとって譲れないモノを協議、合意する場面である。結果交渉を蹴る決断をする。
その前後でも著者は関係者に深くヒヤリングし、相手の立場・意思を非常に大切にしている。
何をするにも最後は人。ここを蔑ろにすると長期的な成功、そして継続は望めない。
解決の糸口、突破口が見つかるまで諦めない、行動し続ける。
自分に問うと痛みを感じる。自分に真剣さが足らない、執着心が足らないと気付いた。
徹底的に調べる、議論する、他者の意見を聞く、助言を求める。
仕事に魂が乗るか否か、この真剣さがその分岐点だろう。
そしてその真剣さが周りに伝わるからこそ、周囲の理解、協力も得られるのだ。
加えて常日頃からの人脈ネットワークも意識せねばと思った。
自分が尊敬できる、意識・立場の高い人脈形成が有益なアドバイス取得への試金石になる。
行き詰まったら振り返る。自分自身、やっていることを客観視する。
パソコンで漢字変換の折、「息詰まる」の表現が出た。あ、八方塞とはこのことだ。
息が詰まったらどうするか?いつもやらないことをやってみる、行ったことのない場所に行く等。
著者の場合は、散歩や家族との会話、怪我・事故がその契機になり振り返りの機会を得ている。
なるほど、これらの機会を意図的、定期的に作ることが物事を客観的に見る機会になるのだ。
これらは本書以外にもありそうな内容だが、情けないことに私は実感出来ていなかった・・・。
そしてS塾で教える智の道にもつながるではないか・・・。
著者が中道の概念を用いPIXAR物語を回想したお蔭で、客観化、再現することが可能になった。
この点に於いても本書は非常に良書であると思う。この無意識化の意識化に感謝したい。
足元を見れば私は、先月転職の新職場で小規模も、営業組織の強化、発展がミッションである。
市場分析、戦略・戦術立案、人員配置、チームビルディング、事業の拡大、
更には現状、社内にその経験者が居ない等、本書の内容と丸被りである。
今回の学びから行動を真似、そこに自分の意志を乗せれば、明るい未来がありそうな気がする。
仕事で躓きそうな時、本書を読み返せば、今回は見えなかった気付きも得られそうな気がする。
もし眼前に腫物扱いのジョブスのような人物が現れても、勇気を持って飛び込もうと思えた。
今回も良書のご紹介及び出会いに感謝致します。
今年は毎月投稿が最低目標です。読書を通した自己への問いで自己成長を継続致します。