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第62回目(2016年6月)の課題本


6月課題図書

 

ビッグデータ・ベースボール 20年連続負け越し球団ピッツバーグ・パイレーツを甦らせた数学の魔法


野球というゲームを全く知らない人はちょっと厳しいかも知れません。でもルール

くらいは知っているよ、という人が読んだら衝撃を受けるはずです。アメリカってここま

で柔軟に、そして真摯に科学的発見に対応するのかと驚きました。こういう本が出ている

のに、日本じゃまったく取り入れられないという対比にも思いを寄せると面白く読めると

思います。

 【しょ~おんコメント】


6月優秀賞


今回、一次審査を通過したのは、sakurouさん、akiko3さん、wapoohさんの3名です。

みなさん常連の投稿者さんで、さすがに他の方とは文章の切れが違います。

この3名の投稿を読み直して今月はwapoohさんに差し上げることにしました。

読んでいて、本当にこの本を楽しんでくれたんだなぁということが良く伝わりました。

【頂いたコメント】

投稿者 J.Sokudoku 日時 2016年6月29日


 弱小球団が多くの制約を跳ね除けて躍進していくという内容は読んでいて痛快であった。自分自身の働く会社が同じく制約の多い零細企業ということで苦労という点で重なる部分が多くあったからだと思う。人材やお金など限られた資源をやりくりしながら何とか成果に結びつけていくパイレーツという球団は零細企業の良いお手本に見えた。当方は、マネジメントに携っていることもあり、本書で述べられている事象の中で今後、仕事に取り入れていけそうなことについて考えてみた。

 1つ目は、“見えていないことを認識する”ことについて。他者が知らないことを見つけることでアドバンテージが得られることは言うまでもないだろう。本書では、打球の飛ぶ方向について膨大な量のデータを収集、分析し極端な守備位置を敷くことで勝ち星を増やした。
 この数値化によって“見えていないことを認識する”を当社で実際に取り入れるとすれば、売上額の地域別分布を割り出すことでネット広告の地域別の予算配分を変えてみることだと思った。当社は、大規模な企業が主な顧客なので東京都がダントツで多いのは感覚的に把握しており数値化するまでもなく事実であろう。しかし、その都内23区内でのランク付け、またはその次にくる地域はどの都市かを把握していない。大阪府なのか神奈川県なのか千葉県なのか。また、大阪府であれば、そのどの地域なのか。零細企業の当社にとって、この程度のデータ収集も実は手間が掛かり骨折り事なのだが、現在のネット広告は、区市町村単位での予算配分ができるので有効な手段となりうる可能性は高い。取り組む価値はありそうだ。
 また、“見えていないことを認識する”ことが人事において正当な評価につながることを学んだ。本書では、ピッチフレームの勝利への貢献度の発見は、今まで陽の目が当たらなかったラッセル・マーティンをはじめこの技術を持つ捕手達がより正当に評価される状況を生んだ。良く目にする本塁打数、打率、打点または華麗な守備プレーでもなくピッチフレームという地味な技術にスポットライトを当てることは彼らのモチベーションに大きく影響したはずだ。
 当社においてはどうだろうか。普段陽の目が当たるのは、やはり製品を売ることで売上を稼ぐ営業や、そのヒット製品の企画担当者だ。しかし、その裏では製品を作る人たちがいて、更にその奥には倉庫で備品管理をする人たちがいる、また販売や製造に直接関係しなくとも総務、人事、経理の人たちがいる。ベースボールでは1つの栄光、勝利の裏側に沢山のストリーがあり、関わる人間も沢山いることが本書に描かれている。当社の場合でも同じはずだ。目に付きやすいところだけではなく、裏側にもっと目を向けるべきだと感じた。それをマネジメントの人間だけで行うのではなく、全社的に浸透させることが重要だ。従業員間で正当な評価をしている会社は雰囲気も良いだろうし、おのずと士気も高まる。本書に幾度となく出て来た「信頼」や「信用」はこういところからも生まれてくるのだろう。

 2つ目は、“未知を試す”ことについて。“当たり前”や“常識”と言われている、または思われている部分を変えるという状況下で人間は抵抗する。本書でも極端な守備位置に対してチーム内には疑心があり不安があり抵抗があった。数字は証明をしているが、実際に行ってみないと分からないという未知な部分があったからだ。この“未知を試す”ということで本書から学んだ点は、“リスクを取るべき状況”という点と“進め方”という点だ。
 まずは、劣勢な状況に置かれた時は、“未知を試す”というリスクテイキングは積極的に行うべきということだ。何もしないで状況が変わらないのであれば、進んで変化を起こして新しい状況を作り出す。想定と違った結果となっても状況は新しくなったという点で進歩したという解釈で良いのだと思う。しかし、いつでも“未知を試す”ことが良い結果を生むとは限らない。その点、パイレーツはまずはマイナーリーグで試すことでリスクを極力抑えた。そしてマイナーリーグで有効性を確かめた後にメジャーリーグでも極端な守備位置を採用した。
 この”未知を試す”は、現在の当社では“製品価格の値上げの実施”が近い状況かと思う。値上げについての営業側の態度は消極的になりがちだ。値上げによって顧客が離れて売れなくなってしまうというイメージや固定観念を持っているからだ。また、わざわざ波風を立てることを避けたいという心理も働くのだろう。しかし、実際に製造の原価は上昇している。また、成果を上げている従業員へは出来るだけ多くのお給料を払いたい。この状況下で値上げを躊躇することは会社にとって大きな負担になる。本書では、まずマイナーリーグで試して様子を見たように、値上げもまずは、失敗しても大きな損害が出ないように、新規顧客や小口の既存客から始めることで価格の上昇幅、納得が得られる説明の仕方等を見極めて最終的には大口の既存客にも値上げを浸透させていくようにすることが良いかと思う。“未知を試す”ことはリスクではあるが、そのリスクを取るからこそ得られる成功がある。

 最後の3つ目は、“人と科学の関係”について。“科学”はあくまでも道具。本書を読んで最も強く思ったことは、この世の主役はあくまでも“人”なのだということだ。ビッグデータという科学の活用は今後どんどん増えていくのは間違いない。そして多くの面で、人々の生活に役立つ結果を導いてくれるだろう。しかし、結局は発想、着想など”人”が出すアイデアから全てが始まり、収集、分析、結論も”人”が考え導き出し、”人”が有効な手段を創造し、考え実行に移すのも”人”なのだ。それは具体的にパイレーツの物語で見て取れる。
 この考えは、企業のマネージメントにも当てはまる。“企業は人なり”という言葉があるとおり、企業の主役は”人”だ。企業の中でも、限りある資金やインフラしか持たない零細企業は尚更だろう。マネージメント側は、多くある経営課題の中でも人材が成長できる環境を如何にして作るかということにプライオリティを置くべきなのだ。その“人”の成長を通して企業も成長する。そして、その“人”と企業の成長を手伝う役の一つを担うのが“科学”の位置づけなのではないだろうか。科学を道具として、いかに使うことが出来るのかが重要なのだと思う。
 
~終わり~

投稿者 kawa5emon 日時 2016年6月29日


書評「ビッグデータ・ベースボール」 トラヴィス・ソーチック 著


野球バカには堪らない一冊となった。読みが止まらない。
それはそうだ。何故なら自身も野球経験者で、現在でさえも、
一番好きなスポーツは?聞かれたら「野球」と即答する。

近年これ以上ない程に、野球への情熱を再燃させられた。
それは自身が中学生時代、ゴム製の軟式ボールでありながらも、
ピッチャーという試合の運命を大きく左右するポジションを経験し、
根拠も知識も無い力任せの投球に対し、本書で紹介の
・ツーシーム・ファストボール
・腕の振り角
・配球
を、当時の監督に伝授され、その青春時代を過ごしたからだ。

特に、ツーシーム・ファストボールはその有効性を、
今から考えてもやはり理解できていなかった。
近年では常識の球種の一つとなったが、自身が本当にその有効性を
認識できたのは、冷静に客観的に判断するとこの本からだ。

そのツーシーム伝授は思い返せば1991年。
そんな早い時期に凄い技術を手にしていた。
しかし本書解説のように、打者のゴロ打球が急増、
チームの守備力が向上、チームの勝利が続いていたにも拘らず、
自身が自信を深めていくと、独自判断でフォーシームを増やし始めた。
その当時、身体も球速も周辺のライバル投手と比較して、
中の上ぐらいのレベルで特に突出している訳でもないのに、
所謂、憧れの速球を求めていた。ゴロより三振への憧れのために。


さて、そんな思い出話の前置きはさておき。


本書に於いてビッグデータ活用による本当の価値とは、
ビッグデータが新たな野球技術の判断基準や戦略の拠り所を示した点ではなく
(もちろんそれらも非常に大きな価値基準革命ではあるが)、
それが人間関係にとって、新たで重要な潤滑剤・活性材になった点だと考える。

ある組織がビッグデータ活用に成功した時、
その組織はこんなにも力強い組織に生まれ変わるのか?
これがこの成功ストーリーから最初に感じた気付きだった。


過去に例は無かったが、いや無かったからこそ、
客観性・信頼性の高いデータ・数値は、それに触れる各個人に、
理解への共通項・共通言語を与え、そして共感を生み出した。
理解・納得が無い所に共感は無い。共感が無いところに信頼は生まれない。

ビッグデータ活用前時代には、
それは野球経験者や一部の権限を持つ人々だけのモノであったため、
チーム内には常に不満分子が生まれる素地が残り、
それがチームの総合力発揮の足を引っ張ったであろうことは、
本書を読み進めれば想像に難くないであろう。

もしビッグデータ採用前のパイレーツが強豪チームだったら、
おそらくビッグデータ活用の手段は採られなかったであろう。
しかし当時のチーム状況がそれを許さなかったところに、
ビッグデータ活用時代到来の運命を感じる。
つまりビッグデータ活用の種は既に野球界の足元にあったとも言える。

そんな状況下であったからこそ、ハードル監督をはじめ、
ビッグデータ活用派は、ビッグデータ活用を最大限に生かすために、
チーム全体がそれを受け入れるための環境整備に多大なる努力をした。
そう、まずは共感を得られなければならなかったからだ。

藁をも掴む思いで縋った、少なくとも嘘をつかないビッグデータは、
前述の性格の故に、チーム内の疑問派・反対派に反論の余地を与えず、
いや寧ろ理解・共感を得つつ、実際の試合でも期待される結果を示し始めた。

 
しかしそこでビッグデータ活用進化への歩みを止めなかったのが、
当時のパイレーツの素晴らしいところで大いに学ぶべきところだ。
いや状況が許さなかったという方が正しいかもしれない。
その歩みとはそれらのデータを用いて更に人間関係を活性化させた点である。

その活性化に於いて潤滑剤の提供元が、今までは軽視されていた、
所謂、野球経験の無い分析官達からというのが、
新たな価値創造に於いて非常に重要なポイントである。
言い換えれば、異分子との出会いである。何故か? 

それは過去の価値基準に囚われないグループだからである。
彼らが人間関係の活性化に寄与した起爆剤だと思う。いやそうである。
新たな価値の創造はこのような未知との新たな出会いによってよく生まれる。

ハードル監督をはじめ、この新潮流取り込みに積極的になったチームは、
チーム内人間関係の活性化に成功する。そのキーはコミュニケーションである。

主に分析官達から提供された新たなデータ類は、
まだまだ荒削りなモノもあったはずだ。しかしそこに、
従来からの価値基準(豊富な経験や選手・コーチ達の感覚など)という
砥石を使い磨きをかけた結果、新たで有益なアイデアが生まれた。

ここで重要なのは、旧価値観、新価値観が融合する機会が出来たこと、
分析官達からの一方的な情報提供ではなく、
選手・コーチ陣らからの質問などによって、
コミュニケーションが相互的になったことだ。
野球で言えば、スムーズで心地よいキャッチボールである。
そして分析官達はこのコミュニケーションを楽しんだ。
そう、チームに一体感、相互信頼感が生まれた瞬間である。


当然といえば当然だが、コミュニケーションがスムーズで風通しの良い組織は、
その戦略実行に於いて、非常に力強い。全体の力が一点に集中し、
あらゆる困難も全員で前向きに対処しようとする点でチームの総合力は非常に高い。

異分子からの従来とは違った考え方に耳を傾け、
そして全員で共有・理解、そしてさらに磨きをかける。
この機会形成に於いて、分析官達をホームゲーム前のみならず、
後々にはアウェイゲームにも同行させ、タイムリーで継続的な
相互コミュニケーションを図ったチームの戦術は、
ある一つの目標に向かって組織が意欲的に自足歩行するようにした
仕組み作りという点に於いて、非常に重要な学びがある。


本書を通して、新たな価値創造にあって重要なのは、
従来とは異なった視点・考え方を一方的で軽率な判断に委ねず、
いや寧ろ積極的にそれに接触し、異なる意見の相手を敬う姿勢を前提として、
積極的人間関係を構築することにあると考える。
そういう意味に於いて、この物語がアメリカで最初に生まれたのは、
この国の特徴の一つ、フロンティアスピリットから言って必然であるとも考える。

各々の人間を何でどう繋ぐのか?
赤の他人に自分のアイデアを腹に落としてもらい、
意向に沿った形で動いてもらうにはどうしたらいいのか?
はたまた他人の斬新で異端とも思えるアイデアをどう捉えればよいのか?
これらへのヒントとして、ビッグデータ活用が積極的で良好な
人間関係構築のための新たで強力なツールと言えるのではないか?


自身は本書にて、異なる価値観・考え方との距離感の取り方、
そしてその積極的活用方法の具体例を目の当りにした。

そしてそのような姿勢であるからこそ、相手をより敬うようになり、
前向きで良好な人間関係が築け、成功、強いては幸せに近づけるのだと、
深い学びを得ることが出来ました。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

投稿者 diego 日時 2016年6月29日


結果から過程へ


サブタイトルに「数学の魔法」とありますので、
パイレーツを甦らせた「魔法」の発動という観点から考えてみたいと思います。

・チーム責任者(監督・GMなど)が、今年で結果を出さなければもう続投はないという瀬戸際
・数値データが画期的に変革を遂げていて、さらに変革し続けている
・天才的な数学者がいて、数値データを読み解き、パイレーツを再生することに必要な手段を、
条件を加味して絞り込んだ
・数学者のコミュニケーション能力が高く、数学の魔法により生み出された戦略とその背景を
 きちんと伝えた
 (視覚が優れている選手たちに対して、視覚優位の情報に変換し、それが受け入れられた)
・自分の新しい状況・仕事を理解した選手たちが、身体能力を発揮して、データに基づく新しい動きを
 自分の体に浸透させていった
・実際にプレイする選手たち、専門であるコーチたちが、新しいアイディア、疑問をどんどん数学者
 たちに質問し、互いに意見交換し、それがよりよいプラン、よりよいアイディア、よりよいプレイに
 つながる
・緊張せずに、自分と周りをより深く信頼していった

ここでハタと感じたのは循環、よいループがどんどんまわり、高まる様子です。これがたくさん起こることで、全体としてもより高まる。何らかの不確定要素が起こったとき、それ自体はどうしようもないかもしれませんが、別の方法で補う、逆に不確定要素をつかって更に進化していくことにつながっていくのでしょう。組織内で、たくさんのよい循環と、全体としてのよい循環がおこり、更にもっと多くの人々、ファン、チームのある街の人々を巻き込んで、魔法が発動する。
大きな魔法の発動を考えるなら、こういう仕掛けがあるとよいのですね。


主観と客観の件について。

まずは磨かれた主観があり、主観を支えるもしくはこの主観は「ちょっと違うよ、ずれているよ」ということを示すために、客観がある。つまり、データを分析・検証してとことん突き詰める。
データ分析により、主観が「ちょっと違う」ということになっても、更に取得できるデータが膨大になれば、もしかしたら新しいデータとその分析結果が、主観を支えてくれるかもしれない。
もしくは、「ちょっと違う」とわかって、主観を再考することで、新たな気づきや主観が得られるかもしれない。主観、勘や経験、能力というものが、一体どういうものなのかが、これから解析されるのではないかと思うとゾクゾクします。
「ピッチフレーミング」という新たな価値、長期間変化のなかったメジャーリーグ打率を大きく変えた守備シフト、それを支えた数学者たちの情報処理能力とコミュニケーション能力、選手としてコーチとして監督としてキャリアも勘もプライドも習慣もあるのに、それを越えてデータから読み取れる法則を理解して新戦略を実行する懐の深さ、人にはもっと新たな隠れた能力があることをこれから次々と発見、再発見していくことになるのではないか、まだ把握できていないけれど、身体とその動きを通して、これだけのことがわかってきたということは…。マーティンの「周りの人々の能力を高める」能力、ガロの「新たな才能を見出す」能力、こういったものまでもが、データの裏打ちを得られる時が来るのもそう遠くないかもしれない。
もちろん勝ち越しといった結果は重要だけれども、その結果を生み出した過程というものがもっと着目されている。過程に対しての発見や評価が科学で裏打ちされる本書を読んで、そういう印象を受けました。
結果は数字で、過程だと数学。数学があれば、複雑なビックデータも、解析が可能になる。過程がもっとよりよきものになる。

これまで捉えることができなかった複雑なデータを取り入れ解析し、魔法を支えることにつなげているチームがあるのなら、やってみようと決意したほうが健全ですね。
「このデータを集めて解析したら、こんなことがわかるのではないか?こんなことに使えるのではないか?」という思いつきだけでもすごいのですが、
実際に集めて解析して検証して結論を導き出すまでにかかる膨大なエネルギーと、その結論を実際に利用・応用するまでにかかる膨大なエネルギーのことに本書で触れた後だとちょっと途方に暮れます。
それでも、実行したクリエイティブな例を知ることで、早く着手したほうがよいよという健全な思考を持つことができそうです。

大リーグをほとんど知らないということもあり、ご紹介いただかなかったら、本書を手に取ることはなかったでしょう。ありがとうございます。

投稿者 Devichgng 日時 2016年6月29日


副題に「数学の魔法」とあるように、ビックデータを活用して、
普通の球団では見向きもしない数値に注目するだけでなく、
価値があると考えられていた技術や目に見えない隠れた価値を
定量化してしまっていることに衝撃を受けました。

本書中にあるように、
ピッチングフレームの優劣まで失点数や勝ち星に定量化できちゃんですね。
これにはヤラれたの一言でした。

そんな他球団では類を見ない戦術を実践しながら、
カネなし、有望な若手も数少ない弱小球団が勝ち星を重ねていく物語に
ページをめくる手が止まりませんでした。

そんな戦術を考えるための源泉は、「どうやったら相手を出し抜けるか?」
の一言に尽きると思います。
従来とは異なる評価基準を確立できれば、世間では見向きもされない
隠れた価値を持った有能な人財を活用して、他を出し抜けることがわかりました。

この理論を現在の会社員という立場に当てはめて考えると、
アウトプットとして仕事の結果が出ていないメンバーの中にも、
隠れた価値を持った人財がいるのではないか?という考えが浮かびました。

例えば、会議中のファシリテートや議事録内容などを生産性という時間に
定量化することができたら、短期的なプロジェクトの成功確率が高まる仮説が立ちます。
普段の日常を観察し、実践の場を与えながら、
定量化するための方程式を導き出してみようという気になりました。

野球も仕事も人が動くことには変わりがありませんので、
導き出した理論を現場の実践に適用する際には、
本書中の説明やコミュニケーションの仕方も参考にしようと思います。

投稿者 sakurou 日時 2016年6月30日


今回、課題図書としてこの本に巡り会えたのだが、データと野球というと野村ID野球を思い出してしまうのは歳だろうか。。。

という前置きはさておき、本書は弱小でお金も限られているピッツバーグ・パイレーツを地区シリーズ出場にまで上り詰めたビジネスサクセスストーリーである。

クリント・ハードルが監督として、チーム運営にデータ分析を持ち込み、PITCHf/xやスタットキャストといった分析ツールで勝利を導く。というと、よいツールと思いがちだが、その裏には様々な苦労が見える。

今回は「データ」という切り口で纏めてみたい。

・データが育むコミュニケーション

データサイエンティストというと、統計分析を得意とするが、データでものを言うだけと思いがちである。ただ、本書を読むと、監督のハードル自身がデータ分析を持ち込んだこともあると思うが、データ分析官が選手やコーチと積極的にコミュニケーションを取ろうとしている姿が印象的だった。最後にはミーティングにデータ分析官が参加するほど、ゲームの進め方に積極的に関与している。

それ以上印象的だったのが、PITCHf/xを使ったフォーム改造など、リスクの高い施策を選手、コーチ、データ分析官がまさに三人四脚になっている姿だ。進める上では選手、コーチ、データ分析官の密なコミュニケーションがないと出来ない。 もちろんデータだけでも駄目だし、選手の投球フォームの感じ方やコーチの野球経験等、様々な要素が複雑に絡み合う。万一うまくいかなかった時にコーチとデータ分析官の責任の押し付け合いになるかもしれない。強い信頼関係がないとできないし、そういうことの積み重ねがパイレーツを地区シリーズ勝利に導いた。野球を構成する様々なデータという共通言語で彼らはコミュニケーションを図り、深い絆をつくったのだろう。

・データが見えない価値を可視化する

本書で最も好きな選手を挙げろと言われたら、やはり捕手のマーティンだろう。

当時あまり重視されていなかったピッチフレーミングに着目し、優れたピッチフレーミング技術をデータ分析によりピックアップし、さらに落ち目と言われていたマーティンにお金のないパイレーツにして、ファンに非難される程の高額で入団させた。傍目から見れば無謀とも思える手だが、実際シーズンがスタートすればピッチフレーミングにより守備側有利にし、さらに守備シフト等、盤石の守りを実現した。この中で、技術、経験ともに高いレベルにあり、チームを纏める上でのマーティンの活躍は言わずもがなだろう。

さらにマーティンは高額な年俸でブルージェイズに移籍し、大活躍していく。まさにパイレーツのデータ分析がピッチフレーミングやマーティンの価値を可視化し、高めた。

以前読んだ「データの見えざる手」であったが、成果の高いチームはメンバーが行動的だったというのがあった。まさにメンバーの行動をデータ化することでチームの成果との因果関係を明らかにしたのだ。

最近IoTがブームだが、IoTの本質は様々なセンサーが通信することではない。センサーが見えない事象をデータ化することで様々な自然現象や社会行動を可視化することにある。

・データが見えるとスポーツが楽しくなる

最近、テレビで水泳を見ると、新記録のバーがインポーズされ、選手が記録を上回っているのが分かるようになった。視聴者は新記録の数字を見ながら比べるよりもよっぽど直感的で分かりやすくなった。また、他に時々野球で投球コースがスーパーインポーズされていることがある。人により好き好きはあるのだろうが、こういう情報があるとよりスポーツを楽しめるのではないかと思う。

また、選手としても、データによる恩恵は更に増えると思う。本書にあるような各種データ分析ツールによるトレーニングだけでなく、将来は実戦の場でも投手はGoogle Glassのようなもので打者のその時のフォームから打ちにくそうなコースに投げるよう指示され、また打者も同様の装置で投手の投球コースや球種を予測できれば打率も上がるだろう。
(何か選手というより機械どうしの戦いになりそうな気がするが。。。)

また、アニメ「メジャー」である対戦相手の高速スライダー攻略に、スライダーが得意な他校の人を呼び特訓するシーンがあるのだが、将来は高精度なカメラとVR技術で対戦投手とVR上で対戦可能になるかもしれない。

またビックデータとAIはセットで適用される技術なので、今後は間違いなくID野球ならぬAI野球になるだろう。AI、ビックデータ、VR技術により選手のレベルは間違いなくなく上がるだろうし、観客も様々なデータを享受することで面白みが増すだろう。

東京オリンピックではそのようなものが検討されているが、どんなもので観客を楽しませてくれるのか、期待が膨らむ。

・データは芸術

しょ~おん塾生的にはやはりこれは欠かせないポイント(笑)。

P298「突き詰めていくと[芸術]とはデータを調整しているだけだと言えるのかもしれない」というのに、やっぱり、とニヤニヤしてしまった。

データと芸術、一見無関係に思えるが、絵画の黄金比など、優れた芸術にはかならず優れたデータが有るわけで、突き詰めるところ、投球フォームや守備シフト等、データ(リリース位置や野手のシフト位置は全てデータ化できる)をほんの少し調整するだけで、イケてるものにもイケてないものにもなってしまう。実際、車のデザインは0.1mm単位で決められるし、一流はそれだけ細かいデータに拘るし、まさに本書に書かれているようにデータに拘り続け、勝利を引き寄せた。

よくよく考えるとデータ(数字)は左脳、アート(ビジュアル)は右脳なので、両者を上手くバランスさせることでより高いアウトプットが出せる、ということを本書を通じて改めて実感した。


本書を読みながら、頭の中では映画「メジャーリーグ」での音楽「Pennant Fever」Pennant Fever」が流れぱっなしだった。本書は本当に映画「メジャーリーグ」を思い出させるワクワクするストーリーだった。現実的にはこういうメイクミラクル(古いか。。。)はないのかもしれないが、せめて頭の中ではこういうのを妄想しながら楽しむのもいいし、実際に球団にはこういう野球を通じて観客を楽しませる取り組みを真に期待したい。


終わりに;

今回はデータという切り口で書いたが、最後にちょうど来月の課題図書とも繋がる良いニュースを見つけたので紹介したい。

「上司に会うなら午前中に」--日立、行動データから“幸福感”を上げるアドバイスをする技術(http://japan.cnet.com/news/service/35084928/)

先ほど触れた「データの見えざる手」での技術が更に「幸福」に進化したのだ。来月の課題図書の「幸福とは技術である」をもじって譬えれば、「幸福とはデータである」ということだ。今や幸福感さえデータで表わせる時代なのだ。ビックデータ/AIのアドバイスで自分が幸福になれるのなら、これほど良い時代は無い。

来月の感想文は幸福、技術、ビックデータ/AIという切り口で書くことになるかもしれない。来月の課題図書が今から楽しみである。

投稿者 ishiaki 日時 2016年6月30日


今回、野球を使ってデータ統計の話をしていましたが
データというのはスポーツにとってとても重要なことだと感じた

また、応援してくれる声援が本当に心強い自分の味方になるということ
誰か1人、ものすごいリーダーシップを取るととチームが変わるということに気がつき
自分も仕事でそのようなリーダーシップが取れる人間に成長できたらいいなと感じた

投稿者 magurock 日時 2016年6月30日


先月の意志力の科学に引き続き、今月は野球の科学か、と興味深く読んだ。
読み始めたときは、「データの分析で勝っても面白くないんじゃないの」なんて思っていたのだが、データを駆使した野球は、あきらめとあせりに追い詰められた選手たちを再生させ、故障を減らす役割もしていて、なんて素晴らしいのだろう、という気持ちに変わった。ムダを省きスマートに勝っていく方法は、「ズル」ではなく「効率」で、手持ちのカードの情報を細かく分析・認識し、最大限活用するやり方は、野球に限らずすべてのスポーツ、すべての仕事に生かせそうだ。

ピッツバーグ・パイレーツを甦らたせたのは数学の魔法だが、この球団に携わる全員が心を合わせていかなければ、このような結果にならなかっただろう。データを使うのは、やはり人間だ。この球団をなんとかしなければ、という強い思いがひとつになったからこそ、すっかり愛想を尽かしていた街の人々を感動させ、再び引き込むことができたのだろう。レッズと対戦したワイルドカードゲームの様子は、野球がそんなに好きではない私でも熱くなり、じーんと涙が出た。

「WILLPOWER 意志力の科学」を読んだときも思ったのだが、これを教育に応用できたら、個性のぶつかり合いで誤解され、行き場を無くしている子どもの良さを引き出すことができるのではないだろうか。
コミュニケーションがヘタな子どもの、いつもこんな場面で苛立ってしまうというパターンや、誤解を受けやすい言葉をピックアップし、対処の方法を具体的に教えてあげたり、周りの人間も気をつけてあげることができたら、脳に軽い障害がある子どもでも、集団の中でうまくやっていけそうな気がする。ダン・フォックスとマイク・フィッツジェラルドのような分析官が、各学校にいてくれたら可能なのではないだろうか。
もちろん、分析官が常駐することを快く思わない教師や親も出てくるだろう。でも学校行事や保護者会などにも分析官を参加させて交流を深めていき、良くしようという思いが同じ方向を向いていたら、きっと乗り越えられない壁ではないはずだ。

などという妄想を膨らませながら読んだ次第である。ああ、面白かった!

投稿者 akiko3 日時 2016年6月30日


「ビッグデータ・ベースボール」を読んで
  
 メジャーリーグに日本選手が行くようになった頃、「アメリカ野球は日本よりスピードがあって面白い、観客を楽しませる仕掛けがある」と聞いたことがあったが、Youtubeでパイレーツの試合を見てワイルドな雰囲気に(日本)野球のイメージが崩れ、その上ポジションも偏っていいんだと目から鱗だった。飛ばす選手には深く守るのなら、戦略として左右に偏るのもありなのだ。追われる立場より追う立場の方が“初”には挑戦しやすい、というか挑戦せざるを得ない。今のままでは勝てないのだから。跡がないことが人を本気に追い込む。そうすると人、モノが動き変化が起こる。だが“数学”とスポーツの融合とは…その発想には驚いた。
 どうやって数学的思考がスポーツに落とし込まれたんだろうか?以前、村上和雄教授の講演会で、“自分は特定の宗教は持っていないが、音楽も芸術も数学も哲学もどれもSomething grate(神やその言葉)を、その人が得意なことで表現しようと悩み発展してきたのではないかと思う“と聞き目から鱗が落ちた。ただの数字の羅列が、あふれ出るメッセージのように伝わったのだろう。見える人が見たら見えるのだ!
 でもスポーツだから、ちゃんと技術や体力がなければ戦略を実行に移せない。本番で力が発揮できるかは人間力も関係してくる。環境も大切だ。オリンピックでよく今までお世話になった人達が浮かび、また声援を受け、みんなの為に力を出し切ったと聞く。そんなソフトサイエンス、(90年代に社会人になった時には、IQよりEQが高い人をということが話題になっていたが)も分析されているのだろう。スポーツ界にメンタルトレーニングは一般的になってきているが、人間の力の不思議さはまだまだデータ化されていないことの方が多いのだ。
 
野球とビッグデータの関係に驚いていたら、普段見ないスポーツ欄の記事が目に留まった。読売新聞の[スポーツ戦術論]という連載の中で、脳を知れば無敵とアスリートの頭の中を探っていたり、センサーで動きを追及しCGでフィードバックしフォーム改善に繋げたり、W杯日本ラグビーが優勝経験のある南アフリカを破った戦術にもドローンを使ったデータ収集と分析が一役を買っていたとか。女子バレーでもアナリストと監督が二人三脚で試合に臨んで勝利へ導いていた。データを元にいかに責めるか、いかに躍進させるか、今やスポーツを映すのは、見て楽しむだけに非ず、選手の為のものでもあり、データ配信ビジネスにも繋がっている。
同じく[スポーツBizワールド]の中で、3Dセンシング技術と事業化のイメージとして紹介されていた
・新しい観戦スタイル
・数値に基づく合理的な指導、練習法
・テレビ放送へデータ提供
・歩き方教室などヘルスケア
・矯正ウエア開発
・文化芸能の技術継承(達人の動きをデータ化)

これを見て自分は上記3までしか思い浮かばなかった…。

 また、人はモノの発展に生物の神秘の進化を暮らしに生かしてきたが、スポーツにも勝つための新素材つくりに大いに活用されているらしく、電子顕微鏡の普及のおかげで、生物の体表面の微細構造を観察でき、生物模倣技術も飛躍的に進んだそうだ。もうどこまでもデータが溢れている!未収拾のデータもあるから、データの山からいかに意味ある事実を引き出せるか、読み取る力、発展させる発想力が必要であり、それを人に伝える力、形にする技術が最終的には問われる。人間力は必ず必要なのだ。だから人間力が問われる仕事ができれば仕事が奪われることはないという昨今の就業問題にも納得だ。

 オリンピックというとメダルよりもビジネスチャンスを狙う人たちの方が多い。写真や動画は説明不要の『世界共通言語』として観戦分野でも競争が激化しているとか。二番煎じは通用しないのはどの分野でも同じ。新たな戦略が問われ、先を見た新たな一歩、進化し続けられる人達だけだ生き残れる勝負の世界なのだ。スポーツもビジネスも。

はぁ~と競争社会の爆風に倒れそうになったが、だからこそ“好き”が大切とふと思った。野球が好き、好きだから高めたい、今の自分の置かれた立場が心地よい、この関係だから頑張れる、好きがぶれなければ幸せを味わえるとも思った。
ビッグデータに押しつぶされそうになったが、パイレーツのチーム力が成長していく姿にさわやかな達成感も味わわせてもらえました。ありがとうございました。

投稿者 gizumo 日時 2016年6月30日


「ビッグデータ・ベースボール」を読んで

ちょうど去年の今頃、「マネー・ボール」を読んで「さすがアメリカだなぁ~」などとその生々しさに感動(?!)したものである。
中学生のころから、“プロ野球ファン”で入試の年号は選手の背番号で覚えたほど。その後、大学で念願の野球部のマネジャーとなり青春時代を過ごした自分にはおそらくこれから先も野球なしでは人生が成り立たないと思うくらい野球を身近な存在としている。ちなみに先月は「試練が人を磨く」桑田真澄著を読んで、そのストイックさに自分の甘さをもう反省したばかりでした。マネジャー時代はもちろん「スコア記録」は大きな仕事であり先輩から手ほどきを受け、連盟での記録管理などにも携わることができた。当然それらの「データ」が活用できないか?と考え付くものである。しかし当時はコンピュータなど手が届くはずもなく、「打率」「出塁率」「防御率」など古典的な数字を電卓ではじいていたものである。その点ではビデオなどのヴィジュアル機器も同様の状況の時代である。今のこの時代に出るべきして出てきた、データの活用ではある。その中でもデータを活かすも殺すもやはり、組織としての人の力は大きいと思われる。
大学時代で想いを馳せると、学生はまだしも監督やコーチなどは本当に古い考えの人が多かった記憶がある。古いというか頑固、よく言えば筋が通っているのだろうが・・・。体育会系の縦社会と、勘・経験がものを言う社会だった記憶も強い。プロ野球選手ともなれば程度の差はあれ、やはり新しいことは受け入れることに相当の困難があっただろうと想像できる。しかし、はたから見ても優秀な選手に限って「素直さ」「従順さ」を持ち合わせていたように思う。それは、社会での会社という組織でも同じではないか。優秀さにそれらがプラスされ、さらに好循環を生み出し、ついには手の届かないところへ行ってしまうというのを何度経験したことか・・・。
「戦略・戦術は男性の特権であり、おもちゃである」を持論としているが、それらを持ってして人を動かし組織を活性化し、地域を動かすことができた事実に感動するとともに、やっぱり「野球っていいな」。

投稿者 2l5pda7E 日時 2016年6月30日


「ビッグデータ・ベースボール」を読んで。

目に見えない動きを数値化する。
1か0の数字の配列に意味をつけて、人の動きを集計する。
大量のデータを集計して統計を出す。
画像技術すなわちセンサーがそれを可能にしたと言っても過言では無い。
技術革新と共に、通るべき道だったのだ。

パイレーツが導入した時期は、導入する際に様々な壁があった事が容易に想像できる。
私たちの日常でも大変苦労する事、目に見えないものを、人それぞれ違う価値観に刷り込む事は並大抵の事では無い。
何十年も自分が信じてやってきた事を覆すのだ。
ハードル監督が凄いのは、今までメジャーではなかったビッグデータによる戦略をチームに浸透させた事だ。
導入前、確かにチームは窮地に追いやられていた、背水の陣だった。
監督が物理的よりも精神的なリーダーシップを発揮出来たからこそ、成果が得られたのだ。

ビッグデータの構築は、野球の経験が無い技術者が行っているという事実には驚かされた。
世間一般的には逆の状況が思いつくだろう。
しかし、かえってそれが良かったのかもしれない。
凝り固まった考え方を持っていない方が、奇抜な考え方が思いつく。

今後はビッグデータの活用が活発化すると予想できる。
目に見えない人やものの動きをビッグデータ化する事によって、様々な状況下での判断の仕方が安易に把握しておけるのだ。
効率化が進むだろうし、大量に物を作らなくても済むようになる。
そして、目に見えなかった現象を人間やものの動きを介してビッグデータ化して具現化できるだろう。

行動一つとっても、顕在的なものなのか潜在的なものなのか、複数の要因の切り分けは難しいかもしれない。
気のような目に見えないものも具現化できるかもしれない。
非常に楽しみだ。

本を多読することは、ビッグデータを収集している事になる。
小説を例にとれば、ストーリーを取り巻く状況に対する行動の結果を収集しているのだ。

良書をご紹介いただき、ありがとうございました。

投稿者 sikakaka2005 日時 2016年6月30日


本書ではビックデータによる新たな価値の創造と、データサイエンティストによる分析の限界を示唆しているように思う。

ビックデータによる新たな価値の創造については、他の投稿者の方が言及されていることに同感であるため割愛する。

データサイエンティストによる分析の限界についてですが、ビックデータから新たな価値を創造する分析力は誉れ高いスキルであると思いましたが、では、データサイエンティストはビックデータからすべての価値を見つけ出せているのか?という疑問を考えてみたい。

この問いに対する答えはノー!データサイエンティストの思考のくせ、判断の傾向、注目したい観点に依存するからである。その人の認識したものしか、認識できないことになる。つまり、データサイエンティストのスキルによって、ビックデータが、宝の山にも屑鉄の山にもなり得る。これでは、ビックデータが可愛そう!データサイエンティストを通してしか、ビックデータを見なくなると、表出してない価値に気づけなくなる。

ではデータサイエンティストに頼らずにコンピュータが自ら学習して規則性を見つけ出し、人間が考えつかないような結果を抽出する事は可能なのだろうか?と考えてみたい。

そういえば、すでにこのようなアルゴリズムを開発して、サービスを開始している業界がある。それは金融業界。過去の膨大な株や債券やFXなどの取引データや値動きのデータを元に、今後の値動きを予想し、自動で取引をするサービスがあると先日耳にした。ユーザはお金を預けておくだけで勝手に取引を進めて、利益を上げしまう。そんな夢のようなサービスがあるという。そして、しっかりと利益を上げてユーザ数を伸ばしているようである。

他には、以前の課題図書『データの見えざる手』にもそのような事が書かれていた。人工知能ソフトウェアと専門家とで店舗の売上アップの競争したとのろ、専門家はほぼ変えられなかったが、人工知能はある規則性を見いだし約5%も増やした事が紹介されていた。その規則性は人間には全く思いもよらない事であった。

このように、人知の及ばない未来予測に、ビックデータが使われ、人間が考え付かないような傾向を発見するアルゴリズムが人工知能によって実現してきているのだ。

こういった仕組みがさまざな業界に応用されるようになれば、例示した業界にとどまらず、ビックデータを扱うすべての業界、なんなら、数値化できるものであるならばどんなものでも分析して、思いもよらない価値を提供してくれる。そんな魔法のような世界が待っていることになる。これからのビッグデータの動向に目が離せない!

余談だが、2013年以降のパイレーツはどうなったのか。あれから3年連続でポストシーズンに進出し続けていた。素晴らしい!
http://baseball.yahoo.co.jp/mlb/teams/profile/?c=23

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投稿者 wapooh 日時 2016年6月30日


201606【ビッグデータ・ベースボール(20年連続負け越し球団ピッツバーグ・パイレーツを甦らせた数学の魔法)】を読んで

『Not Aの世界を信じるか』
という書き出しで感想文を始めようと思っていました。
このフレーズは、初めて受講したしょうおんさんの初級編でほぼ冒頭に話されたもので、折に触れ自分の頭の中にこだまするのです。特に課題図書を読んでいる時など。
読書は知らない世界の扉を開くツールであり、自分の世界があまりにも狭いから、頻繁にこだまするのです。
慣れ親しんだ自分の世界、自分の真実=Aの世界を飛び越えて、今まで認識できていなかったnot Aの世界を知ること、自分の可能性を広げて、人生を楽しく幸せにする機会、への呪文。

セミナーの文脈では、『Aの世界=科学で説明のつく世界⇔not Aの世界=科学で解明できない目に見えない怪しい世界』ということだったと理解している。
今回の、『not A』は最初からどんでん返しだった。
なぜなら、本書の主対象となるアメリカメジャーリーグ、パイレーツのチーム員にとって、『not Aの世界=目に見えない、データ(科学)で現させる世界』であり『Aの世界=目に見える結果と経験から裏打ちされる主観の世界』で、科学がnot Aだったから。
最近、あるコーチングの講師のお話を動画で見ていて耳に残った言葉がある。「今は科学では解明・説明できない怪しい世界であったとしても、将来説明がつくことがあるかもしれない。その時、怪しい世界はそうではなくなってしまうことも起きる」・・・。
『ビックデータ』は2つの世界を混ぜてしまうツールなのかもしれない。
「データをうまく扱うには『適切な質問』をしなくてはならない」とあるが、ここは人間の主観や思考力がモノをいう。データを集めるのか切り取るのか?
投手の能力を見るのに、球種や休息だけではなく腕の伸びにまで物差しを充てようとする観察力。ミクロとマクロとの両方において、ここまで細かくデータが取得され解析され創造的に判断されるとは驚きだった。
ただ、自分としては本書を読み終えて、ビックデータの活用や重要性や有用性が印象に残ったわけではなかった。まだまだ、データ解析の重要性について理解が及んでいないだけなのだと思う。それは自分の今後の課題として、感想を続けてみる。
ここ最近の課題図書を読み終えたり読みかけたりしながら、また最近の自分の身の回りで目にする情報をちら見しながら、『ビッグデータ』の可能性や世の中への浸透を意識するようになった。同時に、データによって人の思考や行動パターンが解析されともすると誘導されて、ちょっとおバカな消費者である自分はやすやすとお金を吸い取られ人生を操作されてしまうのではないか、というヘタな恐怖でドキドキおろおろしっぱなしだったのだ。理解できないが故の恐怖であるけれど、本書を読み終えて、その恐怖から少し落ち着いたのだ。
単なる現状無視の現実逃避なのかもしれないが。

本も後半になるにつれて、特に8章、9章とすすみ捕手のマーティンに焦点が当たった部分から、最終章にかけて、『この世の中に日本に人間として生を受けることが出来て嬉しいなぁ』としみじみ感じて、自分は、この本に出合えて本当に良かったと思った。
マウンドでプレイをする選手たちが、データ野球を納得て信じ取り込むまでには、数字だけではなく、映像が必要であること、その先に自分たちがプレイをして享受できた喜びを想像し体感した気になって高揚した。
数値という記号→映像(二次元)→プレイの喜び(3次元?第6感まで)
頭の中に思い浮かぶマウンドの映像も、本書の最初はだれもいない静かな緑を抜けた夏のグラウンドから、最後はプレイオフの『ブラックアウト』、球場を超えて町全体のファンの応援の大歓声の音波で球場をゆすがし、相手チームを飲み込むまでの熱い臨場感が、例えばこれまでの経験のイメージを重ね合わせて(地元のサッカースタジアムでの応援の熱狂とか、アメリカで見かけた、夕暮れ時家族でフットボールの試合にいそいそと出かける幸せそうな人々の笑顔とか、スポーツの試合に出ていた自分の緊張感や、メディアで見る野球選手のニュース映像とかもろもろ)、リアルに味わえる喜びの感じが肌に突き刺さった。
この世があって生命があるから味わえるのだなぁと何となく感じられたのだった。
データで解析することや判断することは幸せのためのツールとして役立てるもので、主体は人間なのではないか?では、データとどう付き合っていけばよいのだろう。
データの先にあるものは「ソフトサイエンス」と書いてあったが、また言葉だけで腑に落ちてはいない。今のところの自分の理解では、データと対照にあるもの=芸術であり、つなぎとめるものは『コミュニケーション』=言葉、という程度だ。
本書で自分が強くひかれた人物は、捕手のマーティンなのだけれど、彼の選手能力=データ以外の、『目には見えない優位性』の一つとして、野球に取り組む姿勢についで、『ピッチフレーミングや配給の妙や打席でのアプローチなど、自分の手法をはっきりと言葉で説明できる性能』というのが挙げられている。マーティンがチームメイトに信用される過程では、彼の野球に取り組む姿勢のほかに、例えば投手が彼のサインに合意できない場合は、タイムをとって添いの理由を尋ね自分の意図を説明し納得してもらい結果を導く積み重ね、という場面がある。
監督であるハードルも、日々試合前に選手に贈られるメール「今日の思い」によって、選手を鼓舞している描写があって読みながら心が熱くなる。
結局、この世の中どうやって生きていこうかと迷っている自分に、安直すぎるしざっくり過ぎてこのままでは不十分ではあるのだけれど、これからのヒントを示してくれたと感じた点は、『コミュニケーション』の根底に「敬意」を抱くことだった。
出来るだけ相手に対して「敬意」を払えるか。具体的には?
その場その場によって違ってくるけれど、本書のマーティンの言葉を借りれば「相手が自信をもってその場にいるように」ということ。
ちょっとこれを心がけて、日々過ごしてみようと思った。
ただ、抽象的な言葉に逃げるだけではいけない。『ビッグデータ』についてもさらに意識して理解を深められるように努めていきたい。
『今日を変えていこう。愛をこめて。クリント』という風に。

ここまで本との出会いで熱く嬉しくなるのは久しぶりでしたが、おそらくブラックアウトの余韻に呑まれてしまったのだと思います。今月も良い機会を有難うございました。

投稿者 vastos2000 日時 2016年6月30日


『ビッグデータ・ベースボール』を読み、大きく二つのシーンに分けて考えた。

【データ分析に関するシーンから】

この本を読んでいて、突如、「空、雨、傘」のフレームワークが腑に落ちた。勝間女史の著作を読んでもいまいちピンとこなかったが、なぜか本書で理解することができた。

同時に、正しい「問い」を立てること(着眼点)の重要性も感じられた。あと何年かすれば、AIが大量のデータを分析して、相関関係が高いものをピックアップして提示してくれることが当たり前になるだろう。しかし、それを解釈して、行動につなげるのは人間であることはそう簡単には変わらないだろう。
例えて言えば、だだっ広い空があり、そこには多くの事象が見えるが多くの人はそれらに気を留めていない。しかし、一部の人間がある事象に注目してそれを解釈し、判断して行動する。競争相手のある場においては、それが勝者になるために必要なことになるだろう。

ルールが固定されているチェスや将棋、囲碁などでは、AIがプロ棋士に勝利する時代になってきたが、ルールがあいまいで、時にルール変更があるビジネスの現場。
そこでは、人間がデータを使う必要がある。
その際も、人間が正しい問いを立てなければ、誤った方向へ走ってしまうことになりかねない。何かの書籍で、『誤った戦略を高速で回転させることほどタチの悪いことはない』というセリフを読み、なるほどと思った。
データを受け取るだけでなく、データを解釈し、それを供給する側にならなければビジネスの場では生き残っていけなくなるのではないか。

さて、この本でのメインテーマであるベースボールに話題を移すと、なぜ今までは、伝統的なフォーメーションが守られてきたのか(日本球界では今でも守られているのか)?
野球の頭脳戦と言えば、「バッテリー対バッター」ばかりがフォーカスされている気がする。経済規模や競技人口を考えると、日本のプロ野球でも各球団がもっと特徴を出しても良い気がするが、どの球団も同じようなことをやっているように見える。(私はスポーツニュースをたまに見る程度のレベルでしか見ていないが)
だから、資本力のあるソフトバンクが毎年のように日本シリーズに進むのではないか。

私自身は、球技はサッカーとラグビーの経験があるので、その二つについて言うと、サッカーにおいては、はるか昔は【2DF-3MF-5FW】と、現代とはまるで逆のシステムだった時代があるし、ラグビーにおいても、日本代表はピラミッドラインと呼ばれるフォーメーションを採用した時代があったり、早稲田大学が縦一列に並ぶ変則的なフォーメーションを採用していたこともあった。そこにどれだけデータが使われていたかは知らないが、相手の長所を消すための創意工夫や、自分たちの強みを生かすことを考えるなかで、様々な試みがなされてきたと思う。
野球において、このような試みが一部に限定されていたのはなぜなのか?

世界に目を向ければ、競技人口が多い(ワールドカップという大会を開催するような)スポーツの、トップレベルのチームでは当然のようにデータ分析は行われているだろう。サッカーでは、ドイツ代表が2014年ブラジル大会で優勝したことで、そのデータ活用が注目された。『スポーツグラフィックNumber』などによると、ドイツ代表はデータ分析をした結果として、一人がボールキープをする時間を短くする方針をとったとのこと。
当然多くのデータを分析し、改善したいポイントもたくさんあっただろうが、一度に多くのことを変化させるのはうまくいかないだろうから、「ボールキープの時間」に絞って改善を行ったのだろう。この取り組みは2008年ころから取り組んでいたらしいが、2014年にW杯優勝という結果をもたらした。

今現在行われている欧州選手権の中継でも、ほぼリアルタイムに各選手の走行量やパス本数やパス成功率がわかる。きっと新たな戦略や方針が生み出されると思う。(ちなみにドイツ代表はまだ勝ち残っている)


私自身の仕事について言うと、現在、データを分析し、そこから予測を立てる業務も行っているが、ある程度の精度が出せるデータを集めて分析結果を出して時点では、すでに打つ手が限られているケースが良くある。
手当たり次第にデータを掘り起こして分析する時間とスキルはないので、ある程度のあたりをつけて、数字を拾わなければならない。
その数字を見て、どのような解釈をしてどのような行動をすべきなのかが見えてこなければいくらデータを集めても無駄になってしまう。
データや数字の分析を成功した姿として、三浦知良風に、「数字に魂こめました」と言えるようにならねばいけない。


【チームのメンバーへ新戦術を伝えるシーンから】

パイレーツは分析官たちと選手たちの意思疎通がうまく行き、新しい戦略をチームとして実行することに成功した。ここにも感じるところがあった。

私自身の経験では、実際にデータ分析を行って、首尾よく今まで気づかなかった重要な要素を発見し、新たな行動指針が見えたとしても、それを他者に理解してもらうのは難しい。ましてや組織に行き渡らせるのはさらに難しい。

私自身、ある程度のデータを見たうえで、「このやり方のほうが効果がある」と確信していることがあるが、上司に具申しても採用されていない。
上司いわく「それはそうかもしれないけど、その効果が出るのは来年でしょ。今年の数字を追わなければならないんだよ。」「それをやる予算はとっていない。」等の理由で弾き返されてしまっている。
私の会社は外資系ではないので、短期的な利益を追わなくても、上司も私もクビになることはない(友人知人の会社に比べて非常にのんびりしている)。にもかかわらず、採用されない。

これは、私の見せ方が悪かった。その上司は、数字に弱い人で計画的に行動するのが苦手な人であるのは知っていたのに、それに合わせた提案の仕方をしていなかった。私が甘かった。
それを踏まえ、今は、上司が私の提示する提案(数字)の意味するところを理解したうえで、採用するかどうかを検討するに至るような見せ方を考えているところである。


【まとめて】
小が大に勝つための方法(の一つ)として読むことができた。
正しい問いを立てなければ、求める答えは出てこない。この「正しい問い」を考えるところが分析官の腕の見せ所。新しい戦略を拾うしたとたんに、競争相手から分析・模倣されるので、競争優位を保つためには、常にアップデートが求められる。当然同じ土俵(やり方)で戦ったら、規模や資本が大きいほうが有利。小は継続性が求められる。

投稿者 6339861 日時 2016年6月30日


革新的な方法を既存の組織に浸透させる方法として読めました。
データを可視化するなど工夫を用いながら説明し、
結果を出して、さらに納得感を得させる。この繰り返しで
従来のやり方に固執しがちな組織(今回はプロ野球チーム)の
変革方法だと感じました。
実際に自分の会社でも、保守的な考えの人が多く、新しいやり方を
浸透させるのは、難しいものですが、それを打破するヒントに
なりました。
しかし、効果があるとわかると他チームが追随してくるのは
野球も企業も同じで、むしろ野球のほうがすぐに変則的な守備シフトを
まねしてきたのですね。
やはり、結果を実例を持って示すのが一番説得力があるということでしょうか。
今回もとても勉強になる一冊を紹介いただき、ありがとうございました。

投稿者 sumio 日時 2016年6月30日


「ビッグデータ・ベースボール (20年連続負け越し球団ピッツバーグ・パイレーツを甦らせた数学の魔法)」感想
本書は、20年連続負け越し人生 ○山△夫を甦らせた数学の魔法、と読み換えることもできる。
組織再生のストーリーであるが、個人、企業、地方自治体、国にも応用可能だ。
20年ダメダメだったこれまでをどうやって好転させればよいのかを教えてくれる。
やはり、魔法は、数学。

そして、コミュニケーションの物語。
歓迎されていない状況を打破するため、自分の位置づけと、相手のメリットから話し始める。
いかにして、既存の考え方に凝り固まった人々を納得させ、実際に動いてもらうか。
対等の関係作り、時間をかけた対話でどう抵抗を取り除くか。

切羽詰まっていて、出来ることも限られている。

当たり前として考慮の外に置かれたことに焦点が当てられ、未知の鉱脈を掘り当てる興奮。
たとえば、ストライクは、実は0.5秒の瞬時しか時間がない、極めてあやうい判定であること。
だからこそ、活きてくる、キャッチャーのきわどいコースの球をストライクにさせてしまうピッチフレーミングの技術。

天の時、地の利、人の和が登場してくる。
理詰めで、あくまでもデータの裏付けに基づいて、判断を下す、説得力の小気味よさにしびれました。
今日を変えていくことの難しさと、最後に結んだ果実の美味しさに、わが身を重ね合わせシミュレーションしました。

投稿者 jawakuma 日時 2016年6月30日


ビッグデータ・ベースボール

♪若い日はみんな何かを目指せ~秘めた力自分じゃわからない~よ(まるでマーティンやリリアーノのことですね)
♪夢を大きく持とう~そうさ飛び切りでかく~
の主題歌でおなじみだったアニメ『キャプテン』 当時小学生だった私が初めて守備シフトを観たのはそのアニメでのことだった。対戦相手の進学校の野球部がデータ分析型で、守備位置を大きく動かすのだ。「そんな方法があるんだなぁ~」と野球下手なくせに理論派気取りで妙に悦に入っていた小学生時代の私(笑)

本書は20年間負け越し中、ファン無し、金無し、スター選手無しの弱小球団が、その絶望の淵からデータを効果的に活用しのし上がる、という映画『メジャーリーグ』のリアル版のような話で非常にのめり込んで楽しく一気に読むことができた。

まず驚いたのが収集されているデータの量だ。さすが米国メジャーリーグというべきだが、野球界はその他のスポーツに比べ導入が遅れているという文章にさらに衝撃を受けた。確かにTVで見ていてもアメフトやテニスなんかはすぐにCG映像に切り替わりリプレイを再現できるくらい徹底されていますよね。日本の野球はさらに遅れていますよね。メジャーリーグでのデータ有効活用による守備強化が図られている話を読んでいて頭をよぎったのはイチローの打率のことでした。最近は一時ほどの打率がキープできていないのは寄る年波には逆らえないだけかと思っていたのですが、相手チームの守備全体が底上げされているのでしょうね。そんな厳しい環境でも弛まず毎日の精進を続けるイチロー氏をますます応援したくなりました。

●偉大な何かを探し続ける
受け入れて、周囲を巻き込み、実践する。自分が気になることはプロに検証してもらう。
パイレーツの監督の偉大なところは選手たちが直接コミュニケーションをしないと納得しないことをわかってクラブハウスやロッカールームに分析官を帯同させたところだと思いました。いかに有効なデータが見つかってもそれをメールの長文で送られてもコーチや選手は読んで理解しようとは思わないでしょうから。またデータをビジュアル化するツールの有効性はプレゼン資料を作成する仕事柄から読んでいて納得感がありました。ただ野球選手がその視覚情報の理解に長けているというのは意外でした。やはり文章や数字の羅列ではなく情報の視覚化は相手を納得させるために非常に有効ですね。いま従事しているユニバーサルデザインの仕事に生かしていきたいと思います。

●芸術と科学の融合
データを収集し、優秀な分析官を雇い入れ戦略を練る。これは長年負け越しのチームだからこそ行うことができたことですね。勝ち越しているチームはそれまでにないやり方に大きく舵を切るのはとてもリスキーで導入できないでしょうから。
データの分析を突き詰めて過去をつまびらかにする。というのは‟歴史に学ぶ“ということでもありますね。それをインプットし現在の情勢の判断に生かす。パターンを見る。いわば理詰めで【左脳】で理論を突き詰める。ということですね。
だが本書で紹介されていたのは、それだけに留まらず、今これからはどうするのか?は本書で芸術と書かれていた、インスピレーションの世界。いまこの瞬間の判断は左脳のデータはもちろん前提であるけれども、いわば【右脳】的な感覚でとらえ判断をくだして対処していくことの大切さが読み取れました。その右脳と左脳の融合が魔法と呼ばれるほどの効果を生み出す力なのではないでしょうか。
速読でビッグデータともいえるテキスト情報をバンバンとインプットし、左脳で理詰めで考え、呼吸法などの日々の精進で鍛えた右脳のインスピレーションで判断し行動する。どんどん実践していきたいと思います!

●自分と違う能力への敬意
特に日本人はなのかもしれませんが、人は自分と似た人と徒党を組み、それ以外の人たちと距離を置きがちですが、それでは自分に近しい情報しか取得できず、自分の枠が広がりません。本書では祝勝会で高卒ドラフト入団の選手が、ひとり佇むデータ分析官とシャンパンを掛け合いお互いの栄誉をたたえあっていました。自分と違う能力を持つ人とのコミュニケーションからお互いの有用性を感じ、タッグを組んで目標を達成する。これは野球だけに限らず、日々の業務にも活かせるでしょうし、しょ~おん先生が構想している塾生コミュニティもこういう形を目指しているのかと合点がいきました。(すみません、まだメールできていないので、速やかに特技をまとめメールします!)私とは異なる能力を持たれている、しょ~おん先生はじめ、しょ~おん塾コミュニティのみなさん、いつかはシャンパンを掛け合えるぐらいの成功を目指し(笑)今後ともどうぞよろしくお願いいたします!

今月も良書をありがとうございました!

投稿者 akirancho0923 日時 2016年6月30日


『ビッグデータベースボール』を読んで

あくなき開拓者精神。を感じずには入れなかった。
占いもそうだが、本書ではかなりのデータを集め、傾向を知り
有効活用することで活路を見出そうとしている。
しかし、果たして、いくらデータから可能性が導き出されたとしても
これまでの価値観を全否定する行動を受け入れられるだろうか?

わらにもすがる状況には違いないが、エポケーして
変えていくことに注力していく姿勢は、メジャーリーグとして今なお君臨する
開拓者精神の民族性を讃嘆せずにはいられなかった。

結果が出たことで、ビッグデータは未来を変えることに必要不可欠だったと
受け取れるのだが、注目すべきは、結果が出るまで粘り強く変化することに
こだわり続けた、今日を変えていくという意志と団結力だ。

おそらくどのようなスポーツでも、AKBでも、同じようなドラマは存在するのではと
想像する。

人の強固な意志は、数字を魔法に変え、人のこれまでの価値観を変え融合し
さらなる進化を遂げる。

未来と変化の可能性に酔いしれた一冊となりました。
ありがとうございました。

投稿者 chaccha64 日時 2016年6月30日


「ビッグデータ・ベースボール」を読んで

この本はビッグデータを野球に取入れることで全く違った世界を見せてくれた。
これまで、投手の成績は防御率であり、野手は打率だと思っていた。しかし、新しい評価基準があり、成績には現れない基準もあることを示してくれた。そして、それを用いることで、新しい世界が現れることを示してくれた。

守備シフトが本当に有効性であること。
守備シフトをより有効にするためにゴロを打たせるためにはツーシームが有効だということ。
投球の微妙なコースの場合、ピッチフレーミングに長けたキャッチャーではストライクになりやすいこと。
内角攻めは本当に有効であること。
投手を負傷から守る、よりスマートな玉数という考え方。

これらを、ビッグデータから野球選手でない、データの分析官たちが突き止めた。
分析官たちが突き止めた成果を実際の野球に、現場に採用しようとGM、監督が決めた。
一つは、トレード、フリーエージェントでの選手獲得である。そして、実際の試合で使用するために、選手にビッグデータかの成果の戦術を実行させえるために、コーチを説得し、選手を説得した。
コーチ、選手を納得させるために、分析官たちにもクラブハウスに出入りさせ、ミーティングにも参加させ、遠征にも同伴させた。そして、自由に質問や意見を言える雰囲気を作り出した。
そうすることで、分析官から、実際に野球をする選手までがひとつになった。相互の信頼ができたことで、このチームは実際にビッグデータを用いた戦術を使用することができ、2年連続のプレーオフ出場ができた。

しかし、この結果はビッグデータだけではない。従来の野球の伝統、地道な面も同時に実施していた。ドミニカ共和国のスカウト活動、マーティンの日ごろの練習への取り組み、その他選手への影響、ロッカールームでの雰囲気作り。ビッグデータの裏でも人間のドラマが進行していた。

これらが相まって、勝ち越しとプレーオフ出場という結果に結びついたのだ。これから、スタットキャスト、圧力袖などの技術の進展で益々データが大きくなり、新たな評価基準、価値が見出されてくるだろう。資金のないチームでも勝てるチャンスが増えるに違いない。MLBは益々面白くなってくるだろう。(日本球界はどうなのでしょうか?)

確かにビッグデータが勝ち越しとプレーオフ出場をもたらしてくれた。しかし、これはビッグデータのためだけではない。この成果を勝ち取るために、人が人を信頼したこと、そして、進む道を決め、それにしたがって組織を運営したことが大きい。野球の話だが、結局組織論、運営論の話でもある。結局、最後は人間がやるものなので。仲間を納得させ、一つの目標に向かって一丸となって進む。そのための、方法が各所にあった。
このあたり、実際の仕事に生かしていければと思います。

投稿者 andoman 日時 2016年6月30日


「ビッグデータ・ベースボール」を読んで

これまで、ビッグデータを扱った本をいくつか課題図書として、ご紹介いただきましたが、今回も驚く内容だった。
業務効率化などの理由で、ビッグデータを扱うのは、腑に落ちるけれど、これを野球というスポーツに役立て、これまでの野球戦略史を変えてしまうまでとは…。

IT技術の向上と共に、データの価値というものが広く一般に認知され始め、そのデータを野球に応用してしまおう!というのには大変驚いたが、それによって、引退間近の選手を再発起させたり、守備の改革を行ったりと、IT技術によって、非常識な行動が常識的な行動に移り変わって行く様は、驚きと共に愉快且つ爽快だった。
選手の様々な行動をデータ化する事により、普段では表には見えない、より繊細な世界に位置する、選手そのものの特殊技術が可視化される事により、埋もれていた才能の発掘や、個性あるチームの登場となり、より質の高いエンターテイメント性を追求し、ファンの心を掴む事に繋がっている。

このビッグデータというものは、現在のあらゆる常識を覆す未来を秘めており、ビジネスやスポーツのみならず、普段の生活を含めた様々な場面に応用され、ゆくゆくは政治や歴史の分析にも利用されて行くのでは?と考えている。

今後も新しい分野でビッグデータによる発見と進化がもたらせられる事になるが、大切な事は、ビッグデータの中から、どのような指標をどのタイミングで引き出すか?という素質もキーになると考えられる。

投稿者 ken2 日時 2016年6月30日


『ビッグデータ・ベースボール』を読んで

「ヒットを打たれるのは投手の責任ではない。」などこれまでの野球の常識からは考えられないキーワードがたくさん出てきてとても興味深かった。
勝利投手の定義や指標の定義自体も見直しが必要な時代になってきているのかもしれない。

印象に残ったのは極端な守備シフト。
それで思い出すのは、王貞治さんの王シフトだ。
改めて、google検索してみると驚きの内容だった。

王シフトは、あまりにもよく打つ王選手に対して、広島が1964年頃にはじめて実行した、とある。
左打者の王選手が右方向に打球が集中しているため、ほとんどの守備がフィールドの右半分を守る極端なもの。
サードからレフト方向にはだれもいないためガラ空き。
流し打ちやサード方向にバントをすれば出塁できることまちがいなし。

でも王選手はそれをしなかった。
ひっぱり続けた。「右に守備が片寄っているならその間を抜けばいい。 流し打ちをするのは負けだと思った。」と語る王選手。
結果、ホームランを打ち続けて王シフトを打ち消してしまった。

本文中に「極端な守備シフトに打ち方を変えて流し打ち」をしたり、「流し打ちのヒットを打つために大金をもらっているわけではない。」と言った記述があるが、50年前の王選手はまさに同じことをして打ち勝ったわけだ。

何より驚くのは、今から50年も前に王シフトという奇策をやっていること、
それも勘に頼ったわけでなく、東洋工業(現マツダ)の電子計算機を使って王選手の打球方向を数値化したというとても科学的なアプローチにより、実行に移されたということだ。

前人未到の偉大な結果を残した王選手であるが、数字で振り返ってみると対広島の打撃成績は他のチームより低いようだ。
王選手も広島もすごいと思った。

本書のパイレーツやマネーボールのアスレチックスのような高コストパフォーマンス(年俸に対する成績が)なチームは、日本で言えばやっぱり広島なんだな、というところも面白い。

ビッグデータの活用がさかんになってきている昨今、日本のプロ野球が大胆な守備といったことに踏み切れないのは、施策が裏目に出たときに周りから何を言われるかわからない、といった恐れがあるからなのだろう。

本書の感想として、ビッグデータを活用するということを仕事や日常生活で横展開する方向性を思索すべきかもしれないが、私は50年前の王選手と広島を礼賛して締めくくろうと思う今日この頃でした。
そういった振り返りができたのも貴重な財産です。

今月もありがとうございました!

投稿者 19750311 日時 2016年6月30日


元々スポ根系の話が大好きで、大人になっても大泣きしてしまう僕は、きっとハッピーエンドへ向かうと予想されるストーリーに感情移入し過ぎない様に読んだ。メジャーのレベルで、初めて伝統的な均等感覚に守備陣を配置するのを止めるまでの葛藤と、決断してから周りを巻き込む人間力と交渉力に次の事を思い出した。

20代、イタリアンのコックさんとして働いていた時期に、料理の鉄人に出て来るレベルの人間的にも尊敬するシェフに、「料理は科学だからっ」と言われて衝撃を受けた事。仮に、ゆで卵やパスタ茹でるのだって簡単に7分とか12分とか言うけど、1分間でも60秒も差があるし、それが夏なのか冬なのか?湿度はどうなのか?卵なら常温だったのか、冷蔵庫から出したのか?また冷蔵庫から出したら何分経ってんの?などなど、この例では想像つきにくいと思いますか、休ませる時間も含めると1日単位で作ったソースや原材料などを幾つも混ぜ合わせて完成させるソースやデザートでは、同じ状態に仕上げるには色々な数値に基づく環境を一定にする必要があり、初めてデータとしての数値を明確に認識しました。

次に3年前に現職に転職してから1年位、海外にいる直属の上司と話す度に何度も繰り返し言われ続け、前例として上げたのとは違う本当の意味で泣かされる位の「仮説と検証が全く出来てないんだよ」と言う言葉。

そして、今現在普通に流れている日々の日常(業務フロー)が、本当に今ベストな形で進行されているのか?また1年後、3年後の環境を考えた上でもベストがベターに向かっているかと考えられる事です。

私事ですが約3年前に転職したそれなりに外国や英語圏のスタッフと接点があった外資系企業が、昨年グループ内日系企業に子会社化され、明日7/1には完全吸収合併され社会人歴20年あたりで、初めて国内企業環境で働く事になりました。昨年から完全出向して、その国内企業環境で先に働いている元同僚からは、地方の支店などでは目を付けられない事を最優先とした絶対に失敗をしない様に仕事を進めている人もいると聞きます。まるで平穏に定年まで過ごして、満額の退職金をもらうのを待っている様にも見えるそうです。

私は経理部に配属される事になったのですが、ある意味全く文化が違う外国に行く様な感覚がありますが、自分の意見表示をするかしないかは郷に入っては郷に従うとしますが、こういうチャンスも多くある訳ではないので、新しい自分の業務に慣れると共に、色々な面でのデータ収集とその分析、またそのデータの意味の持たせ方を自分なりに仮説と検証を高いレベルでスピーディに進め、また1から這い上がって行きたいと思います。

なんだか感想文より、私の心理状況もあり乱文失礼致しました。

投稿者 ktera1123 日時 2016年7月1日


10年ぐらい前、会社の有志+有志の友人、知人で草野球をしていたころ、スコアブックをつけて結果を記録していたことがあった。野球経験者ではないのでそこまでは詳しいことまでは記録を残してはいなかったのだけど、前打席の傾向から、「ショートに行くよ」「レフトに行くよ」とか声掛けできるレベルまでは利用できました。また、外野(ライト)の守備位置でも打順、右打席と左打席で定位置の草が薄くなっている範囲内でセンター寄りによる、ライン側による、内野側による、バックスクリーン側によるなどは行っていました。

プロ野球の世界でも経験則は使っているとは思うのですが、経験則に加えてデータを活用することにより、小さな投資で大きな効果を得られたことは素晴らしいです。
実際にデータを加工する人と利用する人が違うので、本質はコミュニケーションの問題に左右される、またみんなが1人のために、1人がみんなのための考えがないとうまくいかないことを痛感しました。

投稿者 dukka23 日時 2016年7月3日


※このところ、期限守れずすいません。。。


これは、あるチームを変えた小説のような本ですね。

「ビッグデータ」という切り口はあるものの、
弱小で貧乏のチームが
監督を皮切りに、フロント、コーチ陣、
そして選手と巻き込んで、変わっていく。

その変わって行くためのムーブメントの起爆剤は
プロ経験のない分析官、
であるといところが最も興味がひかれるところです。

プロ意識が強いアメリカでは、
野球の選手としてプロフェッショナルではない、
また野球の作戦を立てる者としてプロフェッショナルではない、
分析官の意見に耳を傾けるようになるまで、
大変な苦労があったのではないかと思います。

今回、この本では、
まず最大の理解者として監督(クリント)が、
大いにバックアップをします。

監督自身が戦略・戦術を決める場合に
分析官に意見を求め、
ロッカールームへの出入りを歓迎し、
チームミーティングや遠征にも同行を歓迎する。
ここまでやられると、監督の意向を無視するわけにはいきません。

さらに、今回うまくいったのは、
分析官(フォックスとフィッツジェラルド)が「人にどう説明するか」を熟考したことが
大きな要因を占めていると思います。

自分の考えや仮説、データから導き出された結論を
簡潔に説明するだけではなく、
選手やコートが直感的にわかりやすいように、
「視覚化」を極力おこなうようにしました。

選手やコーチや伝統的な指導による思い込みがあったり、
そもそも数値やデータを読み込むことには慣れていません。
そのため、分析官や監督が言わんとすることを、
いやその前の現象を、野球における勝利に関連する形で、
しかもパッと見てわかるように視覚化を工夫したことは、
チームとしての行動を何倍も、何十倍も加速させることだったと思います。

ここまでで、理想の分析官を想像してみると、

・分析から、野球の勝利に貢献する意味合いのあるデータやパターンを抽出できる。

・監督など中心人物とのコミュニケーションがとれ、チーム方針に影響が与えられる。

・選手やコーチへの視覚的な説明に手を抜かない。


という単なるデータオタクでは、
務まらないという結論が導き出せるかと思います。
もしくは将来的にはオタク+ビジュアルプロデューサーのような組み合わせで、
さらに選手にわかりやすく表現する時代がくるかもしれませんが、
結論ではなく、「”現象”を見せると現場の選手やコーチは、勝手に自走し出す」
ということを念頭に置いておくことが、重要と思います。

では、現象を多く見せようとするならば、
分析官という職業はあくまで、

・勝利に貢献する行動を従来よりも細かく分解し
・分解したうえで、どのような貢献があるかを定義し、
・数値で計測できるようにする

という役割に徹することが最大の仕事といえます。
決して数値分析だけではないし、
派手に見せることや、視覚化自身が目的ではないと思います。
「どのような貢献があるかを定義する」というところが、
最も骨の折れる作業であり、この職業として価値が高い
=分析官によってばらつくところであると言えます。

例えばPICTHf/xや、ピッチフレーミングも
文中でさらりと使われていますが、
この定義を決めるために、またそれを裏付けるデータ取得と分析のために、
どれほど時間をかけたか、想像を絶します。
ですが、これは誰かが最初に「定義」をしたから、
この指標自体の数値が取得可能になり、
勝利への貢献度も測ることができます。

そのため、今後はこのデータ分析がどの球団でも行われるようになってくると、
多く、意味ある(活用できる)定義づけをできた球団ほど、
ビッグデータベースボールとしての進展が早いと思われます。

その一例として「勝ち方」に対する貢献の定義があります。
球団によって、「理想の勝ち方」は異なります。
例えば日本の例では、読売ジャイアンツは本気で「ペナントレース全勝」を目指すコンセプトです。
このように、各球団で最初にゴールとして定めるその理想の勝ち方の数だけ、
「どのような貢献があるかを定義する」ということが無限に分岐していくことになります。
この分岐を、いち早くまとめ自分の球団に必要な部分だけを抜き出して、
体系を整理した球団が、一歩先んじるのではないでしょうか。

ジャイアンツの例でいれば、
「この方法をとれば、一番全勝の確率が高くなる」
という意味付けをおこなうことになると思います。


さて、最後に、「勝つと負けるについて」
おそらく、データが試合を支えるようになれば、
「敗因」の分析もより細かく進むでしょう。

ただし、勝ちに関しては「たまたま勝った」ということは
減らないのではないかと思います。
なぜなら野球は、相対的なスポーツだから。
こちらも失敗するけど、より相手が失敗すれば勝つことができます。

私の大好きな野村監督の

「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」

という言葉がありますが、
この言葉を予想でき、戦術を組み立てられる
ある意味他力本願的なデータ解析も、将来できれば面白いな、と思う次第です。
ただ、もはや野球ではないかもしれませんが。