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第10回目(2012年2月)の課題本

 

 ゲームの父・横井軍平伝 任天堂のDNAを創造した男

 

任天堂といえばファミコンにゲームボーイ、DSにWiiと有名なゲーム機器のメー カーなんですが、でも私が子供の頃は花札とトランプで有名だったんですよね。 それがゲームウオッチを作り出してから一気にゲームメーカーになって世界を 席巻したわけですが、ここにはある男の存在があったのです。

それがこの横井氏で、彼が任天堂という会社の方向性を作ったんですね。 この本は裏返せば任天堂の成功物語なのですが、そういう視点ではなく仕事っ てどんなモノなのか、楽しい仕事、面白い仕事ってどうやったら体験できるの かという視点で読んで欲しいと思います。

活き活きと働くサラリーマンになりたければ、彼のマインドを理解する必要があるのですよ。

 


【しょ~おんコメント】

この本を通して考えて欲しかったのは、

● どうやって自分の仕事を楽しくするか?

だったんですね。

面白い仕事をしたい、仕事でワクワクしたい、とは多くの人が言うセリフなの
ですが、それって他人が与えてくれるわけじゃないんですね。

そういうところを感じて欲しいなぁと思ったんですが、そういう観点で感想文
を読んでみると『takuro2411』さんと、『BruceLee』さんが残りました。

どちらに差し上げようかなぁと悩んだんですが、いつものように独断でより理
路整然と書かれている『BruceLee』さんに差し上げる事にしました。

あれ?この方は2回目の受賞でしたかね?

おめでとうございます。追ってアマゾンの商品券をメールでお送りします。

 

 


頂いたコメント】

 

 

投稿者 take0125 日時
この本を数ページめくった瞬間、目に飛び込んできた数々の作品を見て、率直に懐かしかった、嬉しかった。そして数々の作品とともに幼かった頃の思い出が脳裏に蘇ってくる。小学生の時に正月のお年玉で買った「ゲーム&ウオッチ」、友達の家で遊んだ時の快感が忘れられず、両親におねだりして買ってもらった「ファミリーコンピューター」。十人いれば十の思い出があるように、そしてその作品達は雄弁に物語ってくれるはず。思い出とともに世の中に浸透していった作品達。

その代表作のひとつである「ゲームボーイ」。
著者はこの作品に対して、ひとつの疑問を投げかけていた。何故、横井氏が「ゲームボーイ」に通信ポートを持たせたのか?これは横井氏における遊びに対する本質的な概念を想起させる質問かもしれない。

もしかしてこの問いは著者と横井氏との人生観,価値観の違いからくるものではないだろうか。読み進めていくなかにヒントがいくつか散りばめてあることに気づく。

① 横井氏の生い立ち
(4人兄弟であったことからおそらく兄弟同士で遊んでいたはず)
② 若かりし頃のスキューバーダイビングの写真(P25)
(スキューバーダイビンクにはバディが必要だろう)
③ 社交ダンスのエピソード
(数多くの女性パートナーと踊っていたはず)

これら数少ない点だけをみても、横井氏にとっては遊びが一人ではなく、何人かと集まって行うことが本来の遊びであると至極当たり前のことのように考えていたのではないだろうか。
「対戦できなければしょうがないじゃないか」「通信ポートがなかったら、ゲームにならないでしょう」と云う言葉も横井氏における暗黙知から発せられた言葉だったのかもしれない。

横井氏の思い描く遊びは複数の人間とのコミュニケーションのなかで共に築きあげられ、そしてその枠は色鮮やかに映し出されるテレビの枠ではなく、内も外も関係のない創造力を掻き立てる自由な空間だったのではないだろうか。

ゲーム機本体における高性能化への危機感についても遊びの本質的な考えの違いからくる嫌悪感だったのかもしれない。ニンテンドウ64の開発において、高性能化を推進する宮本茂氏に対し、「お前までがそういうことを言うのか」と愚痴をこぼしていたという逸話もブルータスに裏切られたシーザーのような気持ちであったことだろう。
だからこそ、自分自身さえも裏切ることになってしまった作品に対しては本当にツラかったのではないだろうか。「なに言っとるんや。ヒリヒリやで」。

この言葉が頭に残ってしょうがない。    

 

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投稿者 nakajirou 日時
私が小学生低学年の頃ゲームウォッチが流行り、小学6年生の時にファミリーコンピューターが誕生しました。それまでゲームと言えば、ゲームセンターで100円を片手に遊ぶしかなく、当時のお小遣いの額ではかなり高い遊びだったのですが、ファミリーコンピュータ誕生をきっかけに、ゲーセンで高い代金を払わなくても、家でゲームセンターと同レベルのゲームが楽しめるようになり感動した記憶があります。

そのような典型的な、ゲーム世代の人間でありますのに正直本書で語られる横井軍平さんのことは全く知りませんでした。本書でもファミコンが有名になった際、少なからずプロジェクトに貢献した横井さんの名がほとんど知れ渡っていないのは、名声に無頓着、お客様がゲームで楽しんでもらえばそれで構わないとの人物であったからだと思いますが、そのような偉人に対して没後10年以上経った今にスポットを当てた本書及び本書を紹介いただいたしょーおん先生に感謝したいです。

本書の肝は前書きにもある、「高品質、高機能、低価格でないと売れないと考えるのは間違い。既に拡がった安価な技術から、アイデア勝負で世界初のものを売るのが一番良い」との横井氏のアイデアの源が非常にシンプルな考えに基づいている点だと思いました。

ゲームボーイで大人気になったポケモンのエピソードで、モンスターを交換したり、闘わせる斬新な仕組みの発想が、子供の頃の「虫取り」と同じであった点は印象的でした。

遊びとは仲間一緒にするものであり、仲間とこういう玩具やこういう仕組みがあれば楽しいだろうな。楽しいと思う遊びは、本質的に大人も子供も変わらないとの思いを持ち続けたことが他の人と違う発想の源になったのだと思いました。

本書を読んでから考えたことは、ゲームは確かに楽しいものですが一人でやりがちなものですし、インターネット上で多くの人とコンタクトが取れるゲームがあるといいましても、バーチャルの世界では人間付き合いは実際にあった人との付き合いから比べますとやはり密度の濃いものになりません。

インターネットの便利な世界に溺れすぎず、たまには実際に人と会うこと、会話を交わして情報を取ることを両輪のバランスを持って生きていくことが横井さんのようなオリジナリティ豊かな発想を持てる人間になる為に今の私に出来ることかなと思っております。    

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投稿者 takizawametal 日時
横井軍平さんの名前を聞いたのは、いつの事だったろうか?

ゲームライターをしている友人宅で、バーチャルボーイを見た際に
「なんで買ったの???」と、問いかけた時だったか?
それとも彼の名を冠するゲーム、GUNPEIを見た時に
エピソードとして聞いた時か?

どちらにせよ、氏が亡くなってからの事だと思う。
昔からゲーム好きだった人間にしては、恥ずべき話だった。
前述のゲームライター氏が興奮しながら、横井氏について話し始めた時も
真剣に耳を傾けようとはしなかった。

今回、縁があって初めて氏の仕事に触れる機会を持ったが
その行動は驚く程に一貫している。
楽しみながら仕事をしている事。

刊中に何度も出てくる
「枯れた技術の水平展開」
という言葉のもとに、革新的な新技術よりも
すでにある技術を、ひねったり、違う角度から見てみたりの
アイディア勝負に持ち込む。
自分でいじってみて、発見をして面白い発見をする。

自身のいたずら心や、こんな遊びを考えてみたけどどうだ!
というような遊び心の塊で突き進む。
だからと言って、けして荒唐無稽、無策ではなく
この楽しい遊びを実現させるために、どうやれば
安く(ここ重要ですね)、早く実現できるか?
を死ぬほど考えて考えて考え抜く。

その姿勢には、どんな業種の壁も軽くつきぬける
パワーがあり、周りの人間にも凄い勢いで波及したのだろう
と容易に想像できる。
インタビューをまとめ、それに筆者の考え、インプレッションを
加味した、言ってみればまた聞きのような感覚の本書を読んだ者が
そうなるのだから、実際に一緒にお仕事をされた人達は
一層も二層もそうなったに違いない。

そんな氏だからこそ、ゲームウォッチの爆発的なヒットによって
社内の地位が上がり、以前のように自分の手が入れられずに
ゲームボーイの液晶で大不良を出してしまった時の苦しみは、
読んでいるこちらの胸が締め付けられるようだった。

楽しみも楽しむかわりに、苦しむときはめいっぱい苦しむ。
仕事は自分のやりたい事そのものなものの、
根底には、人との介在があり、人を楽しませる、喜ばせる事を
目指しているのに、自分が楽しませたいその人が見づらいものを作ってしまった。
このエンジニアの苦しみは、本当に痛いほど伝わってくる。
同時に山内社長に対する愛情、「あの二人は親子だ」と言われる
通常の社員と社長の関係を超えた深いつながりに
憧憬の念すらおぼえる。

どちらかというと、刊中で言われている
「高性能、高機能なだけの戦いになる」ゲーム機の
まさにそちら側で踊らされていたときに、横井氏に出会ってしまい
「過去の凄い人」とくくってしまった若き日の自分を
叱り飛ばしてやりたくなった。

あのマリオの生みの親であり、ゲーム好きの間では
知らない人はいない宮本茂氏も、横井さんを師と仰ぎ
横井さんに直接会った事はないであろう若いゲーム作家達も、
横井さんの命日にはお墓参りに行く、というエピソードには
暖かい気持ちになると同時に、恐らく彼らにとってみたら、
どんな神様に祈るよりも霊験あらたかな感があるのだろう。

山内社長は、横井さんのお墓に訪れる事はあるのだろうか?
どんな会話を交わすのだろうか?
もし山内社長が亡くなった時は、横井氏と同じ墓に入れてやって欲しい、
と勝手な事を思ってしまった。    

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投稿者 bluefilm2006 日時
本書を読み終えた時、一人の人物の顔が浮かんだ。

スティーブジョブズである。
ユーザーの立場で考え、失敗を恐れず、自ら苦しみ・楽しみ、
生み出した製品によって世界の人々の生活を変え、幸せな気持ちに導く事が出来る。

まさにジョブズの生き様と類似する部分が多い。

ゲーム&ウォッチでの大成功、液晶の判断ミス・バーチャルボーイでの失敗、

そして、ゲームボーイでの大成功と、失敗を乗り越え、常に考え続け、
ユーザの立場から新しい製品を作り続ける。
そして「会社に貢献しよう」という意思を持って任天堂を世界企業へと押し上げた。

ジョブズも同じ様に大成功の裏には多くの失敗を経験している。
そして、iPhoneの様な歴史に残る製品が作られ、世界中の多くの人々、また、Appleを世界一の企業に育て上げた。

巷では、多くの伝記、自己啓発本が存在するが、
本書からは今の日本はもとより、世界の人々が参考に出来る、リアルな生き方のヒントを得る事が出来る。
絶版になった本が9万円で取引された事も納得出来る。

特に今の日本に足りない事、
目先の利益を考えず、考え抜き、楽しみを持ちながらチャレンジし続ける事、

そう言った環境がある事、環境が無ければ自ら切り開く。
可能であれば、安定だけを求めて職業を決める今の若者に一読頂きたい。

「枯れた技術の水平思考」
横井氏が生きていたら明言していたかも知れない。

55歳という大半の場合「守り」に入ると思われる歳で独立を果たし、
大きくなり過ぎた任天堂では果たせなかった目標を果たし切れなかった事が、
唯一、悔やまれる。
※偶然にも横井氏、スティーブジョブズ共に56歳で亡くなっている

生前、ジョブズがAppleに4年分のアイデアを残した様に、

横井氏のスピリッツを引き継いだ製品がこれからも市場驚かせてくれる事を望みたい。
そして、横井氏の様な人材が存在する事を期待したい。

読む前は「ゲーム~」というタイトルに書籍の内容を軽視していたが、
読み終えた後は、自身の大切な永久保存版の書籍となった。

そして、自分も横井氏の様なユニークな生き方をしてみたい。    

 

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投稿者 whockey51 日時
●「枯れた技術を使い、アイデアで勝負する」

「枯れた技術の水平思考」

これが任天堂のDNAといってもいい考えだ。(引用)



日本の製造業の技術は世界最高水準に位置しています。

しかしながら、その最高技術が足かせとなり、
国際競争では勝てなくなってしまっている。

appleのiphoneを手にしてみると、そこには最高の
技術が散りばめらてれ、作られているわけではなく、
ある意味枯れた技術で作られているだけに過ぎない。

とすると、なぜ勝てないのかが明確になってくる。

最高の技術を搭載したものは、自然と価格が高くなって
しまっている。価格が高くなると、世界では売りにくく
なってくるのではないだろうか。

価格を決めるときの考え方として、
コストアップとマーケットインの考え方がある。

前者だと、いくらかかったから、これぐらいで
売らなければ元が取れない。という発想である。

後者は、このくらいの価格だと消費者が手にできる
という価格設定である。

日本だと、前者の考え方によって物が作られている
んだと思う。

だから、消費者あり気の商品ではなく、開発者ありきの
商品になってしまっているのではないだろうか。

appleの話に戻るが、商品の組み合わせは、なんだという
ものの組み合わせでしかないわけだ。

こんなものがという物は、一つも含まれていないわけである。

横井さんの発想も、それと同じことになる。

この発想のすばらしさが、横井さんたるところだと言える。

●任天堂がトランプを発売した時に、博打に使われるという
イメージを払しょくするために、遊び方を解説した、小冊子
を同封した。(引用)

これは消費者に新たな使い方を示すことで、新たな購買層を
生み出す要因ともなった。

こんなものをこんな使い方をしていたのか、という場面に出くわす
ことがあるが、そういったものを提案できることによって、
いろんな可能性を無限に作りだしていけるんだと思う。

●ただし、良いアイデアの商品であっても、量産化できなければ、
まったく意味がない。(引用)

量産化=低コスト化につながる。先に述べた、最高技術の搭載した
商品だと、コストが下がりきらない。そして、技術の流失の恐れが
あるから、あまり多くのところで生産が出来ない。という流れに
なっているのではないか。

中国に、appleの工場があるが、それも技術が流出しても、
大したことではないから、工場を稼働させることができると
いえるのではないか。

たとえ、技術が盗まれても、組み合わせるアイデアがなければ、
何も意味の持たないことだからだ。

●開発者として必須の知識に、量産化、商品化がある。(引用)

誰でも簡単に組み立てられる。これは非常に大切な視点だと言える。
日本の製品の特徴として、もれなく分厚い商品説明書がついてくる。
あれだけのものを隅から隅まで読む人はいるのだろうかと思うくらい。

比べて、iphoneが全く説明書がないことにも驚いた。あるのはそれぞれ
どういう機能なのかが書かれたものだけである。

あとは使ってみればわかる。

と言いたげなものだ。

つまり商品を多くの人に届けるには、誰もが使えなければいけないわけだ。
よく言われる、小学生にもわかるように説明しろと同意義ではないか。

●ゲーム&ウオッチは新幹線の中でおもいついた(引用)

発想の着眼点は、常に身近な所にあるといえるエピゾードだ。
そこに着眼点を持てるかどうかが、開発者として重要なこと
になるのではないか。

人間をよく観察することで、新たな考えが出てくるのではないだろうか。

●暇つぶしの道具には、ひとつ小さな実用性を入れておくことが必要(引用)

暇つぶしだからこそ、あってもなくてもいいでは、
人々から忘れ去られてしまうわけだ。

日常に必要な状況を考え出して、そこに食い込ませれば、必然と
使ってくれるようになる。必要がないからこそ、人々は手に取る
ことなく、その商品が流通しなくなるんだといえる。

●制限がある中で、その制限を活かして、魅力的なマリオという
キャラクターを作り上げた。

予算いくらでも、時間いくらでも。という開発プロジェクトが
あっとしたら、ほぼ失敗するのではないだろうか。

制限があるから、その中で作ろうとするアイデアを考え出すんだと
思う。

ドラゴンクエストも同じく、制限がある中で、あれだけのクオリティ
が高い作品が生まれることになった要因だともいえるのではないか。

●ポケットモンスターの基本構造は、昔からあるもの

ポケットモンスターが子どもの心を掴んだのは、本質的な遊びを
そのままゲームで再現したからだろう。

なんでもそうだが、いかに本質をとらえてそれを組み込ませて
いくかが開発のカギになる。

●ゲームボーイを小さくすれば、新たなユーザーが増えるのではないか。

商品も世に出した時点で終わりなわけではなく、さらに改良を加えて
いくことにより、新たなユーザーをも捕まえることが出来るようにな
るといえる。

これは日本人が得意としている分野ではないかと思う。明治維新後、
西洋の技術を取り入れて、その技術を改良して日本独自のものを作り
上げていったように。

どの分野でも、この改良ができるからこそ、今日の日本の発展につながって
いったと断言できる。

客観的な世間にニーズを見極めて、それを活かせるようにできれば、
日本の未来は断然明るいと言える。

今日か、今から、そういった何か改良して良いものにならないか。
という視点を持って仕事に取り組んでいきたい。

ありがとうございます。    

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投稿者 tamayura 日時
かつてのヘビーユーザーとして、また与える側の親の立場として、読み終えた後、
なんと懐かしい、心地よい感情に支配されたことでしょう。
この本に出会えたことで、心の中の怪しい雲行きから、一筋の光が差してきました。。。
まずはしょーおんさんに感謝いたします、ありがとうございました。

任天堂は、私が住んでいる京都府に本拠地があります。
今思い返すと、世界的な技術者「横井軍平」さんを生み出した同じ京都に住んでいるというだけで、
とても光栄に思います。

この本を読むまでは、横井氏の名前さえも全く知りませんでした。
そして一般の方が知りえる表舞台に、横井氏の名前はさほど露出がなかったような気がします。
一世風靡したゲームなのに、なぜ、横井氏を知らないのか、
自分でさえも不思議に感じました。
読み進めていくうちに、段々その理由が分かってきました。

私はゲームウォッチ世代であり、その後ファミコンと、
当時では高価だったあの機器を、親にせがんでいくつも買ってもらった記憶が蘇ってきます。
これが発売されるまで、会社名自体も知りませんでした。そしてトランプ・花札の類しか
作ってなかったことを知り、「何でそんな会社がこれを???」と疑問だらけでした。
友達と違うゲームを貸し借りし、999点か9999点のクリアポイントに到達するまで
宿題そっちのけでやりまくりました。ボタン電池ともこのときが初めての対面で、
電池を購入するときにこれまで高価だったことに驚き、それだけ斬新なゲームなんだと、
自分に言い聞かせていたことなどを覚えております。
単純なゲームながら虜になっていたことは、すっかり軍平マジックに嵌っていたんだ!と
今更苦笑しております。

横井氏が開発されたゲームは、「枯れた技術の水平思考」から生まれたものであり、
その発想の展開を読んでいくと、根っからの「技術者」だったことが伝わります。
いったん市場に出たものを、違う視点で捉えてみる、これは、ひたむきさとひらめき以外のないものでもないです。凡人である私には到底できない事です。
そして、いったん出来上がったものを愛着もって接している、簡単に終わらせないという
彼流の優しさも垣間見ました。

新しいものが続々と発売され、世間の流行の移り変わりの速さに疲れを感じ始め、
うんざりしておりました。
消耗品は愚か、技術までが使い捨てだと、今後の社会の流れに一抹の不安を感じてなりません。
行き着く先がどうなるのか、考えると怖くなります。これでは後世に何も残せないです。
横井氏もそんな時代の渦に巻き込まれてしまった気がします。
それでもなお、定年を目の前にして任天堂という巨像から離れ、新会社を立ち上げたことは、
ただの「おもちゃ好き」であることを貫いた結果なんですね。

任天堂のゲームがソニーと競われ、市場から存在自体が遠のいていたころ、Wiiが発売され、
NINTENDOがまたゲーム市場のカラーを塗り替えてくれました。正に「おかえりなさい」でした。
そして私もゲームに再び嵌りました。。。(笑)
でもこの頃には、横井氏はもうこの世の方ではなかったんですね。
目から鱗でした。ご冥福をお祈りいたします。

最後に、勇気や夢を追い求める無邪気さが、現在には忘れられているようで
寂しく思います。この本に出会えたことは、奥底に秘めていた私流の「枯れた思考の水平転換」に
なったことに間違いないです。何歳になっても「ひたむきさ」を失うことなく、
物事の見方に新たな発見を見出していきたくなりました。

任天堂に在籍されている横井氏の遺志を引き継ぐ方にお願いします、
私が年老いても心から笑える、世代を通じて楽しめる玩具を提供してくださることを
楽しみにしております。    

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投稿者 akiko3 日時
「ゲームの父・横井軍平伝」を読んで

正直、ファミコンはやったことがないので、内容がわかるか…とすでに消化不良状態で課題本を開いた。ウルトラハンドみたいなものでなんか遊んだ記憶があるぞ…(決して、発売年に過剰反応して知っていると断言していない訳ではない)。でも、あとはほとんど???ふーんという感じで読み始めた。

が、しかし、さすが課題本!
横井氏の仕事に対する発想は実にスマートで憧れを感じた。その柔らか頭、頭をひねって人が思いつかないことを発見して、子供のようにワクワクとその発見を楽しむ。ただ、自分が楽しんでいた。自分の目の前にある当たり前のものの中に新たな側面を発見する、そういう視点、閃きは、まさに知恵だと思う。それを仕事に結びつけるとは、すごい!
とはいうものの、横井氏の出発点は、手先が器用なただのいたずら好きという感じだった(なんだか親しみは感じるが)。だから、仕事を通して、その愛すべき人柄から、社長に、人に愛され、進化成長と遂げ、ヒットメーカーになった人なのだ。本の中で語られる数々のゲームを生み出した背景を紐解き、利益の浮き沈みを体験し、自殺を考えるほど追い込まれる中で成長していったのだ。
光線銃の開発エピソードで、太陽電池が高いことに疑問を持ち、その問題点を改善し、コストダウンに繋げた。ただの遊び好きでなく、仕事師の目線もしっかり身につけていた。なんでだろう、どうしたらできるのか?そういう発想、あきらめない発想は生きる上でとても大切なことだ。
そして、志。家に柱がないと倒れてしまうように、その人を支えるその人の中にあるもの。横井氏は仕事を通して、自分の中にゲーム開発者としての哲学を構築していた。ファミコンがでてきて、進化する過程において、横井氏はモノクロにこだわった。遊びの本質を失わず、色や画像でなく、ゲームの本質にこだわったのだ。

読んでいる中で、本の内容もすばらしいのだが、砂糖の世界史で思考法を開眼され、その横展開は、今回の本での水平思考に通じている。その前の木の教えでも、梅干と日本刀でも、日本人のアイデンティティーとか文化、歴史が残してくれているもの、カリスマでも裸でも思い描いて、それを貫く大切さ、ああ、全てが繋がっているーと何かいろいろなものがスパークするような、まさに一見、ばらばらなテーマ本が、実は筋が通っているという課題提供者の意図にもびっくりでした。(ここでしょ~おんさんを褒め倒しても、しょ~おんさんとしては、横井氏と同じで雛型としての取説はつける、自分は種を撒くけど、遊び方は遊ぶ人達が考ればいい、受け取って育てるのは十人十色でいいんじゃないと軽くスルーするだけだろうが…)。

自分としては、自分を知り、自分の立ち位置を決め、頭を使って生きていく。意識してもう一歩深く考えるくせをつけていきたい。自分を取り巻く環境は、大きすぎて自分でコントロール不可能な人智を超えた計らいがある(本の中にあったシャープの液晶の開発がゲームウオッチのおかげで縮小せずに済み、その後の発展に繋がっているなど、奇跡はいたるところで起こっている)ようなので、自分としては、一瞬一瞬の判断基準が自分に偏っていないかに注意をしていきたい。そういう意味で、横井氏の事故はまことに残念ではあるが、著者も書かれているとおり、最後までやっぱり愛すべき人であった。 
ご冥福をお祈りするとともに、数々のゲームと残して下さった知恵に敬意と感謝を捧げたい。ありがとうございました。    

 

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投稿者 takuro2411 日時
本書を読んでまず感じたことは、横井氏にとって仕事(玩具づくり)は、
子供の頃からの遊びの延長だったのではないかと思う。
仕事を「遊び」として捉えていたからこそ、夢中になり一所懸命取り組むことができ、
そうすることで、次から次へとヒット商品を生み出すことができたのではないかと思う。
横井氏は周りから「天才」と呼ばれることを嫌い、自ら「発明好きの普通のおっちゃん」と呼び、
モノづくりが大好きで、作ったモノで人を驚かすことに喜びを感じ、みんなでワイワイ、
喧々諤々しながら新しいモノを開発することが本当に楽しかったのだと思う。
そういう姿勢で仕事に取り組むから、氏が開発する商品は、失敗だったモノもあるが、
多くは、消費者に受け入れられたのだと思う。
やはり開発する側が楽しんで作ったモノは消費者側にも受け入れられるのではないかなと思う。
また、遊びとして楽しんでモノを作っているから、最先端技術から一歩引いて、
距離を置いて、全体を見渡す余裕が持てたのではないかな~と思う。そこから、
水平思考(アイディア勝負)ができるのかな~と思う。
しかし、そこでアイディアが出てくるから、やはり、すごい人だった思う。
また、その発想がとても無邪気な感じがする。女の子と手を握るための手段であったり、
自分も解き方が分からないモノを作ったり、
電卓で遊ぶサラリーマンから暇つぶしに使えるモノを考えたり、
普段我々が見過ごしてしまう他愛もない事柄から発想できることはすごいことだなと思う。
本書を読むと、「仕事」って大人が楽しむ遊びなんじゃないかなと思う。
もちろん、責任とか、プレッシャーとか、売り上げ、利益とかいろいろあるけど、
それらは、仕事を面白くする、要素であってもっと仕事を楽しんでやればいいのかな~と
考えさせられた。
また、我々の日常生活の中にも、実は気がつかないだけで、
仕事のヒントとなることが、たくさんあるのだと教えてもらった。
ありがとうございます。    

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投稿者 yokoyayayuki 日時
今月の課題図書を読んで

面白い本なので、読み終えて満足して、
「わくわくするようなことを仕事にできる人は稀」という安易な結論に至るのが嫌でした。

すぐに寝食を忘れる仕事に転職できませんが、一週間徹底的に仕事を楽しんでみることにしました。
出張に行ったらおいしいものを食べる、地元の人と会話を楽しむ、同僚との会話を楽しむ。
お風呂を楽しむ、食事を楽しむ、家族との会話を楽しむ等等。

一週間たったら大満足でした。
夢中になって楽しむのはゲーム開発じゃなくても良い事が分かりました。    

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medal1-icon.gif投稿者 BruceLee 日時
しょ~おんさんのメルマガ読者にはおなじみ、人生をうまく生きるための3要素である、「スキル」、「ロジック」、「運」の観点から横井氏の人生を眺めてみたい。

1)スキル
面白い玩具を作るスキルとは何か?玩具とは縁のない素人考えだが、まずはアイディアを出せる力ではないかと思う。私は以前、タカラの人と少し仕事をした事があるのだが、彼らは常にどう面白くできるか、どうすれば面白くなるかを考えていた。そして思いついたアイディアをその場でデッサンに描いていた。その大半がボツになる事前提で。恐らく氏もきっとそうだったろうと想像する。本書にも「999のダメなアイディアをいかに早く没にして、残りに1に到達するか。これがアイディアを出せる人間だ」とある。これはスキルと呼べる力だろう。また「ただの思いつきとアイディアは違う」と軽々しく思いつきを口にする事を新人に戒めている。数多の思いつきが熟成された1つのアイディアとなって口から出るまでに、氏ならではのフィルターがあったのだろう。これもまたスキルである。では、このスキルはどう磨かれたのか?そもそも氏の性格として「自分が作ったもので人を驚かす」事が好きとあるように、好きな事を継続していったらスキルと呼べるレベルになった、というのが正しい理解のような気がする。

2)ロジック
これは多くを書く必要もなく、本書で何度も登場する「枯れた技術の水平思考」に集約できる。本書は副題に「任天堂のDNAを想像した男」とあるが、このDNAとはまさにこの思考の事であろう。それほど任天堂にとって哲学的な思考である。但し、これも背景があり「最先端技術に敵愾心を持っていた」氏の、最先端技術と縁の無い環境が前提があっての事だ。何故って、最先端技術を追う道だってあったであろうから。その考えを早々に捨て、様々な角度で物を見る事で新しい面白さを追求していくことを決断したのだろう。氏が尊敬していたというソニーのウォークマンの「既存の技術の寄せ集めにすぎないが、誰も考えなかった発想をした事によって大成功した」話がそれを象徴している。

3)「運」
まず任天堂に入社した事自体、幸運であったと言って良いと思う。しかし当初は入社したい会社でも、やりたい事がある訳でも無かった。現在シューカツで大変な思いをしてる方へ伝えたい。この点、勇気付けられないか?何が自分に合ってるかなんて入社前、また入社後だって自分でも、まして他人には分からないのだ。氏も、実情は「花札を作っている会社に入った」だけだ。そこでどう考え、行動するか、やはり重要なのは自分が何をやりたいか、なのだ。

そして暇つぶしで作った玩具が製品化される事になる。これもある意味運である。花札の会社が玩具に手を出すという、言ってみれば新規投資・新規開発が伴う大決断である。
本書にはその後の各製品の開発話が描かれているが、ファミコンにより会社が安定するまではやはり其々が掛けであったともある。その第一発目に採用されるのだ。採用する側の炯眼も、玩具その物の面白さもあったのだろうが、ここにも運がある。「社長が、社員が遊んでいるのを見て『商品化しろ』なんて言ったのは初めてのことでしてね。呼び出されたときは、もうすっかり怒られるんだと思ってました」
運の前に・・・可愛がられる男だったのかもしれない。

最後に、任天堂を退社してすぐ交通事故で亡くなっている。不本意で無念だったと思う。が、客観的に見るとやはり氏は「任天堂の人」だった事を象徴してるように思えてならない。
それが運命だったのではないか。氏の退社に至る経緯はある意味牧歌的に成長してきた会社が大きくなり過ぎ会社とGAPが生じてきた事による。まるでアップルのスティーブ・ジョブスだ。勝手な夢想を許して貰えるなら、氏が一度会社を離れ、数年後復帰したとしたら・・・もっと面白い任天堂が存在していたかもしれない。

以上、3要素を軸に勝手な事を書かせて頂いた。しかし私が読後、全体を振り返ってまず思ったのは「氏は社命で仕事していない」と言う事だ。そもそも花札の会社が玩具事業(?)をスタートするきっかけが氏のアイディアによるものであったせいもあるのだろうが、社命以前に氏にやりたいことがあり、アイディアを練り、プランニングし、人を説き、開発を進める・・・こんな仕事が面白くない訳がない。
そのベースとなるのは、常に会社をリードする観点で物事を思考する姿勢だろう。つまり、社長の視点だ。その意味では仕事を楽しむヒントが隠された、疑似体験が出来る書としても楽しめる1冊であると思う。    

 

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投稿者 koro 日時
<楽しい仕事、面白い仕事をどう体験するか?>
・技術革新によって他所からもたらされた安易な新しさではなく、
既存技術から考え抜いた独自のアイデアによる新しさで、
競争、競合がないところでノビノビと仕事を行う。

・管理職となり、部下の能力を引き出す事について
悩んでいた横井さんが辿り着いた答え「ユーモアを取り入れる」

上記の2点が楽しい仕事、面白い仕事を体験する為の
この本から得られたポイントかなと自分は感じました。


一番長く遊んだ携帯ゲーム機が「ゲームボーイ」であった世代の
自分にとって後半部分は特に興味を持って読むことができました。

通信ポートがあったおかげでポケモンが爆発的ヒットとなったわけですが、
これも、それまでほとんど使われていなかった通信ポートの新たな使い方を提示した、
ポケモン開発者の「水平思考」の賜物なのかなと思いました。

余談ですが、
遊びに行く時は常に携帯していたはずなのに、
自分はゲームボーイを買って貰ってからポケモンをやるまでの数年間、
通信ポートの存在に気付いてすらいませんでした(笑

今までバーチャルボーイの実物を一度も見たことがありませんでしたが、
バーチャルボーイが欲しくなってきました。
中古ゲーム屋で見つけたら買ってしまうかも(笑

株式会社コトのホームページの会社ロゴの横に、
この本の中で何度も出てきた言葉「枯れた技術の水平思考」と
掲げられているのを見て感慨深く思います。    

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投稿者 sishida 日時
「ゲームの父・横井軍平伝」所感

ここに感想を書かれている皆さんも同じかと思いますが、私も少年時代のほとんどをゲームウォッチ、ファミリーコンピューターとともに歩んできました。
最初のベージを数枚めくるとその懐かしい写真が飛び込んできて、実際に使ったものや、触れたことがなくとも、どこかてお目にかかったようなものばかりで「これもそうか」「え!?これもなの?」と非常に興味深かったです。(余談ですが、初期型ファミコンのコントローラーのボタンが四角だったことを初めて知りました(^_^;;)

本の内容は、人間・横井軍平に迫っていくわけですが、横井さんからは関係業界でなくてもビジネスマンとして非常に参考となる点が多く、製品の製造・開発に携わる人に是非読んで理解して欲しい内容です。

その一つは「カラーは遊びの本質ではない」と言い切るように物事の本質・原点を見極め、何歳になっても維持する力と考えます。任天堂を含め、1995年頃からの多くのゲーム機がたどったような性能競争は一部マニア向けの路線であるということは今の時代から見るとわかりますが、任天堂自身、DS、Wiiを出した時は恐ろしい決断だったと言っていますので、時代の流れに逆ってまで貫くその信念たるや凄まじい物を感じます。
また、太陽電池の話のように原因・原理を追求をし、「無理やり枯れた技術にする」ことも物事を実現する力の実例を見せていただいたと思います。

ただ、ここまでは多少できる人ならやってることで、おそらく横井さんの本当の魅力は、人を喜ばせたい、この人のために尽くしたいという思いが人一倍強いという点にあるのではないかと思うのです。その相手がお客様だったり、山内社長だったりと。
その魅力が周りの人を引きつけ、魅力的な作品を生み出し、更にファンが惹きつけられ・・・という、いいスパイラルができていたのではないかと考えます。

横井さんはサラリーマンとして非常に幸せな人生を過ごされていたのだなぁと思います。もちろん、仕事ですから酸いも甘いもあるのは当然ですが、それらも含めて横井軍平という生き様には共感します。
私自身、仕事をする上でこのような考え方に触れられたことで、視点を「水平思考」する能力が身についたように感じます。
いい本に巡りあわせて頂き、ありがとうございました。    

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投稿者 genki0506 日時
「だから、私はほんとうの落ちこぼれなんですよ。その落ちこぼれの私を拾ってくれた任天堂には、本当に感謝しています。」
私がこの本の中で、横井氏の生き方が表れている一文を選ぶとしたら、この一文を選ぶ。
理由は3つある。
第一に謙遜の心が表れているからだ。次々と新しいアイディアを出し、数々の商品をヒットさせている、「破天荒」な性格とは裏腹に、自分の活躍については公に出さず、会社をまたてている姿や、部内で人の上下関係をできるだけ無くし、部下に自分の成功体験ができるような環境作りに努めた姿が印象に残る。自分を良い意味で卑下しなければできることではないと感じる。
第二に人間関係作りの心得が滲み出ていると感じたからだ。横井氏の成功は、任天堂社長の山内氏、スーパーマリオの生みの親である宮本氏、シャープの上村氏、などと出会わなければなしえなかっただろう。そんな彼らとの出会いはやはり、感謝の念だったり、横井氏の人柄だったりしたのだろう。また、長嶋茂雄氏とも良い関係づくりをしていた所に、やはり「天才」のにおいを感じる。
第3に反骨心が表れていると感じたからだ。一生のうちに一度でもヒット商品を出せれば成功と言われる業界において、これほどまでにヒット商品を出した人物はいない。大抵の人は一度成功したら諦めてしまうものだろう。しかし横井氏はその歩みを止めることをしなかった。それは、横井自身が心から楽しんで仕事をしていたというのもあるかもしれない。
しかし、私はそれだけではなく、横井氏が抱えていた落ちこぼれという「劣等感」が良い発奮材料になったのではないかと考える。
以上の理由で、先の一文を選んだ。

この本は、横井氏の生き方について学べる他に、アイディアの出し方、仕事の仕方、人間付き合いの仕方など多岐にわたって多くを学べる本でした。良い本を紹介していただき感謝いたします。

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投稿者 sumio 日時
ゲームの父・横井軍平伝 任天堂のDNAを創造した男 感想文

私事で恐縮ですが、
カラーページ写真に写っているおもちゃの数々、
懐かしいです。親にねだって、買ってもらえたもの、
買ってもらえなかったものがその当時の思い出とともに蘇ってきました。

自分が欲しくても買ってもらえず、近所の○○ちゃんが
持っているのをうらやましく思ったあの頃。
子供の頃。本当に懐かしいなあ。

差し込みの白黒写真、いや、この本自体が世相を映す貴重な資料です。
当時のにおい、雰囲気を思い出しました。

横井軍平さんというアイデアマン、仕掛け人の立場から、
開発最前線ならではの苦悩、楽しみ、そして、良い仕事ができる環境とは
どんな環境なのかを教えてもらいました。

任天堂さん、いい会社だあ。
山内社長と横井さんのやりとり。
深い絆。
うらやましい。

・「商品化しろ」「ゲームにしろ」
・「その技術が枯れるのを待つ」
・とにかく自分の作ったものが受ける、これが面白かった。
それと、なんとか会社に貢献しようとして無我夢中だったんです。
・「君が言った電卓サイズのゲームを作るんだったら、
液晶はシャープが得意だから呼んだんだ」
・「ほんのちょっとの実用性」
・「部内に一歩入れば部長も課長も平社員もみな同じ」

こんなんされたら、がんばっちゃいますよね。
そのまんま経営語録です。

”横井軍平のらくがき”は、門外不出のアイデアの原材料を
見させてもらった気がしました。

横井軍平さんに合掌。そして、ありがとうございました。    

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投稿者 fortymono1 日時
横井氏の働く姿勢に
自分を採ってくれた任天堂という会社への感謝と
その会社に報いたい、
もしくは失敗を取り返したいというシンプルな気持ちが
根底に流れているということを感じた。

だから、その想いが
ヒット作品という「形」になって表れたのだろうし
多くの人が横井軍平という人間についていったのではないだろうか。


私の営業マンとしての経験だが
会社の経費で海外出張に出るときは
経費で掛かった10倍の売り上げをという気持ちで
働いている。

しかしながら、
これがうまくいかなかったということもある。


出張時にとってきた
注文が没になったことがある。


飯を食えなくなった。
食べ物の味がしないし、
食べたいとも感じなかった。


頭の中では、常に

「どうやってこれを取り返そう。」

「次はどうやってうまくいくようにしよう。」


自分を取ってくれた会社に
期待して出張に出してくれた会社へ
どうやってに貢献しよう。


その想いがあるからこそ
仕事に張り合いが出てくるし
悔しさをばねにすることもある。


だからこそ
うまくいったときには
うれしいし、達成感があるのである。


ただ、横井氏と私の決定的な違いは、
会社にとって、お客様にとって
良いものになれば
誰が何をやった、ということは
全く関係がないのだという点である。


私にはまだ
「これは自分がやったんだ」と
口には出さずとも
心の中で思っているところは多い。


それは、読みながら
とても恥ずかしく感じた点であった。    

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投稿者 tadanobuueno 日時
「ゲームの父・横井軍平伝」を読んで

世の中にはお金が落ちている、ただそれを拾うだけ。
取引先の社長さんがよく言う言葉です。
日本で、付加価値がそれ程高くない製品をつくり、利益を上げている中小企業の方です。
利益を稼ぐことはそれ程難しくないという意味で、アイデアを持っている人には世の中はそう見えるんだ、と感じていた。
この本を読んでその社長さんの言葉を思い出した。

物事を成し遂げるために必要なこととして、以下3つの点を感じた。
1.自分と向き合い、自分の考えの軸、自分の価値観をちゃんともつ
2.日々の自己研鑽
3.誠実・謙虚であれ

1.楽しんで仕事ができる、限られた予算の中から外せない機能にしぼりこむ、安易な道(技術競争・価格競争)に走らない。周りに流されることなく自分を貫くことが出来るのは自分と向き合って、自分の軸を確立してきたからなんだと感じている。
ものづくりの世界では日本で利益が出せない、付加価値の低いものは海外で創らないと利益がでない、そんなトレンド(安易な道)に背を向け国内でもしっかり利益を稼いでいるその社長さんとの共通点を感じた。

2.アイデアを思い付きを考えなしにいうのはアイデアに富んだ人間ではない。999のだめなアイデアをいかに早く没にして残りの1に到達するか、それがアイデアを出せる人間。
日々の意識なしにはとてもできないことだし、アイデアの実現可否を考えるためには莫大な量の情報を吸収していかなければ取捨選択はできない。横井さんのコメントにも「勉強をした」と多少できくくるが、日々様々なことを学んできた、様々な環境で諦めずに状況を打開してきた結果が多くのヒットにつながった要因なんだと思う。

3.どうして成功ができたのか、どうして情報が入ってくるのか、どうして周りが助けてくれるのか?実績・地位がこれらをひきつけた面もあるが、横井さんのコメントを見ていてもにじみ出る誠実さが人をひきつけ、実績につながったと思う。
カラー・写実的なものよりもモノクロ・抽象的なものの方が人の想像力をかきたてる。横井さんの仕事にはUserが考える余地、発展させる余地(従来と違う遊び方が出来るなど)がある。これは自分の考えが全てではない、それ以上のものをUserが考え出してくれる、という横井さんの謙虚な姿勢を感じた。
この世の中に本当の意味で1人でできる仕事などない。人とのかかわりなしに生きていけない以上、誠実・謙虚であることは必須であることを改めて感じた。

まとまりのない文章で申し訳ありません。
自分の中にある様々なことが書いていく中でつながっていく、まとまっていく「方向にある」ことを感じました。
本当は今年の目標にこの感想を必須としていれていたのですが、、、今月よりスタートとなりました。
次月以降継続頑張ります。

以上    

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投稿者 TBJ 日時
ゲームの父 横井軍平伝を読んで

私は現在、京都の企業に勤めています。
そして、私が小学5年生のころにファミコンが発売され、夢中になった一人です。
任天堂さんとは会社的にも多少のつながりはありますが、横井軍平氏のことは
この本を読んで初めて知りました。
横井軍平氏がすばらしいビジネスマンであり、アイデアマンであり、任天堂の
基礎を築いた人であるかは本書を読んで十分に理解できました。
「枯れた技術の水平展開」は、最新技術で勝負している物作りマンには認めたく
ない世界なのかもしれませんが、それを実際に実現している横井氏は本当にすば
らしい人だと感じました。

私がこの本を読んで学んだことは、使命、信念を貫き通すことの大切さです。
任天堂という企業だけを見ても、花札・トランプなどのカードゲームから、
横井氏のウルトラシリーズ、光線銃、アーケードゲーム、ファミコン、ゲーム
ボーイなど、様々な玩具やゲームを世の中に排出しています。
ファミコン以降の任天堂がグラフィックやCPUの処理能力に注目したことに
対し、横井氏は入社から一貫して「子供の遊びのあり方」「人と人との遊びの
楽しみ方」というものを具現化すること、それを玩具を通じて実現することを
使命としていたことが全てだと思います。
信念、使命を曲げないこと、それを突き詰めることが起こす奇跡=現実が見え
た気がします。
そして、横井氏の使命と信念、才能を疑わなかった山内社長の姿が、今の会社
、これからの自分をイメージさせてくれたと感じています。

自分の信念・使命は何か?
その答えが仕事や人生を通じて探すべき答えだと感じさせてくれた一冊でした。    

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投稿者 yamag 日時
「 ゲームの父・横井軍平伝 任天堂のDNAを創造した男」を読んで。

読了後の所感として、この本、とても好きです。

読んでる最中も、とてもワクワクしました。
横井さんの考え方、生き方、そして、それを伝える著者のまなざしがとても心地よかったです。
なるほどと唸ったり、発想に楽しませたいただいたり、これは使えるというアイデアに
心躍らせたり、なんて楽しいのでしょうか。

読書における楽しみとは、まさにこういうものなんだなと実感させていただきました。
しょーおん先生、ありがとうございます。

この本を読んでいて一番感じたことは、
仕事における大切なことを、この人は知っているということです。

それは、楽しみ仕事をすること。

これを知る者はこれを好む者に如かず。
これを好む者はこれを楽しむ者に如かず。
という言葉に代表されるような、モチベーションの維持。

そして、楽しんでいるからこそ見えてくる、仕事の完成系、目的。
氏は、子供の遊びは、有史以来変わらないといい、そこを見つめていたと思います。

だからこその”枯れた技術の水平思考”
無用に争うのでなく、ほんとに大切なところに力を注ぎ、多くの人に楽しんでもらう。

その根底にあるのは、虚栄心や名誉ではなく、
ガキ大将のように自慢したいという”自己完結”と”価値観の追求”

下町の工場の親父さんが、NASAのロケット部品をつくりだすまでにも通じる極める心。

素敵だと思いました。

大事なことを見つめ、自分もこのように仕事ができるように鍛えていきたいと思いました。    

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投稿者 19750311 日時
この本が家に届き、まず巻頭の横井さんが関わられた商品の紹介がとてもなつかしく、
横井さんのおっしゃる本当のゲームを心の底からわくわくしながら、友達と遊んだ事を思い出し幸せな気持ちになりました。

四半世紀程たった今でも、あの頃の新鮮な気持ちを鮮明に想起して楽しめるのも、横井さんのゲームの世界観の中だから
実現出来る事なのではないかと思います。

私は、まさに任天堂さんが世界企業になっていくのと同じ時期に、小学校低学年で花札で半年程遊び、そしてゲーム&ウオッチ、
ファミコン、ゲームボーイと中学生まで夢中に遊ばせて頂きました。大人になって山内さん、宮本さんの行われた事を
知る機会ましたが、横井さんの存在すら知りませんでしたので自分の思い出と共に楽しく読ませて頂きました。

本書の中で私が強く感銘を受けた言葉は、「アイデアでの勝負をする事は、実に他愛のないこと」「最先端の技術が枯れるのを待つ」
そして「水平思考」によって、ほんのちょっとの実用性を持たして新たな商品として送り出すと言う事です。
現代のマーケティングや商品開発には、色々と理論だてられている事も多いと思いますが、対象は人間なのですから
本質としてはこういう事なのではないかなと感じます。

私は現在経理関連の仕事でルーティーンワークが多い部署ですが、今行われている業務が当たり前ではなく
何か新しい発見はないのか、などと想像力を働かせながら目配り心配りをする事で、新たな発見を試みたいと思います。
ただの通勤にしても無意識に惰性で時間を過ごすのではなく、何か感じるものはないかという視点で歩いてみると、
先日5年以上通った道で新たな発見がありました。

また、成功された横井さんとして観察させて頂くと、常に謙虚で、チームメンバーに気を配り、そして何より仕事を
土日関係なく楽しんでいらっしゃった事が印象に残ります。そういう方の元には、有能な方が集まり切磋琢磨し
また大変な逆境に遭遇する事もありますが、それを超えようという信念で流れを持って来るパワーも大切だと感じました。

私も今日から、横井さんのゲームでわくわく楽しませて頂いた様に仕事を楽しみながら、
これからの人生で何を行って、また行わない事は何なのかまで少し考えて見ようと思います。

12、1月と違ったタイプの課題図書のご紹介ありがとうございました。    

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