田舎暮らしの手引き その7

現地に行かなきゃ分からない

2ヶ月くらい時間を掛けて、雑誌や書籍で情報を集め、それを脳内で組み立てて、こんな田舎暮らしが出来そうだな、というイメージを作りました。ここから先は体当たりで現地の人にリアルな話を聞かなきゃダメだろうと考えました。

そこで再度雑誌を見ていたら、中国地方の物件を毎回たくさん掲載している不動産屋が目に止まったんです。それが「自然と暮らす」という会社で、ここが扱っている物件からそれなりにめぼしいモノを2つか3つピックアップしてコンタクトをしました。他にも何カ所かコンタクトをしたんですが、この会社以外は反応が鈍かったり、こちらの問いとあちらの答えがズレていて会話にならなかったりで、田舎と都会の違いをすでに感じました。

都会で暮らしている人には常識なんですが、メールやウェブで問い合わせをしたら当日に欲しい答えが返ってくると思うじゃないですか。田舎の会社にはそんな常識は通用しません。ヒドいところは連絡が来たのが一月後ですから。早いところで3日。しかもこちらは、「この物件に書かれている畑は家からどれくらいの距離ですか?」と訊いているのに、返ってきた答えが、「大丈夫です、すぐ近所です。山も付いています」だったりするとガクッとなるわけです。「携帯電話の電波は問題ないですか?」と訊いたら、「私のヤツは通じます」って返って来て、じゃそれはどこのキャリアなんだよ!と一人でツッコミましたから。しかもその返信が1週間後だったら、こりゃ付き合えないよなぁと思いますよね。その中で前述した会社だけはストレスなく意思疎通が出来たので助かりました。

また、ちょうどその時期に、友人から小豆島で有機農業をやりながら、民宿を経営している方を紹介してもらったので、そこに遊びに行ってみることにしていたので、そのタイミングと合わせてもらいました。

こうやって実際に動く計画を立てるのって大事です。頭の中で妄想するだけでは現実が反響してくれません。自分で考えたこと、イメージしたことに対して現実がどういうボールを投げ返してくれるのか(これが反響です)は、行動しないと分からないんですね。確かトータルで4泊する予定で現地に行ったんですが、これは良い勉強になりました。

小豆島の民宿では、農業以外に何か生活の糧を持っていないと厳しいこと、温暖だと思われていた瀬戸内も冬はそれなりに寒いことが分かりました。また小豆島を車で移動してみて、このサイズの島に永住するのは色んな意味で大変だということも感じられました。私の場合には仕事柄、定期的に東京や大阪に行かなきゃならないんですが、島には飛行場が無いんですね。となると、フェリーで本州まで出なきゃならないわけです。ところが台風などで海が荒れると、これが結構呆気なく欠航になるみたいなんですよ。

また、田舎というのはどこでもそこそこ閉鎖的なものですが、島となるとその閉鎖性がさらに強くなってしまうことにも気付きました。逃げ場の無い島で、ブルーな気分で生活するために移住するわけじゃありませんから、この体験で島暮らしは無いなと理解出来ました。

そして本州に帰って来てから、アポを取っていた前述の不動産屋に岡山県内の物件をいくつか紹介してもらったんですが、物件の程度と価格は完全に比例関係にあることが分かりました。やっぱりすぐに住めるような物件って、安くないんですよ。安いところって水回りを直したり、屋根を修理したりしなきゃいけなかったりで、要するに先におカネを払うか、後で買ってからおカネを使うかの違いに過ぎないんです。

内覧した物件はどれも帯に短したすきに長しという印象で、ここまで来たのに結局この程度の収穫なのかと、ちょっとガッカリしたのを憶えています。そして翌日は自分たちで車で走りながら風景や街並みを見て、その土地の空気感を掴むことにしたんです。これが私たち的には奇跡の出逢いに繋がるわけですけど。

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田舎暮らしの手引き その6

移住先を決めるには、移住後のライフスタイルを考えるべき

田舎暮らしが上手く行くか、楽しいものになるかの8割は自分にフィットした移住先に行けたかで決まるんだと思います。いくら条件が良くても(条件というのは駅からの距離や、インフラの整備具合や、補助金のアリナシなど)、それよりも重たい条件がズレていたら途中で挫折してしまうと思いますよ。

ところが移住って、それを決断し実行しようとしたら都会での生活を抛つ、全て精算するというケースが大半ですから、途中で失敗したから振り出しに戻るというわけにはいかないんですね。これが田舎暮らしをやる際の大きなハードルになるんだと思います。失敗が許されない、それなのに踏ん切らなきゃならない時に必要なのは充分な情報です。いつの時代も知識は力なりで、必要且つ充分な情報があれば、この問題はそれなりに解決するのです。

ではあなたにとってどのような情報が必要なのでしょうか?これは実は問いの順序が間違っています。まずあなたが決めるべきは、田舎でどのようなライフスタイルを送りたいのかなのです。それが明確になってから、そんなライフスタイルを実現するために必要な情報は何かを考えるのです。

私の場合には、「雪下ろしはやりたくない」、「自家消費用に畑と田んぼをやりたい」、「主要交通機関まで1時間以内に着きたい」、「コンビニが徒歩圏内にある必要はないが、寂れすぎているのはイヤ」、「出来れば風景が田舎らしいところ」、「近所や部落の人が排他的でなく、といって近づきすぎない感じ」という希望を持っていました。この中で最後の条件だけは、情報として入手するのは難しいかなと思っていましたが、残りは全て調査可能だろうと思ったんです。

こういう条件でエリアを絞ったんですが、今なら千葉のいすみ市とか、神奈川県なら逗子、三浦あたりも考えたんでしょうけど、私が移住を考え始めたのはあの震災の直後ですから、どうしても関東エリアは除外ってことになったんですよね。そして寒すぎないところと言ったら、中部から西の太平洋、瀬戸内沿いが目に付くじゃないですか。初めはこの程度のザクッとした感じで、候補地を決めて良いと思います。どうせ見に行くまで決めることは無いんですから。

ちなみに当たり前ですが、実際に自分で足を運ばなきゃ本当のところは分かりませんよ。東京からだと時間もおカネも非常に掛かるんですが、これをケチってエイヤで手を打つと後で後悔することになると思います。

私が候補にしたのは、兵庫の西側から岡山、広島の真ん中あたりまでの中国地方と、その対岸にある香川、愛媛。もうひとつは浜松から西の渥美湾を囲むあたりと、最後は紀伊半島の和歌山県側の3つでした。結論を言えば、最初の中国地方を見に行った時にこのあたりだなとピンと来たので、実見という意味では渥美湾も紀伊半島も行っていません。

情報収集は、先日書いた

この雑誌のバックナンバーを1年分図書館で借りて、全部読み込みました。さらに書店、ブックオフを駆使して実際に都会から田舎に移住している人の体験記を10冊くらい読みました。自分の望むライフスタイルが明確になっているのなら、これらの情報プラス今ならネットの情報で外枠はほとんど固まるはずです。

ここから先は体験を通して、身体で集める情報が必要になり

そうしたら各地域の物件情報が毎号載っていて、そこに中国地方の田舎物件を専門に仲介している不動産屋が多くの物件を出していたんです。それが「自然と暮らす」という会社で、ここが扱っている物件からそれなりにめぼしいモノを2つか3つピックアップしてコンタクトをしました。ちょうどその時期に、友人から小豆島で有機農業をやりながら、民宿を経営している方を紹介してもらったので、そこに遊びに行ってみることにしていたので、そのタイミングと合わせてもらいました。

こうやって実際に動く計画を立てるのって大事です。頭の中で妄想するだけでは現実が反響してくれません。自分で考えたこと、イメージしたことに対して現実がどういうボールを投げ返してくれるのか(これが反響です)は、行動しないと分からないんですね。確かトータルで4泊する予定で現地に行ったんですが、これは良い勉強になりました。

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田舎暮らしの手引き その5

その農作物って誰に売るつもり?

前回、田舎暮らしの生計を農業に頼ろうとするのはムリがあるよという話を書きました。そもそもそんなに簡単に農業でメシが食えるのなら、みんな農家を目指すはずですし、離農なんて起こらないはずですし、後継者がバンバン生まれるはずなんですから。

それとは真逆なことが起こっているというのなら、それは農業ではメシが食えないことの証左なんじゃないかと思います。移住後に仲良くなったご近所の農家の人(全員が70代ですが)だって、「売れるもんなら田畑を売りたい」とか、「農業はホンマカネにならん」ってボヤいていますから。

ここには様々な問題が横たわっていて、一筋縄で解決出来るような話じゃないんです。そのあたりについて知りたい人は、この本をオススメします。

農業の持つ根本的な闇については措いておいて、実際に最大のハードルになるのが、誰にどうやって売るのかなんですね。ビジネスって売り上げが無ければ、話は始まりませんから。そして売るということは買ってくれる人がいるということなんです。これをどうやって見つけるのかが、農をビジネスにする場合の最大の問題なんです。

みなさんこれを持たないから、安く叩かれることが分かっていてもJA(農協)に卸さざるを得ないんです。逆に言えば、自分で販路を切り開ければ、ちょっとは可能性が出て来るということでもあるんです。

こう書くと多くの人は、「無農薬、有機栽培って書けば買いたい人はたくさんいるはず」と考えるんですが、今日びちょっと大きなスーパーに行けば無農薬の有機栽培なんて珍しくもありません。おまけにそれらの野菜はプロが見栄えや形までちゃんとしたものを作っているんです。

これは自分で作ってみればすぐに分かるんですが、形を揃えるのって手間が掛かるんです。曲がらないキュウリをどうやって栽培するのか未だに分かりませんもん。おまけに味には全く影響がないんですから、頑張って真っ直ぐにしようというモチベーションが高まりませんしね。

さらに収穫時期や収穫量を予想することが難しいんです。なんたって天候次第ってところがありますから、ちょっと雨が続いたり、逆に乾燥したりしただけで予定は大きく狂います。ところが消費者はそれじゃ納得してくれないんです。やっと買い手が見つかったと思ったら、欲しい品種と数量がマッチしなくて、発注してもらえないとなったら悲しいですよね。というか、これに応えられるようにするには、相当な規模でやらなきゃムリですから。

ところが規模を拡大させるとついて回るのが機械化のコストや人件費なんですね。農業って労働集約的ビジネスですから、規模の拡大以外に生産性を高めることが出来ないんです。ところが規模を拡大させると、機械化や、化学肥料、農薬を使わざるを得なくなって、それってただの慣行農法ですから差別化が難しくなるという隘路に陥るわけです。

この問題をクリアしても最後はロジスティックの問題が残ります。作ったものを消費者のところに運ばなければならないんですが、このコストがバカにならないんです。我が家でも採れすぎたトマトとかカボチャを都会に住む友人に送ってあげたくても、送料が1,000円とか言われたら「なら買った方が安いだろ」って話になるんですよね。宅配便も相当の量をコミットすれば値段を単価を下げてくれるんですが、個人経営に毛が生えた程度では全く相手にしてもらえません。

ということで農業をビジネスにする際の問題点をまとめると「顧客開拓」、「安定供給の方策」、「規模の拡大」、「配送費の問題」がネックになるということです。

 

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田舎暮らしの手引き その4

田舎暮らしで農業はムリだと悟れ

いきなり厳しい話ですが、田舎暮らしに憧れる人ってみなさん口を揃えて、

 

■ 無農薬の米や野菜を作って売ろうと思うんです

 

って言うんですよ。もうね、どこまで現実を知らないだって話です。

ハッキリ言いますけど、この設計図はほとんど形になりませんから。これでメシが食えるんなら、何年もプロの農家をやっている人がみなさんやりますって。田舎の農民だってバカじゃないんですから。そっちの方がラクで儲かるならとっくに手を出しているに決まってるでしょ。それをやっていないということは、その設計図を形にするのがとてつもなく難しいか、全然ペイしないかのどちらかなんです。

田んぼでも畑でも一度無農薬でやってみたら分かるんですが、農薬を使わないと夏の間は毎日が草刈りで終わってしまいます。私が借りている田んぼなんてたったの3畝しかないんです。(1畝は1/10反ね)こんな面積だと自家消費分のお米が出来るだけなんですが、それでも無農薬でやると、ひと夏でトータル20時間/人の労力が草取りに必要です。たったの20時間って思いますか?真夏の炎天下、1時間草取りをしたら汗が目に沁みるくらい出て来て、倒れそうになりますから。どんなに頑張っても2時間は連続で出来ません。その2時間を10回もやらなきゃならないんです。

お米を売っておカネを作ろうとしたら、最低でも3反から5反はやらなきゃならないんですが、3反って3畝の10倍ですから。つまり200時間/人の労力が掛かるんですよ。エアコンが効いた室内での労働なら法定時間プラス40時間の残業もわけないでしょうが、炎天下で2時間が限界という環境で200時間の労働をこなすのは大変だと思いますよ。

おまけに無農薬で作ったからといって値段が2倍になるわけじゃないんです。というか言いにくい話なんですけど、無農薬だからといってお米が美味しくなるわけじゃないんです。素人の人は食べ比べても違いは分からないと思います。

お米の味の違いって、農薬を使ったかどうかじゃなくて、収穫後に天日で干したかどうかで決まるみたいです。我が家のお米は天日干しをしているのですが、こうすると玄米で食べてもしっとりとした水分が残ったお米になります。都会では健康のために玄米を食べる人がいるんですけど、彼らがオーガニックのお店で食べる玄米って、コロコロと丸くて、パサついていて、噛むと唾液が全部吸われちゃう感じで、非常に食べにくい上に全然美味しく無いんですけど、天日で干した玄米はそういうことは全くありませんから。

じゃ天日に干すか、となったら必然的に稲刈りは手刈りになりますよ。バインダーという稲刈り専用の機械を使えばラクできますけど、新品で30万円くらいします。

http://www.jnouki.kubota.co.jp/product/combine/binderRJ/

 

手刈りを選んだ場合、3畝でオトナ5人で5時間、さらにこれを稲架に掛けるのに1時間が必要です。我が家の場合には毎年全国の塾生にお手伝いに来ていただいているんですが、人手がなければ1週間くらい掛かるかも知れません。3反とか5反となったら、倍の人数がいても3日ほど掛かることになりますね。これをやるとお米には88回以上の手間が掛かっていることが実感出来るでしょう。

そして話はここで終わりません。約ひと月天日で干したら、次は脱穀しなきゃならないんですから。残念ながら、ここからの機械化は出来ません。コンバインというのは稲刈りと脱穀を同時にやる機械で、脱穀だけやるわけにはいかないみたいなんですよ。となると、我が家のように足踏み脱穀機と、唐箕掛けをやらなきゃなりません。そのあたりはこのブログに説明があります。

 

脱穀、籾選(唐箕掛け)

 

3畝の田んぼからはだいたい100キロから120キロくらいのお米(というか籾)が採れるんですけど、これを脱穀するにはオトナ5人でやっぱり5時間、さらに唐箕掛けで2時間くらいが必要です。3反とか5反の場合がどうなるかは計算して下さいね。

つまり、無農薬で本当に美味しいお米を作ろうとしたら、田植え以外の機械化は出来ないということです。で、そうやって作ったお米が機械化で作ったお米の3倍の値段で売れるわけではないんですね。ちなみに、農家がJAに卸すお米の価格って知ってますか?品種にもよりますけど、10キロ2000円とかですから。先ほど私のところの田んぼから100キロ程度のお米が収穫出来ると書いたんですが、これを売ったら2万円になるんですね。20時間の草取りと(書いてませんけど、田植えは5人で2時間程度です)、稲刈り、脱穀、唐箕掛けで10数時間を掛けて20000円ですから。ここから苗のおカネとか、肥料やら、水利費とかが掛かるんですよ。

私がサラリーマン時代に、お客さんに請求する時間あたりの単価が1時間15000円程度でしたから、効率を考えたら全くペイしない話ですよね。

農薬を使って、機械でやって、肥料も化成肥料をたっぷりやる慣行農法では1反あたりの収量が8俵(480キロ)くらいになるそうです。それでも反当たりの売り上げ(利益じゃないですよ)が10万円ですよ。5反やって50万って、2倍の価格で売ったって儲かる商売じゃないのが分かりますよね。

こう考えると農家の方は良く300万円とかするトラクターやコンバインを買えるものだと思います。

さらにいえば、作ったお米を誰にどうやって売るんだ?という問題が残っているんですよ。末端の消費者に直接売る販路があるんなら、良いお米なら10キロ5000円以上で売れますよ。でもそんなお客さんをどうやって見つけて来るのか?という問題は残るんですよね。

 

農業でメシを食いたいと考えている人は、これらの問題をクリア出来るソリューションを持っていないといけないのだということに気付いて下さいね。

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田舎暮らしの手引き その3

生活インフラは確認すべし

田舎って基本的に過疎化が進んでいるんです。私の住んでいる町でも平成22年から27年の5年間で7.8%の減少となっています。

町というのはある一定規模の人が住んでいないと成立しないんですね。なんたって人間が暮らしていくには様々な物資が必要でそれらを供給する人たちがいなくなったら、途端に生活が破綻するわけですから。特にライフラインと言われるインフラは確認が必要です。

インフラというと、電気、ガス、上下水道を真っ先にイメージするものですが、これは現在人が住んでいるというのなら、基本的に問題は無いはずなんです。もちろん下水が浄化槽という地域もあるかもしれませんが。問題はそこじゃありません。

現代に於けるライフラインとして確認しなきゃならないのは、「携帯電話の電波状況」と「インターネット環境」です。この二つがお寒いところへの移住は相当な覚悟が必要になると思いますよ。携帯電話は3社あって、その全てが繋がりにくいという地域は余程の田舎で、これは仙人のような生活を覚悟する必要があります。たいていはどこか1社は問題なく繋がるものです。

問題はインターネット環境なんです。私も移住先を探している時に、中国地方の様々な場所を見て回ったんです。で、とある場所で家が二軒に田畑が4反、さらに自宅の裏山1反分がセットになって、おまけに家はリフォームして渡すという条件で1500万という物件に出逢ったんです。内覧させてもらったら家もキレイでそれほど傷んでいない。そして田畑は家の目の前で、一部は猪除けの柵まであったんですね。家人とここはなかなか良いよねと盛り上がったわけです。

そして不動産屋に案内してもらった翌日、自分たちでもう一度現地を訪ねたんです。そしてお隣に住んでいる人が庭に出ていたので挨拶をして、このあたりの情報を聞き出したらなんとビックリ。ここはインターネットはダイヤルアップとADSLしかないって話なんです。でもADSLって下りで20MBとか出るから問題ないかと思ったら、そのお隣さんが実は町会議員の人で、「ここから基地局まで何キロあると思ってるんだい?ここに来る頃はダイヤルアップよりも速度が遅くなってるよ」とのことで、ゲゲッとなったわけです。

私の商売でネットが遅いというのは致命的なので、その物件はもちろん外れたわけですが、こんなのが移住後に分かったら泣くに泣けませんから。

 

そして次に確認すべきは、郵便局、病院、コンビニ、商店、ガソリンスタンドといった生活に直結するお店です。もちろん子供がいれば学校までの距離や、駅までの距離、電車や汽車が来る間隔なども調べておくべきです。

我が家から一番近いコンビニまで5キロ、車で5分以上掛かるんですがこれがもっと近かったら便利なのになと思います。ちなみに我が家から郵便局までは簡易郵便局が徒歩圏内、支局までが車で10分、病院は複数あってどちらも車で10分程度、ガソリンスタンドも同じく10分程度、スーパーまでが5分強という感じです。これ以上遠いとストレスになると思いますよ。車で5分のスーパーは品揃えがイマイチなので、毎週一回は車で25分掛けて大型スーパーに行ってます。

こういうのはみんなグーグルマップで調べられますから。そして大体の距離を掴んだら、そこに行くまでの時間をイメージしてどんなライフスタイルになるのかを妄想したら良いんです。

ちなみに、これは全国レベルの話なのか分からないんですけど、こういうスーパーが近所にない、そして老齢になって車の運転も出来ないという人をマーケットとして捉えたのが生協でして、彼らは毎週小型のトラックで家の側まで配達するという商売をやっています。これならアマゾンが使えないジジババも安心です。おまけにこの生協の品揃えが素晴らしくて、食料品、生活雑貨、衣類に農機具、花や苗、さらにはお中元やお歳暮の品までと、ちょっとしたスーパーどころか、デパート並みでしてこのカタログが毎週更新されるんですよね。

これを共産党の息が掛かっている組織が運営しているというのが面白いと思うんですけど、このトラックが立ち寄ってくれるエリアなら、リアル店舗がなくても生活は出来ると思います。このブログを読んでいるような人は、これにアマゾンを加えたらなんとかなると思います。ただし、翌日配送はムリだと思って下さい。

 

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田舎暮らしの手引き その2

田舎暮らしをちゃんとイメージしてみよう

田舎暮らしをしたいという都会の人って、話を聞くと妄想がスゴくて現実に起こる田舎暮らしとのギャップが大きいんです。自分の脳内で、こうなったら良いなという想いがあって、それがそのまま現実になると考えてしまうんでしょうね。

これを放置したまま田舎に来ると、厳しい現実とのギャップに耐えられず、1年ほどでギブアップとなるんです。私もこちらに移住後、ギブアップした人に出逢いましたもん。そうならないようにするためには、やっぱり情報をたくさんインプットするのが良いんです。

今では、

こんな雑誌もあるので、まずは図書館でバックナンバーを1年分ガサッと借りて、全部のページを精読するんです。特集記事だけとか、広告は飛ばすとか、そういう読み方じゃダメですよ。この手の雑誌には田舎暮らしの全てが詰め込まれているんですから、その全体像をインストールするつもりで、端から端まで読むんです。

そうしたら初めは、「獣害って何?」と思っていたのが、それが猪や鹿が田畑を荒らすことによる被害だということを知り、それが日本のどのあたりに多いのか、対策はどうなっているのかなんて感じで、徐々にリアルな田舎の風景が作れるようになるんです。

この手の雑誌には田舎暮らしの大変な面(それはたくさんあるんです)がどういうものなのかなども説明されていますから、自分に置き換えてどうするかを考えておく必要があります。田舎暮らしってトータルでは楽しくて健康的で経済的なんですけど、全部が全部良い事ばかりじゃありません。都会育ちの人には、ゲゲッ?それってマヂですか?と仰け反るような習慣や決まり事が存在しますから。そういうものを可能な限り情報として入手して、自分なりの対応策をシミュレーションしておくんです。当然、家族とも情報を共有しておかないと、あとでメチャメチャ揉めることになりますからね。

私の場合も、移住して来て部落の定期的な労働奉仕(川沿いや神社の掃除など)があって、さぼると罰金を取られることや、電車というか汽車が1時間に1本も無いということを知って驚きましたから。

こういう雑誌の情報で、移住前にはほとんど役に立たないのが農作物の栽培に関する情報です。これは実際に住んでみて、やってみて初めて理解出来るというか、体験を通して学ぶものなので移住前には参考情報以上の価値はありません。でもバックナンバーを取っておくと、移住後に役に立つかもしれません。

反対に役に立つのは実際に移住をした経験者の話です。もちろんそのまま同じケースを体験する事は無いんですけど、「そんな苦労が」、「そんな面倒な事が」という知識を持っていると対応力に幅が生まれますから。

そしてこの手の雑誌には、田舎に物件情報もたくさん掲載されています。これは価格は参考になりません。都会の人からみたら、敷地と田畑と住める家まで付いていて1000万は爆安だな~、と感じるかも知れませんが、地元ではだいたいその半額が相場だったりしますから。私もこちらに移住後、隣の部落に都会からの移住者が来るというニュースを聞いて、それが田畑が3反に、住むにはちょっと手を加えなきゃいけない家とその敷地が付いて全部で500万で買ったらしいと聞いて、「ウソ!スゴい!」って叫んだんです。同時に地元の人も「ウソじゃろ!」って叫んだんですが、私の叫びは「安い!」という意味だったんですが、地元の人の叫びは「ずいぶん吹っ掛けたな!」という叫びだったんですね。

都会の人は土地とか家に幻想というか、催眠というか、とにかく高いものだという思い込みがあるので、どうしてもその基準で高い安いを判断するんですが、その物差しは田舎では全く役に立ちませんから。

こういう物件情報を見て、なんとなくめぼしい物件を見つけたら、是非グーグルマップでそのあたりの住所を検索してください。グーグルアースでは風景まで出て来ますから。そして生活に必要なインフラがどうなっているのかを確認するんです。

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田舎暮らしの手引き その1

田舎暮らしも6年目に突入するとそれなりに知見が増えて来ます。最近では田舎暮らしを始めるにあたって、どういうところに注意したら良いかを訊かれることが増えたので、そのあたりをまとめてみようと思います。

田舎に移住するのと、地方都市に引っ越すのは別の話

東京や大阪に住んでいると都会以外は全部田舎という大きな括りで考えてしまうんですが、ロケーションというのは常にユニークなもので、同じ町でも集落や部落が異なれば住み方は全く違うものになるんです。

私が現在住んでいる町にも昔で言う大字(おおあざ)がいくつもあって、それによって生活の仕方が全然違うんです。例えば私の住んでいる集落には猪がほとんど出ませんが、車で5分走ったお隣の集落ではウリ坊(猪の子供ね)が5匹玄関前に屯していたりするわけですよ。そうなると農作物を作るのだって、猪除けのフェンスが必要になったり、猪が好む作物は作らないようにするとかの対策が必要になりますよね。

気候とかもちょっとロケーションがずれるだけで大きく変わります。私の住んでいるところはすぐ横に川があって、東側が山の麓になっているせいか秋から冬にかけて朝は非常に濃い霧が出ます。お隣の家が見えなくなるくらいですから、非常に幻想的ではあるのですが不便でもあります。冬は8時半くらいにならないと太陽が顔を出しませんからね。こんなのは住んでみて初めて分かったんです。

同じ町でもこれくらいの違いがあるんですから、市町村や県が変わったらライフスタイルは全く別物になると考えた方が良いでしょう。ハッキリ言うと田舎暮らしが上手く行くかどうかは、どこに住むかで8割方決まってしまうくらい重要なんです。

そんなロケーションを選ぶ際に、都会の人がやりがちなのが、田舎と地方都市の混同です。都会以外はみんな田舎でしょ、と考えてしまう人が多いんですが、田舎と地方都市は全く違いますから。田舎というのは田んぼや畑、山に川に湖や海が視野の大部分を占めるエリアで、写真にしたらこんな感じです。

それに対して地方都市というのは、畑や田んぼがほとんど無いんです。確かに東京よりも密度は少ないし、道路も混んでいないけど、でも基本的に人工物しか目に入らないというエリアのことです。こういうところに住むのは田舎暮らしではなく、移住でもありません。こういうのは地方都市へのお引っ越しですから。

これはこれでアリですよ。なんたって住居費が都会に比べて半額とか、場所によってはそれ以下になったり、生活費もグッと安いのが当たり前ですから。でもそれはここで論じる田舎暮らしではありません。このような地方都市から車で30分程度走ると目にする風景を田舎と言っているんですから。

もう少し突っ込んで解説すると、我々が5年前に移住してすぐのことなんですが、駅前の繁華街(つまり地方都市のド真ん中のあたり)にある病院に行ったんですよ。そこで治療の合間に世間話になって、我々が横浜から移住して来たことを知った看護婦さんが、「じゃ、駅前のタワーマンションとかにお住まいなんですよね?」と訊いて来たんです。どんな誤解だ?と思いつつ住んでいる町名を伝えたら、「え?あんな田舎に!」って驚いたんですが、それが田舎です。地方都市に住んでいる人からみても田舎だなと思われるところに住むのが田舎暮らしなんです。

将来、田舎に移住したいと考える人の多くは、イメージの中で田んぼや畑をやっている自分を考えるわけですが、それは地方都市へのお引っ越しでは出来ませんから。だってそこはスケールの小さな都会があるだけで、田んぼも畑も存在しないんですから。

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スッポンが棲息してるって?そりゃ食べなきゃ。

ちょうど一月前のこと。ご近所さんと世間話をしていたら、ふと近くの川(岡山三川のひとつである一級河川)に野生のスッポンが棲息しているって話になったんです。この川は鮎もそこそこ(昔は手づかみで獲れるくらいだったそうですが)釣れるのですが、スッポンがいるんなら、鮎どころの話じゃないですよね、と話を振るもほとんど反応なし。みなさん子供の頃から食べ飽きているから、今さらスッポンって言われても反応しないのかなと思ったんです。

ところが話を聞いてみたらその場にいた全員が、その川で獲れるスッポンを食べたことがないということが分かり、引っ繰り返りそうになるくらい驚きました。え?イヤだってスッポンですよ。日本料理の食材としてトラフグや松葉ガニに匹敵する美食の王様であるスッポンがすぐそこの川にいるってのに、それを獲って食べたことがないというのは都会育ちの私たち夫婦には理解が出来ませんでした。

ってことは、やっぱり捕まえるのが難しいんですかね?と訊くと所詮カメみたいなものですから、獲ろうと思えば簡単ですし、網とかに良く引っ掛かっているんですよとのこと。ならそれを食わんかい!もしかして毒を持っているというオチですかね?と訊いたらそうでもなく、捕まえたスッポンを売りに行く人もいるらしいという話もありました。つまりそれって、スッポン料理を食したことがなくてあの美味しさを知らないから、目の前にある宝物をスルーしているってことなんじゃないの?と思ったら案の定そうでした。

でも聞くところによると、夏場のスッポンは泥臭くて食べられないとか、泥抜きに時間が掛かるとか、捌く人がいないとか、ま、ビジネスと同じですが、やらない、出来ない理由は無限に即座に見つかるものなんですよね。昔の私なら尻込みしたんでしょうが、今の私はビジネススキルに関するメールマガジンを書いているわけで、そこでは何度となく「とにかく行動しないと何も始まらないんだよ」なんて話を書いているんですよ。そんな私がこの程度の困難、障害に怯んで諦めるわけにはいかんのですよ。ま、正直な話、天然物のスッポンの誘惑に勝てなかっただけなんですけどね。横に座っていた家人なんて、話を聞きながら目を輝かせ始め、脳内ではスッポン堪能中のイメージが立ち上がっているのがよく分かります。

こうなったら一度は食べてみなきゃならんってことで、次にどなたかがスッポンを捕まえたら分けて頂けるようお願いしたんですが、地元の人は半信半疑でホントに食べるの?という目をしています。そこからはスッポンってどうやって食べるのか、どんな味がするのか、東京ではこれが如何に高級料理として認知されているのかを滔々と説明し、これを食べない、試してみないのは勿体ない話なのだと熱弁を振るったわけです。

それから一週間後、家人の携帯にスッポンが捕れたという連絡が来ました。キター!スッポンじゃ!と喜んだんですが、あいにく翌日からは4泊の予定で出張が入っています。今回はムリかなと思っていたら、なんと帰って来るまで生け簀で預かってもらえるとのこと。さすが田舎。生け簀を持っている知り合いがサクッといるわけですね。

そして帰宅後、やって来ましたスッポン様が!しかもなんと2匹。ところでスッポンってどう数えるんでしょうか。匹、頭、どっちでもいけそうですが、調べてみたところカメは一匹ですがスッポンは一マル、二マルって数えるみたいです。ですから我が家に2マルのスッポン様が、我々の胃袋目指して怒濤のがぶり寄りでやって来たわけです。

さてこれをどこに置いておくか。まさかヒモを付けて放し飼いってわけにはいかず、やっぱりお水があるところが良いよね、でもバケツじゃ小さいし。ということで、プラスチックで出来た衣装ケース(積み重ねられるヤツ)を空けて、そこに水を入れてスッポンを投入。そしてフタをして重しを載せれば、一晩くらいどうにかなるんじゃないかと思ったわけです。

ところがこれがどうにもならんかったんです。翌朝、様子を見たら既に1マルのスッポン様が昇天遊ばしていまして、悲嘆に暮れたわけです。ネットで調べてみたら、死んでしまったスッポンは食べられないとのこと。こうなったら予定を変更して、もう1マルが元気なうちに捌いて食べるしかないという結論に至り、そこから慌ててネットでスッポンの捌き方を検索しました。そうしたら出て来る、出て来る、プロの料理人から素人まで、たくさんの動画が見つかりました。家人もヤル気全開、食べる気満々でスタンバってます。

まずは、死んでしまったスッポンで練習をしてみようということで、動画の通りにやってみます。その結果出来たのがこれ。

なかなかキレイに捌けました。でもこれは死んでるヤツでだから動かないわけですよ。ところがこれから捌かなきゃならないのは、ガサガサと動きまくっている活きの良いヤツで、おまけにガブッと噛まれたらシャレにならないことになる凶暴な生き物ですから。結論を言えばやりましたよ。やらなきゃ食べられないんですからやりますとも。その模様の一部は動画に撮ったんですが、あまりにもグロいので公開出来ません。生き物を絞めるというのは、スッポンに限らずブタだって、牛だって、鳥だって、魚だって同じなんですよね。自分がやらず、切り身になっているヤツを買うから罪悪感がないだけで、誰かがその仕事をやってくれているんです。豚肉を頬張りながら、「私には動物を殺すなんてムリ~」って言ってるヤツは偽善者ですよ。自分は殺さないけど、他の誰かが殺してくれた肉なら食べるのか?って話ですから。そうやって汚い仕事、やりたくない仕事を他の人に押しつけると、そのうちそういう仕事をしている人を見下すようになるんですよね。同和問題ってそれが起源ですから。つまり、自分は殺すのはイヤ、でも捌いてあるお肉は美味しいと言う人は、思想の根っこに差別的体質を持っているということだと思うんですよね。

動画では見せられないので、文章で説明すると、スッポンってまずは頸を落とさなきゃならないんです。そのために甲羅を下にしてスッポンを押さえると。そうすると元に戻ろうとして頸を伸ばすんですね。そこをギュッと首根っこを捕まえて出刃で頸を落とすって説明されているんですが、ムリでした。やっぱり噛まれるのが怖くて、ギュッと掴めないんですよね。だから伸びた頸の根っこに出刃を当てることになるんですけど、これだと余程出刃の切れ味が良くないと切れません。今回のケースでは5箇所くらいに包丁の刺さった痕が出来て、そこから少しずつ出血することで徐々にスッポンの体力が落ちて、最後にようやく頸を落とせたという感じです。これってスッポンを余計に苦しめているんですよね。分かっちゃいるけど、思い切って頸を掴めませんでした。ここは次回の課題ですね。

頸さえ落ちたらこっちのものです。まずは甲羅を外します。

甲羅が取れたらこんな感じになります。

そうしたらゼラチンたっぷりのペラが外れます。ここがプリプリして美味いんだ。

ふと見るとなんとタマゴを持っていたメスだったことに気付きました。こりゃ美味そうだ。

さらに料理用のハサミでジョキジョキと切ります。このあたりは出刃よりも良く切れる料理用ハサミの方が作業がしやすいと思います。我が家のヤツは山陽道三木サービスエリアで購入したハサミで、さすが刃物の町だけあって切れ味バツグンでした。

問題はここからの処理で、肉の解体が終わったら、軽く湯通しをするんです。そして肉や皮の表面をこそげ取ると、体表に付いている薄皮がベロベロと外れます。この作業が大事みたいで、これをちゃんとやると臭みが出ないみたいなんです。その作業が終わった状態がこれ。

ここまで来たら完全に食材としか思えません。(「食材」と入力したらいきなり「贖罪」と変換されたので焦りましたけど)ホントは内臓も食べたかったですし、お刺身でも食べてみたかったんですが、今回は涙を飲んで自重しました。もちろん天然もので管理されていないので、血を飲むのもムリだと思います。食材は全てしっかりと火を通して頂きます。

まずは出汁をしっかり取ります。この時点で美味そうな油が出ています。

後はフツーの鍋と同じで野菜や豆腐を入れて味を調えたらOKです。完成図はこれ。ポン酢で美味しく頂きました。

食べてみた感想は、どこが泥臭いんじゃ!って叫びたくなるお味で、臭みなんて全くなく、ゼラチンプリプリ、お肉はしっかり歯ごたえ、噛めばジュッと旨味が出て来る、まさにスッポンのお味でした。

もちろん翌日は残りの出汁で雑炊を作ります。これがまた、玄米とジャストミートでふぐ雑炊に匹敵する美味さでした。

ってことで、年内にあと何回かはやってみようと思います。ビバ、田舎暮らしですな。

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お小遣いやお年玉を無条件にあげる家庭が信じられない

我が家ではお小遣いは(といっても私のじゃありませんよ)、毎月実施する英単語の小テストの結果によって金額が決定します。

ここで持論を述べておくと、一切の対価無しに無条件でおカネをもらえるお小遣い制度って、子育てに於ける大悪手ですから。こういう子育てをするから、オトナになったら何もせずにおカネがもらえる生活保護をもらうのがオトクな人生なんだ、なんて嘯く輩が頻出するんです。みなさんだって、会社に行って何もしないでお給料が入るなんてことは無いでしょ。何かをもらうのなら対価として自らの何かを差し出す、これを出来るだけ若いウチから価値観に刷り込まないと、オタクのお子さんは将来犯罪者か生活保護受給者になっちゃいますよ。

こう書くと、犯罪者と生活保護受給者を一緒にするな!というクレームが日本語のコンテキストを理解出来ない方から来そうなので補足します。ここでいう生活保護受給者とは、前述した「オトナになったら何もせずにおカネがもらえる生活保護をもらうのがオトクな人生なんだ」と考え、それを実行する人たちのことですから。止むを得ず生活保護が命の糧になっている方々を揶揄する意図はありません。

閑話休題。我が家はこれを100問一発勝負の英単語テストでやっているんです。悲しいのは出題範囲が、中学生向けの英単語本だというところですな。

少しユニークなのは、外資系っぽく成果と報酬にイロが付いているところです。基本は1問正解で15円のお小遣いゲットなんです。ところが正解数が90問になるとこれが1問なんと2倍の30円に跳ね上がるんですな。となると、89点と90点の1点差で1335円になるか、2700円になるかというものすごい金額差が生まれるわけです。

まさにこれって社会人で起こり得る話でしょ。なんでたったの1点差でこんなに差が付くの?そんなのおかしい!って言っても、それが社会ってもんだから。今の日本人なら100メートル9秒99で走るのと10秒00で走るのとでは、その人が手にする名誉と地位とお金は100倍くらい差が出るはずです。たったの100分の1秒の違いでね。そのコンマ01秒を縮めるために、猛練習をするわけで、これは即ち英単語テストで89点を90点にする努力と質的に同じなんですね。

案の定10月は91点で、本人的には冷汗三斗、結果として滑り込みセーフだったわけですが、11月と12月は90点にはるか及ばず、会社でいうローパフォーマーのような切ない状況になっていました。でもそれも本人の努力が足りないからで、私たち親側は一顧だにせず、これに関する不平不満は完全スルーです。

ちなみに我が家では、この小テストをお小遣いゲットテストと呼んでいるんですが、これには受験資格が必要で、週に1回のお手洗い掃除をやってオトナに確認してもらう必要があるんです。これをサボると無条件で今月のテストは中止になるんですね。そうしたらこちらが何も言わなくても、水曜日には早起きをしていそいそと掃除を始めるわけですよ。お、中々能動的でよろしいじゃないですか。

今はちょうどお年玉のシーズンですが、これまた我が家は成果報酬制となっていて、国語、算数、英語でそれぞれ100問、1問100円、全部満点なら3万円という制度を敷いています。出題範囲も一月前に公開し、点数が取れるかどうかは本人の頑張り次第ということを本人も理解しているので、お正月はこちらが言わなくても出題範囲の勉強に勤しんでいます。

日本ではなぜ、子供たちが無条件で金銭をもらえる習慣になっているんでしょうね。人間をある方向に誘導したければ、仕掛けが必要で、手っ取り早く効果が期待出来るのが金銭とヒモ付いた仕掛けなんです。っていうか、だからみなさん平日は時間通りに会社に出社するわけですよね。上司のムリな命令もクリアしようとするわけですよね。それなら子供たちだって同じですよ。

たかだかお小遣いでも、ちょっとした知恵と工夫で子供を狙った方角に導くツールに出来るんですよ。そのツールを活用せずに、無条件でおカネをあげるのってバカらしいと思うんですよね。

ま、大変なのはその問題作成と回答チェックなんですが、これは慣れるしかなさそうです。

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役所ってどうしてこうなんだろうか?パート2

昨日の夕方、買い出しから帰って来たらなにやら市役所からお手紙が。なんじゃらほい?って感じで開けてみたら国民健康保険の保険料の督促状でした。しかもその督促状って10月分です。これを見た瞬間にカーッと頭に血が上りました。

だって当社は10月1日から社会保険に加入したんですよ。っていうか、加入したくなかったのに年金事務所から連絡が来て加入しろって言って来たから、年間数百万になる経費増をグッと堪えて、おまけに高飛車で融通の利かない加入手続きを、ノラリクラリした役人を面罵せずにどうにか完了させたわけですよ。そのあたりの経緯については、このブログの過去ログ、

役所ってどうしてこうなんだろうか?

をお読み下さい。

先週はようやく社会保険の銀行引き落としの手続きも完了し、やれやれこれで大丈夫だと思っていたら、やって来たのがこの督促状なんですね。

あのさ、この国には2700億円という巨費を投じて作られたマイナンバーってシステムがあるんでしょ。このシステムに私の番号を入力したら私がいま国保に入っているのか、社保に入っているのか、はたまた無保険状態なのかは分かるわけですよ。端末があってログインされている状態なら5秒で完結する仕事です。これをせずに、帳票を印刷して、封筒に入れて、切手を貼って郵送するってどれだけバカ野郎なんでしょうか。しかもこれには人件費と切手代というコストも掛かってますし。

で、その督促状を良く読むと、「他の健康保険に加入した場合には脱退の手続きを取って下さい」って書いてあるわけです。なぜ私がそんな手続きをしなきゃならないわけ?それこそマイナンバーのシステム上で、国保→社保ってラジオボタンを押せば済むんじゃないの?システム上そうなっていないのなら、これは設計上のバグですよ。

そもそも私が社会保険に加入しなきゃならなくなったのも、マイナンバーによって納税情報と個人情報に矛盾があるってことが分かったからでしょ。つまりあのシステムには私の健康保険状況が必ず記録されているわけです。そして10月1日に社会保険に加入したわけですから、この情報は今ではアップデートされているはずなんです。その証拠に、今年の4月に年額で納めた国民年金の掛け金は、社保に加入した10月の中旬にはもう「支払過誤による還付手続き」の書類が来ましたから。

これはどういうことかというと、4月に今年分の国民年金の掛け金を全額払ったんですね。ところが10月からは厚生年金になるので、10月以降の国民年金をそのままにすると二重加入になっちゃうので、速やかにその分を還付するということです。つまりチャンと台帳の方はアップデートされているってことですよ。

それなのになんで国保の方は連動しないのか?というのが疑問のひとつで、さらにここで督促状を発行することの意味がもうひとつの疑問です。これって私が振り込んだら受け付けるわけ?受け付けたら国保と社保の二重納付になっちゃいますよ。ってことは、この入金を受け付けちゃったら、遅かれ早かれ過誤による還付手続きがなされるはずなんです。その手間に関する人件費って誰が負担するんですかね?

おまけにこの督促状には、「脱退の手続きをしないと国保加入のままとなり、保険料の請求を続ける事になりますので」って書いてあるんです。おおそうかい、なら請求すりゃ良いじゃん。どうせほったらかしにしておくから。なんなら不定期に振り込みもしてやろうか?そうしたら市役所の職員はそのたびに、過誤による還付手続きをしなきゃならないんだぞ。脱退手続きをしなきゃならない、した方がトクをするのはこっちじゃなくて役所の方なんだよ。それなら自分たちで脱退の手続きをしろよ。っていうか、どうせシステム上で何度かクリックするだけなんだろう?

なぜそれをこちらにやらせるのか?

役所というのは、人が動くイコールそこにコストが掛かっているという意識が薄いんですよね。だから遠慮会釈せずに、慇懃無礼に手続きをしろだの、郵送しろだの、持参しろだのと言って来るんです。そういえば、年金事務所からは賞与支払い届けってのが来て、これを書いて郵送しろ、って言って来たんですが、返信用の封筒も切手も入っていないんです。そのコストをなぜこちらが負担しなきゃならないわけ?このコストを事業主が負担させられる法的根拠はどこにあるのでしょうか?

たかだか切手代と言う勿れ。日本には250万以上の法人があって、この全てにこういうコストを掛けていたらトータルではいくらになると思っているんですか。この書類の郵送代だって定形外郵便ですから一通120円。これを250万社に送ったら郵便代だけで3億円ですよ。3億円。これが往復されるわけですから、ここだけで6億円の不要なコストが掛かっているんです。

この類の書類が年にあちこちからウンザリするくらいやって来るというのは、事業主の人ならご存じですよね。これをトータルしたら数1000億というオーダーになるんじゃないですかね。これを削減するだけで、待機児童削減のための保育園が全国に出来ますよ。

日本の財政が危機にあるというのは今や国民の誰もが知っていますが、そうなった土壌がこういうところにあると認識している人はどれくらいいるんでしょうか。ここを正さないで税金を上げようというのは、明らかに間違いだと思うんですよね。

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