イケダハヤト氏やはあちゅう氏を目指したい人たちへ

私のメールマガジンや、このブログを読んでいる人たちの中で「イケダハヤト」という人や、「はあちゅう」という人を知らない人はいないわけで、中には彼らみたいになりたいと強く願っている人もいると思うんですよ。で、そうなるためにせっせとブログを書いてPVを上げる方法を考えたり、ツイッターやnote、最近ではVoicyという音声配信ツールで情報発信をしている人もたくさんいると思うんですよね。

それはそれで頑張れば良いと思うんですが、彼らを目指す上でどうしても知っておかないといけないことがあるんです。それはあなたの発信する情報を受け取ってくれる人たちに、常に愛を送るということです。なんだかキザに聞こえるかも知れませんが、これがビジネスの設計図にないと、カネは入っても幸せにはなりにくい、もっと言えば、有象無象の存在から憎まれる、叩かれる、足を引っ張られる、いわゆるアンチというクラスタが湧いて出て来ますから。

そこを深く知りたい人は、この本を熟読玩味する必要があります。

この本の最後に、「ダークサイドの話」という章があって、そこには「あなたが手にした成功と同じくらいのイヤなこと、ムカつくことがあなたを襲う。それは成功が持つダークサイドの側面だから仕方がないことなんだ」と書いてあるわけです。まさにそれと同じような構造に陥ることになるんです。それがイヤな人は、ここから書くことをじっくり読んで、しっかり理解して下さい。ホントはこれ、noteで有料配信したいくらいの深さを持つ内容なんですから。

まず、イケダハヤト氏やはあちゅう氏のビジネスモデルがどういうモノなのかを説明すると、「原材料費が掛からない」(だから必然的に粗利率が高くなる≒儲かる)、「現金前払い」が多いので回収のロスがない、と同時にキャッシュフローが良くなる、さらに「在庫がない」から棚卸しの必要もなければ、倉庫代といった固定費も不要(だからさらに儲かる)、その上さらに、「従業員を最小化出来る」ので、もっと儲かって潰れにくい。

こんなにメリットばかりあって、それなのに小資本で、副業的にスタート出来るのですから、ちょっと目端が利いた人間ならやらなきゃ大損だよねということに気付くのです。そこにこの世界の大家としてイケダハヤト氏やはあちゅう氏のような存在が、これでもかとサラリーマンをディスって、自分たちの豊かさやカネ回りの良さをSNSでアピールするのですから、これに憧れる人が続出しても不思議ではありません。ちなみに斯く言う私もひっそりとではありますが、この世界に属して口に糊をしているわけです。

ではこのビジネスモデルに死角とか欠点とかはないのか?と言いますと、これは構造ではなく思考に死角というか、誤解というか、落とし穴が存在しているんです。そのあたりの題材となる面白いブログを見つけたのでご紹介します。

はあちゅうサンが、仮にFacebookのような株の銘柄だったら……http://markethack.net/archives/52000610.html

これはアメリカ在住の広瀬隆氏のブログなんですが(氏の経歴云々はご自分で調べて下さい。特に本稿の内容やその論旨と関係がありませんから割愛します)、ここで広瀬氏は私と同じ観点で、イケダハヤト氏やはあちゅう氏のビジネスを解説しています。ところがここに落とし穴があるのです。それを理解するためにも、この記事はじっくり読んで下さい。読みましたね。ではその落とし穴を解説します。

このビジネスモデルの欠点というか、最も大きな落とし穴は、「無限にスケールさせようとするマインド」なのです。上記ブログで広瀬氏は、これは「無限にスケールするビジネス」だから理想のビジネスなのだと論じています。まさにここがこのビジネスモデルの落とし穴なのです。最初に私の考えを述べておくと、「無限にスケールさせようとする」から、先ほどの神田雅典氏の著書に書いてあるような、「成功が持つダークサイドの側面」から逃れられなくなるんです。

このビジネスモデルに於けるダークサイドの側面とは、「アンチの台頭」です。試しにネットで「イケダハヤト」とか「はあちゅう」という単語をググったら分かりますが、彼らのアンチという人種がいるんじゃないか?と勘違いしたくなるくらい、彼らの発言を否定し、曲解し、意地悪にツッコミ、落ち度があれば頭蓋骨が陥没するくらい頭を叩き続ける困った人々がこんなにも存在していることに驚きます。こういう人たちはイケダハヤト氏やはあちゅう氏が何を言おうが、それを許せない、否定して罵らないと気が済まないという面倒である種不幸な存在なのですが、本人たちにしてみれば、何を言っても、何を書いても、とにかく足を引っ張ることに自身の存在意義を見出しているような、御両人には迷惑以上のなにものでもない、そんな人たちがいるのです。

こんなアンチの存在を作らないということと、無限にスケールさせることにどのような関係があるのでしょうか?これはこのビジネスの収益モデルを考えることで理解出来るのです。彼らのような(私も同じですが)ビジネスでは、どのようにして収益、売り上げを上げるのかというと、大きく分けて「サービスの提供」と「広告」になります。サービスの提供とは、オンラインサロンやセミナーを開催したり、noteで有料記事を書いたりということで、おカネを支払う人に直接その対価となるサービスを提供することを指しています。これを別名信者ビジネスと呼ぶ人もいて、つまりイケダハヤト氏なり、はあちゅう氏のファンや読者、視聴者が彼らが生み出す何かに相応の価値を感じている、その価値を手に入れることに喜んでおカネを支払うということでなりたっているんです。

これは非常にアンチを生みにくい構造です。なぜならイケダハヤト氏を嫌いな人、はあちゅう氏を嫌いな人が、彼らに接触するましてやおカネを払うということは考えづらいからです。接触しなければ、憎しみも発生しづらいですし、おカネのやりとりがなければ、揉めることもないわけですよ、基本的には。基本的と書いたのは、こちらが好戦的な態度に出なければという条件を所与のものとして考えるならばということです。(イケダハヤト氏やはあちゅう氏に関しては、彼ら自身がアンチの存在を利用し必要としている側面もあるんですけどね)

それでもアンチがゼロになるかと言えば、彼らの提供するサービスの無料部分(ブログやVoicy、ツイッターといったタダで入手出来る情報)の裾野の広がり具合に応じて少しずつリスクは高まって行くんですよ。これがイヤなら、サービスの無料部分の開放度合いを絞っていく、ヤバそうな人が入らないように(近づきたくなくなるように)、情報の出し方をコントロールしなければなりません。この御両名を見ているとそこが完全に無防備な状態なので(アンチや炎上を利用している部分があるんですからそれも当然です)、これからもアンチは増え続けるんでしょう。(ここについては次回もう少し深く解説します。)

ところが困ったことに、提供するサービスの無料部分を調整して間口を狭めると、それは直接売り上げの減少という形で効いて来ます。やっぱりメディアに大々的に露出した方が、たくさんの人が集まって来ますし、集まって来た人の数イコールビジネススケールという部分は否定出来ませんから。そしてこれはふたつ目の収益モデルである「広告」にも多大に影響を及ぼします。

広告とはマス(大衆)に向けた情報発信を起源としていますから、一般的には100人に知らせるよりは1000人の方が、1000人よりは1万人、10万人の方が効果が高い(つまり価値も高い)と考えられているわけですよ。その理論の土俵上で勝負をしようとすると、どうしたってたくさんの人にリーチしたい、人の目に触れたい、集まって来る人をもっと増やしたいという欲求が出て来るという未来までは、一本道の読みで、これ以外の読み筋は存在しません。そしてこれこそが落とし穴なのです。

まず一つ目の落とし穴として、そうやってマスを集めることで、前述したように一定の確率でアンチが集まってしまうということ。もうひとつの落とし穴は、そうやって集めてしまったマスから最大限の収益を上げるために、(法に触れない限り)どんなものでも広告のネタにしたくなるという心理が働くことです。そもそもそうやって人を集めるために、自分も集客コストを掛けているんですから、それをペイさせるためにも、要するにジャンジャン広告を打たなきゃやってられない状態になるんですね。この後者の問題ってあまり議論されていませんし、だからほとんど注目されていないんですけど、私はこことアンチの発生、台頭に密接な因果関係を感じるんです。

広告ってやったら分かるんですけど、ホントにラクで儲かるんですよ。単純な広告は言わずもがなで、バナーなりPRの文面をコピペするだけで、かなりの高額がチャリンと入ってくる訳です。今をときめくグーグルとかフェイスブックの収益の柱が、圧倒的に広告事業であることを知れば、如何に広告が美味しいビジネスなのかを理解出来ますよね。アフィリエイトはもう少しハードルが高いですが、その分、単価はグッと高くなるんですね。アフィリエイトって成果報酬ですから、売れなきゃおカネが入らないという広告モデルで、だからこそ売るために躍起にならざるを得ません。実はこれが潜在的なアンチを広げる活動になるんです。

この手のビジネスモデルは、元々情報発信をする主体(イケダハヤト氏とかはあちゅう氏ね)が発する情報を、「面白い」、「ありがたい」、「役に立つ」、「興味深い」と感じる人たちで構成されていたわけですよ。でなきゃ彼らのツイッターやブログを読むわけありませんでしたから。つまりそれは自分のファンを作り、拡大していくということに他ならないわけです。そんなファンたちは、有料サービスの提供という商材におカネを払うことを抵抗がありません。だってファンなんだから。

でもね、ファンだからこそ、彼らの発信する情報を実態以上に信じてしまうという心理が働くんです。これはつまり、「彼らが言うのだから間違いないのだろう」と考えやすいということです。ファンなのに最初から斜に構えて、「お前の話なんて信じないぜ」という態度を取ることは考えづらいですよね。そんな人はとっくにその集合から出て行ってしまいますから。その状況で、「広告の効果を高める」というニーズが発信者側に付加された場合、どうなるのかは火を見るよりも明らかです。

片や売りたい、紹介したい、売れなきゃ報酬が入らないと考え、反対側に発信される情報が正しいものだ、と考えたい人たちが存在したらどういう未来が待っているのか。これも3手詰みのような難易度で、「イケダハヤト氏やはあちゅう氏が宣伝しているから買ってみた」となるのです。それでもその商材がその人にとって素晴らしいものなら、それは発信者であるイケダハヤト氏やはあちゅう氏の評価を高めることになります。ところが、彼らが純粋にビジネスとしておカネのために広告を打っていたとしたら、どういう未来が生まれるでしょうか?悲劇はここから生まれるのです。

特にアフィリエイトで良く見ることなのですが、その商材を売るために過剰ともいえるセールストークを書き連ねるアフィリエイターっているわけですよ。いわゆる「煽る」というヤツです。イケダハヤト氏で言えば、「まだ東京で消耗しているの?」と都会で暮らす人を煽って、あたかも簡単にそこから抜け出せるかのように錯覚させる書き方で、「転職エージェント」を紹介したり、自身のブログ塾の生徒を高額で募ったり、最近ではこれさえ持っておけば将来は安泰だみたいなトーンで仮想通貨を勧めたりしているわけです。これ、ご本人がどこまで本気で、つまり紹介、販売している商材に思い入れを持って、自信を持って勧めているのか分かりませんが、どう見ても控えめに宣伝してますって感じじゃないわけですよ。

言葉は悪いですがそれに唆されて、買ってしまって大損した人、後で後悔した人って少なくないと思うんですよ。そういう人の、情報発信者に対する心情がどう変化するかって考えるまでもありませんよね。おまけに当人たちがそうやって手にした収益で派手な生活をしているとか、SNSでカネ持ちっぷりをアピールしていたら、ちょっと待てコラ、って気持ちにもなると思うんですよ。

これ全部、ラクにもっと稼ぎたいという心情から生まれているんですよ。つまり「無限にスケールすること」を目指すという設計図から生まれたんです。5年ほど前にそのことに気付いた私は、一般のいわゆるPR広告のすべてを止めました。今でも定期的に広告枠が無いのか?というお問い合わせを頂くのですが、「本当に良いものならば、私にまず試させて下さい。それで良いものだと感じたら広告しますよ」と返すと、全件そこから音信が途絶えるんですね。広告しなきゃ売れないようなモノって、そういうのがかなり混じっているということなんでしょう。

ですから無限にスケールすることを止めて、身の丈にあった、自分の周りに集まったファンを裏切らない、失望させないサービスを提供することに注力するべきですし、そうしているとアンチってそんなに増えないものなんですよ。そのことを私は、「お客様(ファン)に愛を送る」と表現しているんです。私が紹介した商材や、私が提供するサービスで損をした、裏切られたと思われない、そこについては自信があるぞというモノだけを扱っていたら、あの御両人の周りに蠢いているようなアンチって生まれにくいと思うんですよ。

そしてこのビジネスモデルって、前述したように粗利率が高い上に、回収の心配も、在庫も無いので、スケールさせなくても充分に食っていけるんです。私の塾生でもこのビジネスモデルでバリバリ稼いでいる人がいますが、売り上げレベルで(それはイコール収益に近いわけですが)8桁の後半とか、私の師匠格の人は、従業員を少しだけ雇ってスケールさせて2億とか3億とかの年商(だからほぼほぼ収益なんですけど)には育てられるわけです。やり方にも依りますが、パーヘッド1億くらいまでは現実的だと思います。で、訊きたいのがそれでもまだ不足なのか?ということですよ。

おカネって海水みたいなもので、飲めば飲むほど喉が渇くんです。それはかつては年収150万でも幸せに生きてやると宣言していたイケダハヤト氏が、アフィリと仮想通貨であぶく銭を手にした結果、カネの亡者に変身した例を見れば良く分かると思います。このビジネスはどこかで、「足るを知る」マインドを持たないとおカネに振り回されてしまうんです。その結果、自分が良いと思っていないものでも、儲かるから、報酬金額が大きいからという理由で、自分のファンを煽って買わせるようになるんですよ。困ったことに買わせるためのテクニックって、やればやるほど高まって行きますから。

逆に言えば、自分が惚れた、共感した、感動したそういう商材は、いくら紹介しても誰も文句を言わないばかりか、感謝されたりするわけです。私が紹介する本やサービス、商材、セミナーは全部私の目利きとしてのフィルターをパスしたものだけですから、一度紹介するとロングセラーになりますし、買った人からお礼のメールを頂くほどなのです。これはアンチとは真逆の存在で、そういう人がこのビジネスを支えているのです。

私の知り合いで、このビジネスモデルの上で自分のセミナーを販売している人がいますが、その人が抱く受講生への愛の強さと深さって、アンチに悩まされているインフルエンサーの行状とは真逆ですから。そもそもアンチの存在を利用してマネタイズする炎上商法みたいなものを考えて実践しちゃうだけで、設計図にバグがあると思うんですけどね。

「足るを知る」を分かったら、ひっそり静かに顔出しせず、少数のお客さん(ファン)と濃くて深い関係を維持するビジネスの方が、圧倒的に楽しいと気付けるはずなんですけどね。私の塾生でこのビジネスを始めようと考えている人は、まずはここをしっかり考えた方が良いですよ。

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