ブログやツイッターでアンチを作りたくない人に。

前回は、イケダハヤト氏的ビジネスの本質を解説して、「無限にスケールさせたらダメだよ」ということを書きました。そこで広告ビジネスが巻き起こす問題点を提起したんですが、もうひとつどうやって間口を広げる(人を集める、集客する、自分が発信する情報に気付いてもらう)かということも考えなきゃならないんです。砂漠でお店を開いても売り上げが期待出来ないのと同じく、誰もあなたに注目してくれなければ、つまりメルマガなら読者数がゼロに近いとか、ツイッターならフォロワーが100人しかいないとかという状態では、これはイケダハヤト氏的ビジネスは成立しません。だからみなさん、必死になって間口を広げよう、注目を浴びようと考えるわけですね。その注目されるための手段としてメディアが利用しようと考えるのも自然の流れです。

これ、最初はそれでも良いんですよ。著名人(インフルエンサー)と絡んで取り上げてもらうなんてこともありですし、自らがおカネを払って広告を出すというのもありです。イケダハヤト氏的ビジネスの最大の関門はここで、ここを乗り越えられるかどうかが、成功と失敗を決めるといっても過言ではありません。そして情報発信をする人の98%はここで挫折するんです。

私は幸運にも残り2%に入れたわけですが、では私が何をやってこのハードルを乗り越えたのかというと、(これは今でも常に意識していることですが)「無料で提供する情報のクオリティーを高めて評判を得る」ことなんです。私の場合にはメールマガジンで情報発信をしているわけですが、ここで平日に配信するコンテンツにはそれこそ大袈裟ではなく人生を賭けてるわけですよ。書き続けて10年以上経っていて、そろそろ3000回になろうとするわけですが、これをテキトーにおざなりで済ませたことはありません。

情報発信でメシを食おうと考える人が、つまらないありきたりなコンテンツで耳目を集めようと考えるのがおかしいんですよ。書くのなら読んだ人が、「面白い」、「ありがたい」、「役に立つ」、「興味深い」と感じるものでなければダメですし、それを書けないのに読者に課金するとか、アフィリエイトをすると考えるところがバグなんです。そんなことを言われたら書けることがないよ、という人は自分の棚卸しに問題があるのです。2017年に作った「10年後に後悔しない生き方セミナー」のアジェンダは、まさにここを9時間解説するセミナーなので、興味のある人はどうぞ。

では、「面白い」、「ありがたい」、「役に立つ」、「興味深い」コンテンツを書けたらこれで充分かというとここから先は微妙に運が必要だったりするので、必要条件ではあるが、十分条件てはないとだけ言っておきましょう。本稿では、ここの初期状態に存在する最初のハードルを越えた後の話をしたいのです。

クオリティーの高いコンテンツを生産して、適宜広告を打つなどして読者が増えてきた、それなりに反応が返ってくるようになったとなったら、ここからはマインドシフトをする必要があるのです。そのひとつは前回書いたように「無限のスケールを目指さない」ということで、もうひとつは、「しっかりと顧客を選別する」ということなんです。もっと分かりやすい表現をすると、ある属性の顧客は切り捨てるということです。これが普通の人は出来ないんですよ。

せっかく広告まで打って集めた人を、どうして切り捨てなきゃならないのだ?そんなことしたら勿体ないじゃないかというのが大方の反応なんでしょう。ですから言葉を変えて言いますよ、その切り捨てる人にあなたのアンチの卵がウジャウジャといるのです、と言ったらどうですか?この人たちを放置しておくから、卵が羽化してボウフラになって、最後はハマダラカになってあなたを襲い、あなたはマラリアに罹ったような状態になるのですよ。それでも切り捨てずに、後生大事に取っておくのですか?

ビジネスというのは、一部上場企業でない限り、原則として顧客を選別すればするほど楽しくなるんです。これはつまり、誰でも良いから自分に近づいて来た人、自分を評価してくれた人ではなく、あなたが真の顧客だと考える人だけを相手にするということです。それ以外の人は容赦なく切り捨てる(というとドギツく聞こえるので、去っていただけるように仕向ける)のです。

実はこれ、遅まきながらイケダハヤト氏も、はあちゅう氏もツイッターやフェイスブックではやっているんです。アンチが来たらサクッとブロックしてるでしょ。あれをメディアが巨大になる前からちゃんとやっておくのですよ。ところがブログというツールはプッシュ型ではなくプル型なので、これがやりにくいんです。その分アクセスを集めるハードルは低いんですけどね。私はそれがイヤなのでブログよりもメールマガジンに軸足をおいているんです。

これは余談ですが、何年も前から「メールマガジンなんてオワコンだ」とか「メールマガジンの購読率なんてほぼゼロで成果は出ない」って色んな人が叫んでいますが、それはそんな方の発信しているコンテンツのクオリティーが低いというだけですから。私は10年以上メールマガジンで生きていますが、未だにコツコツと読者は増えていますし、反応も精読率も全然落ちている気がしません。同じことは高いクオリティーのコンテンツを作っている他誌にも充分いえることで、だから有料メールマガジンというジャンルが全く死んでいないんですよ。媒体に問題があるんじゃなくて、コンテンツに問題があるだけなんです。だから安心してメールマガジンを書けば良いと思いますよ。

顧客の選別という話に戻ると、情報発信をする時に、発信者として「このコンテンツはこんな人に読んで欲しいよな」と考えるところがありますよね。それが無いと絶対に上手く行きませんからね。想定する読者層を決めて、その人たちに「だけ」刺さるコンテンツを書くというのが、イケダハヤト氏的ビジネスの核なんですから。でも続けていると、それ以外の層も集まって来ます。その時にどうするか?が問われているんです。

ここで前回書いたように、広告でラクして儲けようと考えると、この人たちも動かしてしまおうと思ってしまうんです。何とか煽ってアフィリ商材を買わせてしまおうと考えるわけですよ。その思考が地獄の一丁目なんですよ。世の中にはそういう人たちを誘導させるテクニックがたくさんあって、そういうスキルを学べるセミナーや教室もたくさんあります。そういうのを一通り学べば、あなたでもこの層に何かを買わせることは可能です、というか実は非常に簡単です。だからみなさんこれをやりたくなってしまうんです。

そこでその商材のクオリティーが低かったりしたら、それは逆恨みする人が出て来てもおかしくありませんから。それは前回解説しましたね。

広告を収益の要素にしなくても、こういう狙った枠の外にいる人を顧客にしてはいけないんです。ただの読者ならまだマシなんですが、こういう人たちからおカネをもらってはいけないんです。ところがそんな人の見分けって付けられませんよね。だから定期的に篩を掛けて、枠の外にいる人を出口に連れて行くんです。これが顧客の選別です。

具体的にいえば、私の場合は、「常識のないメールを送ってくる人」、「言葉遣いが悪い人」、「学びによって人生を変えることに興味がない人」を潜在的に顧客だと考えていません。いつでも、今すぐにでも読者登録を解除してもらいたいと考えています。そのために、こういう人たちからの反応があると、その人たちが立ち去りたくなるようなコメントをメールマガジンでします。例えば非常識なメールを受け取ったら、次の日のメールマガジンでこのことを書いて、「こういう人の人生が好転する可能性って低いんですよね」とでも書けば、普通は反省するか、ムカッと来て解除しますよね。

ちなみにこういう人たちが居丈高に罵ったりしないように、自分の立ち位置を高めておくのは必要です。私の場合にはベランメェ調でコメントしたり、「この人、アフォなんじゃないの?」と書いたりするのがそのための施策となっています。これを早い段階でやることで、あなたというキャラクターが確立し、やればやるほど読者に浸透してきます。その結果、このような選別をすることで、意に沿わない困った人が顧客になることを防止出来るんです。

それもこれも全て、「無限のスケールを放棄し、身の丈にあったビジネススケール」を確立しようと考えたから出来るのです。売り上げは多いほど良い、誰からでも良いから売り上げが欲しい、買ってくれる人はみんなお客さんだ、という思考になると顧客の選別は出来ないんですよ。

ここでは解説しませんが、実は顧客の選別をやればやるほど、あなたが顧客だと考える枠の人から高い料金をもらえるんですよ。つまり客単価が上がるということです。だから顧客の選別をやったら売り上げが下がるというのは、中長期的には完全に間違いです。やる、やらないは別にして、顧客は選別すればするほど売り上げと利益が高まるんです。

こうして篩を掛けても残ってしまう困った方にはどうしたら良いのか?というと、最後は売らなきゃ良いんです。無料の情報発信を大人しく読んでいる分には被害がありませんから放置しますが、こういう人がおカネを払って自分の顧客になりたいと言い出した時には、特に注意が必要です。そういう人を排除するために最も簡単なことは、提供するサービスや商材の単価を上げるのです。つまり値上げするということです。

このイケダハヤト的ビジネスって、やってみれば分かりますが最初におカネを払おうとする人たちって、先鋭的で優秀且つ、優良な人たちが多いんです。なんたってまだ無名のあなたを見つけて来て、そこにおカネを払ってみようというんですから。もちろんこれは広告したものを買うみたいなものも含めてですよ。だからこの人たちを裏切るようなことをしなければ、長く続く関係になりえますし、あなたに害を為すこともほとんどありません。この層には安く売っても顧客のLTV(ライフタイムバリュー)が高いので全く問題ありません。

問題は、あなたを取り巻く人たちの数が増えて来た時なんです。長く情報発信を続けていると、ブレークとまでは言いませんが、そこそこファンみたいな人が増えて来たという実感をすることがあります。そうするとそんな評判を聞いて新たな人が集まって来て、顧客になるという動きが発生します。ビジネス的にはありがたい瞬間なんですが、ここに落とし穴が空いていますから。これって時間が下ってから集まって来る人ほど、初期のメンバーに比べて、色々な意味で困った度合いが増えてきますから。

そういう兆候が見えてきたら、意を決して値上げをするのです。そうすると、まともさとヤバさのボーダーラインにいる顧客が離れていきます。こういう人たちってちょっと値段を上げると、それだけで脱落しますから。アンチの萌芽がある人って、色んな意味でレベルが低い人であることが多くて、それは彼らの収入もしかり、有料コンテンツに対する認識とか評価もしかりなんです。だから値段を上げるとそれだけで、彼らにとって価格と提供するもの(自分たちが手に入れるもの)の価値がマッチしなくなって、買わない(買えない)ということになるんです。ですからこれによって顧客の集合の質を維持出来るんですね。値段を上げると人数は減りますが、単価が上がっているので、トータルではあまり違いがありません。ここでもまた、「スケールしない、身の丈でやる」というマインドが効いていますね。これがあるから、人数が減るのが分かっている施策を心おだやかに実施できるのです。

資本主義って価格が品質を代弁しているようなところがあって、特に質の低い顧客は値札に振り回されて、本質が見えなくなるところがあるので、値上げした途端に買わなくなりますよ。反対に優秀な人は、値上げをしてもそこに響かないというか、むしろ高いから買うみたいなところもあったり、または価格のウラにある本質が理解出来たりするので、あまり影響を受けないんです。だから価格って優秀なフィルターの役割を果たすんですよ。

そしてこういう微調整を続けていると、アンチが育つことがなくなるんです。もちろんそのために、有料コンテンツ、サービスの質が高いことは当たり前なんですよ。そうであっても、有象無象を相手にすると、一定の確率でアンチが生まれてしまうんです。本稿ではそれをどう最小化するかということを解説しているわけで、おカネを取ったコンテンツやサービスの質が低いことによるアンチ発生対策ではありません。そこもまた、お客さんに対する「愛」なんだと私は考えていますけどね。質の低いものでおカネをもらうというのは、構造とか施策の前に、愛の欠如ですから、前提が全く違うんですよね。

私はツイッターではまだアンチが産まれるようなスケールになっていないので、全く問題ありませんが、いつかどこかでイケダハヤト氏やはあちゅう氏のようなアンチに囲まれたら、間違いなく鍵アカにするでしょうし、その前にジャンジャンブロックすると思うんですよね。と、こうやって事前に書いておくことが、アンチの発生を抑制することに繋がるんです。

私はブログではなくて、メールマガジンという媒体を選んでホントに良かったと思っています。やっぱり登録をしないと情報をもらえないという、この一手間があるおかげで、変な人が寄って来にくいですからね。逆に言えば、ブレークというか、世間が認知するまでに時間が掛かるということでもあるんですがね。私にはこれくらいのスケールがピッタリで気持ち良いですわ。

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