お小遣いやお年玉を無条件にあげる家庭が信じられない

我が家ではお小遣いは(といっても私のじゃありませんよ)、毎月実施する英単語の小テストの結果によって金額が決定します。

ここで持論を述べておくと、一切の対価無しに無条件でおカネをもらえるお小遣い制度って、子育てに於ける大悪手ですから。こういう子育てをするから、オトナになったら何もせずにおカネがもらえる生活保護をもらうのがオトクな人生なんだ、なんて嘯く輩が頻出するんです。みなさんだって、会社に行って何もしないでお給料が入るなんてことは無いでしょ。何かをもらうのなら対価として自らの何かを差し出す、これを出来るだけ若いウチから価値観に刷り込まないと、オタクのお子さんは将来犯罪者か生活保護受給者になっちゃいますよ。

こう書くと、犯罪者と生活保護受給者を一緒にするな!というクレームが日本語のコンテキストを理解出来ない方から来そうなので補足します。ここでいう生活保護受給者とは、前述した「オトナになったら何もせずにおカネがもらえる生活保護をもらうのがオトクな人生なんだ」と考え、それを実行する人たちのことですから。止むを得ず生活保護が命の糧になっている方々を揶揄する意図はありません。

閑話休題。我が家はこれを100問一発勝負の英単語テストでやっているんです。悲しいのは出題範囲が、中学生向けの英単語本だというところですな。

少しユニークなのは、外資系っぽく成果と報酬にイロが付いているところです。基本は1問正解で15円のお小遣いゲットなんです。ところが正解数が90問になるとこれが1問なんと2倍の30円に跳ね上がるんですな。となると、89点と90点の1点差で1335円になるか、2700円になるかというものすごい金額差が生まれるわけです。

まさにこれって社会人で起こり得る話でしょ。なんでたったの1点差でこんなに差が付くの?そんなのおかしい!って言っても、それが社会ってもんだから。今の日本人なら100メートル9秒99で走るのと10秒00で走るのとでは、その人が手にする名誉と地位とお金は100倍くらい差が出るはずです。たったの100分の1秒の違いでね。そのコンマ01秒を縮めるために、猛練習をするわけで、これは即ち英単語テストで89点を90点にする努力と質的に同じなんですね。

案の定10月は91点で、本人的には冷汗三斗、結果として滑り込みセーフだったわけですが、11月と12月は90点にはるか及ばず、会社でいうローパフォーマーのような切ない状況になっていました。でもそれも本人の努力が足りないからで、私たち親側は一顧だにせず、これに関する不平不満は完全スルーです。

ちなみに我が家では、この小テストをお小遣いゲットテストと呼んでいるんですが、これには受験資格が必要で、週に1回のお手洗い掃除をやってオトナに確認してもらう必要があるんです。これをサボると無条件で今月のテストは中止になるんですね。そうしたらこちらが何も言わなくても、水曜日には早起きをしていそいそと掃除を始めるわけですよ。お、中々能動的でよろしいじゃないですか。

今はちょうどお年玉のシーズンですが、これまた我が家は成果報酬制となっていて、国語、算数、英語でそれぞれ100問、1問100円、全部満点なら3万円という制度を敷いています。出題範囲も一月前に公開し、点数が取れるかどうかは本人の頑張り次第ということを本人も理解しているので、お正月はこちらが言わなくても出題範囲の勉強に勤しんでいます。

日本ではなぜ、子供たちが無条件で金銭をもらえる習慣になっているんでしょうね。人間をある方向に誘導したければ、仕掛けが必要で、手っ取り早く効果が期待出来るのが金銭とヒモ付いた仕掛けなんです。っていうか、だからみなさん平日は時間通りに会社に出社するわけですよね。上司のムリな命令もクリアしようとするわけですよね。それなら子供たちだって同じですよ。

たかだかお小遣いでも、ちょっとした知恵と工夫で子供を狙った方角に導くツールに出来るんですよ。そのツールを活用せずに、無条件でおカネをあげるのってバカらしいと思うんですよね。

ま、大変なのはその問題作成と回答チェックなんですが、これは慣れるしかなさそうです。

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