役所ってどうしてこうなんだろうか?

法人を設立してはや丸5年が経過し、6期目に突入しているわけですが、我が社は典型的な同族、家族経営の会社で、家族以外の従業員はいません。つまり、個人事業主とほとんど差が無いわけですね。そのため、今まで健康保険は国民健康保険を、年金も国民年金を納めてきたんですけど、今年に入ってから年金機構の職員から、「オタクは法人なので厚生年金に入ってもらわなきゃダメなんですよ」という指摘を受けました。

マヂ?そんなの知らないよ、でも加入しなきゃならないのなら仕方ないよね、と税理士に話をしたら厚生年金の場合には会社負担分が個人負担分と同額掛かるので、かなりの経費増になりますよとのこと。ザクッと計算したら年間で数百万円というオーダーの追加経費が必要になるみたいです。そんなもん払ったら完全に赤字ですね。

とはいえ、法律で決まっているのなら逃れようもなく、ついに10月から加入することとなりました。

その手続きのために駅前の年金機構の事務所に行って来たんですけど、ここでの対応があまりにも役所的で、腐っていたので、それをログしたくなりました。

そもそもなぜ私の会社に年金機構から連絡が来たのかというと、マイナンバーがスタートして私個人の情報と会社の情報が横串で管理出来るようになったからなんですね。前述したように私個人は国民健康保険に国民年金です。ところが会社の代表者(代表取締役)にも私の名前が記載されているわけですね。これは公開情報ですから、隠しようがありません。

そうなると、納税情報に矛盾が生じるわけです。株式会社の代表者なら厚生年金を納めなきゃならないのに、国民健康保険、国民年金を納めているわけですから。以前はこの情報が共有されていなかったので、自分で申請をしなければ厚生年金に加入することが出来なかったというか、年金機構の方では私が株式会社の代表者(つまり厚生年金に加入しなきゃいけない人)だって分からなかったわけですね。マイナンバーがスタートしてこの抽出が簡単になったんでしょう。それはそれで正しいアプローチだと思います。

で、加入手続きをしに行ったわけですけど、あまりの不親切ぶりというか、顧客目線の低さに驚いたわけです。いま書いたように、私の情報は彼らが全部持っているはずなんです。会社名で検索すれば、社員の人数や名前、年収は出て来ますし、社員名が分かればマイナンバーから一人ひとりの情報はあっという間に出て来るわけですよ。

というか、そのためにマイナンバーってシステムを作ったんですから。(ええと、これと同じシステムを目指したのが住民基本台帳ってヤツだったんですけど、なぜあれはいつの間にか葬り去られたんでしょうか。マスコミがこの件をほじくって報道しないのは、何らかの報道規制が敷かれているってことなんでしょうか?)

だから私は会社名と私の名前を言えば、加入に必要な書類が出て来て、そこには必要事項が全部書かれていて、私の署名と捺印だけを待っている状態になっているんだろうと思ったわけですよ。ってか、民間の会社が、顧客に何かをやってもらおう、ましてやおカネを払ってもらおうと思ったら、お客さんの手を極力掛けさせないように工夫するのは当たり前です。毎年しつこく来るジャストシステムのDMだって、申込書には私の情報があらかじめ全部書かれていて、アイテムと数だけ書いて送ればそれだけで手続きが終わるようになってます。

それなのに、年に数百万円というオーダーの金額を私から抜き取ろうじゃなくて、毟り取ろうじゃなくて、徴収しようとしているそんな申込書なのに、なんと全部が空欄。は?名前から住所から全部オレに書けってか?住所を言うから情報を検索してそれでプリントアウトすれば良いじゃん。

ここまででもブチ切れそうだったのに、さらにムカッと来たのが、必要書類に会社の全部履歴事項証明書があったことです。そんなのは年金機構が法務省に問い合わせれば良いだけでしょ。っていうか、その情報を元に私のところに加入しろって連絡をして来たんでしょ。改めてそんな書類を出さなきゃならない理由がどこにあるわけよ?おまけにこの証明書、発行するのに600円が必要なんですよ。そのコストを何でオレが負担しなきゃならないわけ?

思うにこれは、「申請したら加入させてあげますよ」という手続きを残している理由だと思うんですよ。加入が義務づけられているのに、申請しないと加入できないって、そもそもおかしいと思いませんか?こっちが申請しようがしまいが、強制加入なんでしょ。それならそんな建前上の手続きは要らないはずなんですね。それを形だけでも「申請書」というお題の様式で書かせるのは、下々の者たちが、お上に「加入させて下さいませ」とお願いしているという態を残したかったからなんですね。つまり、お上の許認可権限を行使した結果、このたびめでたく加入できたのであるぞ、ありがたく思え、と言いたいわけですね。

そう考えたら、加入させるかどうかはオレたち年金機構の胸先三寸なんだから、お前のカネで証明書を取るのも当たり前だし、書類を穴埋めするのもお前たちがやるに決まってるじゃないか、とこのプロセスに整合性が出て来るんですね。

ホント、こんなバカシステムは崩壊して欲しいもんです。役所が特権階級、支配階級だという前世紀の遺物から如何に抜け出せていないのかの証左がこの様式なんですよね。

さらにこいつらバカなんじゃないの?と思ったのが、私の母親の年金受給金額が分かる書類をコピーしろって言って来たことです。あの~、ここはどこなんでしょうか?ここ以外に、私の母親の年金受給額を正確に把握しているところがどこにあるんでしょうか?オイコラ年金機構、その情報はお前のデスクに置いてある端末で確認出来るんじゃないのかよ。まさか年金通知書とデータベースの金額が異なっているなんてオチはねぇよな?

ここまで書類を書いて、法務局にも行って来たのに、加入日には健康保険証が用意できないんだと。今日は9月28日で、加入日は10月1日なんですけど、百歩譲って週末はムリにしても10月3日の月曜日には社会保険加入者としてのすべての権限が行使できるようになってなきゃおかしいですし、そこで加入者(つまりおカネを納める人)に迷惑を掛けないように制度を整えるのが公僕たる役人の仕事じゃないんっですかい?という常識は日本年金機構には通用しないみたいです。

健康保険については、穴を空けずに切り替えたいから平日に時間を作って、わざわざ法務局にも行ったのに、書類の手続きは加入日以降(私の場合は10月1日以降)になると。でも1日は土曜日なので、3日まで書類は寝かせておくと。で、3日から順次やっていくから時間が掛かるというのが彼らの言い訳。

眉ひとつ動かさずに、「申請から2週間は掛かりますから。」と平然と言われた時には、日本の役所の病の重さにクラッと来ました。あのね、ウチのオフクロは脳梗塞を患っていて、糖尿の気がある病人なんだけど、保険無しでどうしろって言うのよ、と問い詰めたら、「一旦10割負担してもらって後から還付の手続きを」ってサイバラ画伯のマンガなら、そのコマで脳天にハンマーが打ち下ろされる絵コンテになるシーンですよ。無理矢理加入させて、加入の手続きまでやらせた上に、加入後に不便を掛けることを恬として恥じないメンタリティーって、日本の役人の面の皮の厚さはギネス級です。

って文句を付けたら、「それでしたらこの申請書を書いてもらうと加入証明ということで病院でも保険の適用が出来ますから」って、それなら最初から言えよ。この時の役人の気持ちを解説すると、書類が増えると自分たちの仕事も増えるから、この申請書のことは出来るだけ言わないようにしよう。でもうるさいヤツが来たらこれを出して宥めよう、ってことなんですよね、文句を言ったら出てくるってことは。この姿勢ってヒドくありません?文句を言われたら小出しに対応策を出してくるって。

じゃ、その書類書くわ、ってなったんですけど、この書類の提出先が、「日本年金機構理事長殿」ってなっててブチ切れそうになりました。なんで納税者が公僕に許可を願うかのような表現になってるわけよ?そもそもお前らの仕事が遅くて加入日に保険証が出ないんだろうが。だったら、「手続きに時間が掛かりまして申し訳ありません。出来るだけご不便をおかけしないように、加入証明書を作成させていただきます。年金機構理事長拝」って書くのが当たり前だろうが。なんでこっちがお願いしなきゃならないんだよ?

で、てっきりこの加入証明書は3日にもらえるのかと思ったら、「これは社会保険証よりも2日か3日早く着くだけです」って、お前らドリフのコントをやってるんじゃないんだよ。じゃ、どうするんだよ!とツッコんだら、「書類に付箋で”早急に処理をして下さい”って書いたら早くなると思います」ってこのオチはどこまで本気で受け止めて良いんだ?とひっくり返りそうになりました。

このブログ、政治家や上級役人が読むとは思えないんですけど、この国の公的制度って設計というか思想のレベルで決定的に間違っていると思うんですよね。この姿勢のどこに「公に奉仕する」気分が盛り込まれているんでしょうかね。

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