舛添さんが辞めちゃいましたね。この件についてはあえてコメントをしていないかったんですけど(ツイッターでちょっとだけ書きましたけど)、これで彼の政治生命は終わりましたね。でもこれって典型的な日本的イジメだって何人の人が気付いたんでしょうか?
■ 舛添は早く辞めろ
と叫んだあなたは、いじめっ子の尻馬に乗っていじめられている人をからかったり、いじめているガキ大将にお追従をしたり、さらには調子に乗って自分もいじめられている子を叩いたりするのと同じことをやってしまったって気付いていますか?
そもそも彼に辞めろと言った人は、政治資金の現実を知っているんですかね?
舛添より酷かった石原慎太郎都知事時代の贅沢三昧、登庁も週3日! それでも石原が批判されなかった理由
http://news.biglobe.ne.jp/domestic/0509/ltr_160509_7456204490.html
竹下復興相 政治資金で「酒・たばこなど」に40万円 麻生財務相は同じ店で「消耗品代」
http://www.sankei.com/affairs/news/141128/afr1411280047-n1.html
伊吹氏の政治団体も不適切処理 事務所費で飲食代
http://www.asahi.com/special/060926/TKY200701100301.html
極めつきはこれ。
舛添が公私混同で辞任なら安倍首相も…政治資金でキャバクラ、ウニの爆買い、コスメにジュエリー、ガリガリ君
http://bit.ly/1U7ZCJl
こんなのちょっとほじくったらいくらでも出て来るんですよ。不適切といえば舛添氏と全く同じレベルで不適切なんですけど。舛添辞めろ、と言った人はこれらの政治家にも辞めろと叫ばなければフェアではありません。
そもそも政治資金って、使い途が厳密に限定されている性格のおカネじゃないんですから。あくまでも本人が、これは政治活動に繋がっているのだと考えるのならそれはすべて政治資金として使える性格のおカネなんですよね。
だから飲み食いに使おうが、ホテル代に消えようが、飲み食いの最中に政治家としてのスケジュール確認をしていたとか、ホテルで今後の政策についての思索を深めていた、と言ったら誰にも咎められないんですから。彼に不適切だと言った人は、何を根拠に不適切だと言ったんでしょうか。
もちろんこのように使途が限定されていない政治資金のあり方は問題で、政治資金規正法の改正はやるべきだと思いますけど、それとこれとは話が別ですよね。現行法の中では違法性を追求出来ないんですから、使い途を理由にここまでギャーギャー騒げる理由なんて無いはずなんです。
これはスゴく大事な極意なんですけど、大衆がヒステリックにギャーギャー騒いでいる時には、自分は決してその尻馬に乗らないように自分を躾けるのって、人に操られない生き方をしたい人には必須のスキルですから。みんなが同じ方向を向いて、同じ言説を叫んでいる時には、努めて冷静になってそれとは真逆の方向を向いてみると、この世の真実が見えて来るのです。
今回の件で私は積極的にテレビに接していた唯一のジャンルであるニュースですら、もう見たくなくなりました。この件によって、日本のマスゴミは死にましたな。日本人の民度ってマスゴミによって低下させられているように気がするんですよねぇ。
そして今回都議会で舛添氏を叩いた政治家は、須く率先して自らの政治資金収支報告書をネットに晒すべし。そして自らは全く不適切な使い方をしていないことを証明すべし。万一不適切な使い方が発見されたのなら都議を辞職しなきゃいけません。マスゴミも辞職するまで繰り返し、しつこく、何度でも、報道を見ている我々が気持ち悪くなるまで続けないとダブルスタンダードですから。
当然マスゴミ各社に於いても、自社で不適切なおカネの使い方が見つかったら、その社員は必ずクビにしなきゃいけません。接待費だと申告して自分たちの飲み食いに使った事が無かったのか、を全社を挙げて調査して頂きたい。特にNHKには、税金も投入されていますし、視聴料という形で我々から直接おカネを取っているのですから、不適切な支出は決して許されません。
彼を叩いた学者たちも、自分が勤務する大学で不適切なおカネの使い方をしていなかったのかを調査すべきです。年度末に予算を使い切るために、意味の無い商品やサービスの購入をしたことが無かったのかを調査し、大衆がこれを不適切だと言ったら大学教授を辞任すべし。特にこれが国公立大学なら、税金が使われているので場合によっては横領で告発するくらいの勢いでやって頂きたい。
舛添氏のやった事って、次元的にはこれと同じですから。この政治ショーを見て、拍手喝采し、彼の辞任によって溜飲を下げた一般大衆は、自らを振り返り公明正大、清廉潔白、おカネについて一切汚いことをやっていないと断言出来るんですかね。
聖書のヨハネ福音書8章7節に似たような寓話があるんですな。
http://recoveryversion.jp/read_List.php?f_BookNo=43&f_ChapterNo=8
姦淫の罪で捕まった女性をどう罰するかという話になった時に、イエスが「この中で罪無き者が、まず石を持て打て」と言ったんですが、こういう気持ちに誰もなれなかったんですかね、マスゴミ界では。しかもこの場合、厳密にいえば罪に問えないグレーゾーンなんですから。
舛添氏にも対応について問題があったと思いますよ。というか、彼の中ではこの程度のことでそこまで追い詰められることはないだろうと、高を括っていたフシがありますね。だってオレだけじゃなくてみんな同じようにやってるんだから、なんでオレだけが叩かれなきゃならないんだよ、って思いますよね。その気持ちは良く分かります。もっとヒドい人はたくさんいるはずですから。それがあの高飛車な記者会見に繋がったわけですが、事件発覚当初から私はツイッターで、
● ネット司法の力を侮っちゃアカン
って書いていたんですよ。火の手が盛んになる前にキッチリと消火活動をしておかないと、ネット司法が次から次へと新たな不都合な事実をほじくり出して、火に油を注ぐよ、その火の大きさが臨界点を超えると辞めるまで収まらなくなるよ、と予言していたんですが全くその通りになってしまいました。その意味では最初の応手が大悪手だったんですね。
最初に海外出張での費用問題が取りざたされた時に、「私もなんでファーストクラスなのかと思ってましたけど、慣例で昔の知事さんも同じだって聞いたので、そんなものかと思っていたんですが、やっぱりこれはビジネスクラスにするように規定を変えます」って言ってたらそれでお終いになったはずで、その後の政治資金云々という話にはならなかったと思うんですよね。
私が舛添氏なら、どうせ政治生命が絶たれるのなら一蓮托生道連れにする覚悟で、この政治資金の使い方についてアドバルーンをぶち上げたと思います。だって国会議員を含めて、ほぼほぼ全員が真っ黒な状態なんですから。政治の世界の実態はこうなのだと、さらに火に自ら油やガソリンを撒いて、この問題を全政治家レベルに広げてしまえば、局面は大きく変わったと思います。こういう時には相手が指す手の選択肢を極限まで広げちゃうんです。そうしたら相手が間違う可能性が出て来るんですから。
これをやっていたら、なんだよ、舛添だけじゃないのかよ、全員やってるんじゃん!って話になって、矛の向き先も変わったと思いますよ。その場合はもちろん知事は辞めちゃだめで、都議会を解散すべきでした。議会を解散して時間を稼いで、その間にテッテー的に他の政治家の証拠を集める、それをマスゴミとタイアップしてジャンジャン流す、その結果、政治資金についてあるべき姿を国民が議論したくなる、世論が騒ぎ出すという状態を作れれば、これはこれで一定の仕事をしたと言えたんですけどね。政治資金の問題は昔から深い闇に閉ざされていて、当事者以外は全く実態が分からない状態が続いていたわけです。ここに一石を投じるどころか、世論の声を使って強制介入し、法改正をやるところまで盛り上げたらこれは一つの業績ですから。
どうせ政治生命は絶たれたわけですから、次の選挙を考えずに足を止めてパンチを繰り出せば、自身のこともそこから活路が見出せたかも知れなかったんですけどね。ま、学者はそういうケンカが下手ですからねぇ。最後は腰が引けちゃったんでしょうか。これは非常に残念でした。
何はともあれ、短い間でしたがお疲れ様でした。