田舎暮らしの手引き その6

移住先を決めるには、移住後のライフスタイルを考えるべき

田舎暮らしが上手く行くか、楽しいものになるかの8割は自分にフィットした移住先に行けたかで決まるんだと思います。いくら条件が良くても(条件というのは駅からの距離や、インフラの整備具合や、補助金のアリナシなど)、それよりも重たい条件がズレていたら途中で挫折してしまうと思いますよ。

ところが移住って、それを決断し実行しようとしたら都会での生活を抛つ、全て精算するというケースが大半ですから、途中で失敗したから振り出しに戻るというわけにはいかないんですね。これが田舎暮らしをやる際の大きなハードルになるんだと思います。失敗が許されない、それなのに踏ん切らなきゃならない時に必要なのは充分な情報です。いつの時代も知識は力なりで、必要且つ充分な情報があれば、この問題はそれなりに解決するのです。

ではあなたにとってどのような情報が必要なのでしょうか?これは実は問いの順序が間違っています。まずあなたが決めるべきは、田舎でどのようなライフスタイルを送りたいのかなのです。それが明確になってから、そんなライフスタイルを実現するために必要な情報は何かを考えるのです。

私の場合には、「雪下ろしはやりたくない」、「自家消費用に畑と田んぼをやりたい」、「主要交通機関まで1時間以内に着きたい」、「コンビニが徒歩圏内にある必要はないが、寂れすぎているのはイヤ」、「出来れば風景が田舎らしいところ」、「近所や部落の人が排他的でなく、といって近づきすぎない感じ」という希望を持っていました。この中で最後の条件だけは、情報として入手するのは難しいかなと思っていましたが、残りは全て調査可能だろうと思ったんです。

こういう条件でエリアを絞ったんですが、今なら千葉のいすみ市とか、神奈川県なら逗子、三浦あたりも考えたんでしょうけど、私が移住を考え始めたのはあの震災の直後ですから、どうしても関東エリアは除外ってことになったんですよね。そして寒すぎないところと言ったら、中部から西の太平洋、瀬戸内沿いが目に付くじゃないですか。初めはこの程度のザクッとした感じで、候補地を決めて良いと思います。どうせ見に行くまで決めることは無いんですから。

ちなみに当たり前ですが、実際に自分で足を運ばなきゃ本当のところは分かりませんよ。東京からだと時間もおカネも非常に掛かるんですが、これをケチってエイヤで手を打つと後で後悔することになると思います。

私が候補にしたのは、兵庫の西側から岡山、広島の真ん中あたりまでの中国地方と、その対岸にある香川、愛媛。もうひとつは浜松から西の渥美湾を囲むあたりと、最後は紀伊半島の和歌山県側の3つでした。結論を言えば、最初の中国地方を見に行った時にこのあたりだなとピンと来たので、実見という意味では渥美湾も紀伊半島も行っていません。

情報収集は、先日書いた

この雑誌のバックナンバーを1年分図書館で借りて、全部読み込みました。さらに書店、ブックオフを駆使して実際に都会から田舎に移住している人の体験記を10冊くらい読みました。自分の望むライフスタイルが明確になっているのなら、これらの情報プラス今ならネットの情報で外枠はほとんど固まるはずです。

ここから先は体験を通して、身体で集める情報が必要になり

そうしたら各地域の物件情報が毎号載っていて、そこに中国地方の田舎物件を専門に仲介している不動産屋が多くの物件を出していたんです。それが「自然と暮らす」という会社で、ここが扱っている物件からそれなりにめぼしいモノを2つか3つピックアップしてコンタクトをしました。ちょうどその時期に、友人から小豆島で有機農業をやりながら、民宿を経営している方を紹介してもらったので、そこに遊びに行ってみることにしていたので、そのタイミングと合わせてもらいました。

こうやって実際に動く計画を立てるのって大事です。頭の中で妄想するだけでは現実が反響してくれません。自分で考えたこと、イメージしたことに対して現実がどういうボールを投げ返してくれるのか(これが反響です)は、行動しないと分からないんですね。確かトータルで4泊する予定で現地に行ったんですが、これは良い勉強になりました。

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