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メールマガジン 第1850号

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 成長を目指す、若手サラリーマンの家庭教師

 ┃サラリーマンで年収1000万円を目指せ  ┃ http://showon-sato.com
                 
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こんにちは、佐藤正遠(さとうしょ~おん)です。
      
このメールマガジンは、高卒、派遣社員、IT歴ほとんど無しという負け組から、
たったの6年で年収1000万を突破する勝ち組へとキャリアアップした、わたく
し佐藤正遠(さとうしょ~おん)が、その秘訣を余すところ無く伝える、「成
長を目指す若手サラリーマン」のためのメールマガジンです。
    

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◆ 今日の前フリ ◆◇

9月課題図書の優秀賞を選ばなければいけません。
と思って、30日の夜、サイトを開けて見たらすでに過去最高の投稿が・・・

こりゃ気合いを入れて読まにゃならんと、29日に投稿された方の分を2回読み直
し。そして今日は30日に投稿された方の分を同じく2回読みました。

なんと今回は過去最多の47名が投稿して下さいました。
さすがにこれだけあると読むのに骨が折れるわい。

でもこれだけ分量があると、同じような事を書いても印象に残らないんですよ。
どこかにキラッと光る部分が無いと。
その意味では、常連さん達は相変わらずグッと私の胸を掴む書き方をされてい
てさすがです。

そういう投稿の中に、お二人ほどお見かけしないHNが。

初投稿でこのレベルでアウトプットが出来ると将来有望というか、すでに優秀
な方なんだろうなぁと感じた、『OTK』さんに今月は差し上げる事にしました。

追ってメールでご連絡しますが、アマゾンの5000円分の商品券が良いか、それ
ともセミナー無料ご招待が良いかを選んでおいて下さいね。(セミナーを選ば
れる場合、個別にご相談させて下さい。)


今日は本文の分量が過去最高になってしまったので、前フリはここで止めてお
きます。



☆ 原発の真の問題は未来へのツケ


昨日は経済的な側面から原発が如何にウソにまみれているかを解説しました。

昨日ご説明したのは、


  ▼ 建設費用や

  ▼ 廃炉費用

  ▼ 使用済み核燃料の保管費用


がコストに計上されていないという事だったんですが、特に最後の保管費用は
まさに天文学的金額になるはずです。

だってウランの半減期は7億年ですよ。

そして半減期とは、「今に比べて半分になる」だけで、14億年後にゼロになる
わけじゃ無いんです。(たとえ7億年後にゼロになったとしても気が遠くなりま
すがね。)

100あった放射能が、7億年後に半分の50になる。これは間違いありません。
ではさらに7億年後つまり今から14億年後にどれくらいになるかというと、50の
半分である25になるだけなんです。

つまり福島の海で魚から検出されたセシウムや、原発の近くで測定されている
セシウムの放射線って、60年経っても今の1/4にしかならないのですよ。90年経
って今の1/8、120年でようやく1/16です。

余談ですが、こういうところから考えると、現代の人類の先行文明があったと
しても(それは確かにあったと思うんですが)、彼らが原子力を使っていなか
った事は確かでしょう。原子力を使っていて、文明が滅びたのなら半減期を考
えると20億年くらい前に滅亡していないとなりませんから。未だに地球上のあ
らゆる遺跡から人口で抽出、生成された放射能遺物が見つかっていないという
事は、彼らはこのエネルギーを利用していなかったという事だと思います。


純学術的見地からいうと(誰も言いませんが)、福島の原発周辺で安全に暮ら
せるようになるにはあと少なくとも100年やそこらは必要だという事です。

そしてこれは、これ以上放射能汚染が広がらなければという前提です。


今のように、地下水汚染がドンドン広がっているようでは、200年や300年はど
うしようもないはずですし、さらにこれに半減期の長いウランやプルトニウム
の汚染を考えたら、半永久的と言えるでしょう。

これは核物理学の初歩の初歩で学ぶ事で、ちょっと原子力をかじった人なら誰
でも知っている知識です。

それすら正しく報道しないのは、明らかに政府からの圧力が存在しているんだ
と思いますよ。

だってNHKが、夕方のニュースで、


  ■ 放射性物質の半減期から考えると、どう考えてもあと100年はムリです


って言ったらおしまいですよ。

でも言わないだけで、実態はそうなっているんです。とっても厳しい話で、そ
の事実を考えるたびに腸が煮えくりかえるような気分になります。まったく誰
のどういった権限で、あの土地をあんなに汚しやがったんだ、歴代の責任者、
関係者出て来いと叫びたい気持ちで一杯です。


宇宙戦艦ヤマトがイスカンダルに放射能除去装置コスモクリーナーをもらいに
行かない限り、現代物理学では解決出来ない事実なのです。

余談ですが、コスモクリーナーという概念を考えついた松本零士って、予言者
じゃ無いか?ってくらいスゴいと思います。



話を戻すと、使用済み核燃料を六ヶ所村の地下深く埋めようという計画も、こ
れが画餅であることは半減期を理解すれば分かるはずです。


だって人類の誰が、7億年後の事を担保できるんですか?

7億年どころか、7年後にどうなるかさえ誰にも分からないのに、7億年保管して
やっと放射能は半分ですよ。

しかもこの間、冷やし続けなきゃいけないんです。

途中で冷やすのを止めたらドカンですから。


この冷やすのを止めてドカンとなったのが、福島原発で起こった事なんです。

あの時も、地震が発生した直後に、災害時のプログラム通りに核燃料の制御棒
は動いて、しかもちゃんと核分裂を停止させられたんです。つまりここまでは
全部想定内のシナリオだったんです。電力会社が、『絶対に安全です、なぜな
らばこういう安全装置がついているからです』というシナリオは正しかったの
です。
しかし、それなのに、それがこういう状態になっちゃったというところが、原
発の恐ろしいところなのですよ。

全部想定内だったのに、未だにあんなになっているのは、冷却水を動かすポン
プを動かす電気を作る発電機が、津波のせいで水を被って動かなくなってしま
ったからなのです。

電気を作る施設が、発電機が壊れたから動かなくなったとはシャレになりませ
ん。

でもそのせいで、原子炉の中にあった核燃料の崩壊熱による温度上昇を制御で
きなくなってドカンと水素爆発(東電は頑なに否定していますが、本当は小規
模の核爆発が起こったと思います)を起こしたのです。これが福島で発生して
いる問題の原因なのです。


しかもそれと同じ危険が、六ヶ所村でこれから保管する使用済み核燃料にも存
在するのです。

そしてその期間はどんなに少なくても7億年です。

こんな費用をまともに計上できるわけがありません。

だから一切、電気代に反映されていません。しかし、ツケはツケなのです。
長い目で見たら、未払いのまま済ませるワケにはいかないのです。

そんな使用済み核燃料が8900トンもあるのが今の日本なのですよ。


7億年以上も、注意深くモニターしながら使用済み核燃料が入った容器を冷やし
続けるなんてあり得ないでしょ。そしてその容器がどれくらいの期間耐えられ
るのかは、誰にも分かっていないのです。今のところ分かっているのは、ガラ
ス固化体というやり方で固めれば、50年くらいは保つだろうという想定だけで、
それ以上の事は全部将来の人類にツケを回しているんです。

7億年のうち、最初の50年分ですらやってみなきゃ分からないって、それを技術
と言えるんですかね?
そしてその処理に失敗したら福島県のように人が住めなくなっちゃうんです。


それって本当に正しいのか?という議論を、憲法問題の前に、是非国民に問う
てもらいたいと思うんですよ。


そもそも今我々が、電気を使って便利に生活をするために、7億年後の将来の日
本人にツケを回す事が倫理的、道義的に許されると思っているんでしょうか?


原発問題というのはエネルギー問題でも、経済問題でもなく、倫理的問題とい
う側面から、GOかNO GOか(やるか、止めるか)を議論するのが先なんですよ。
今の日本は、国債問題も、年金問題も、解決が難しい問題は全部未来にツケを
押しつけるというやり方で時間稼ぎをしています。国民の多くが脳死状態にな
って、ただただ自分が生きている間だけ平和で、安全で、豊かに暮らせればそ
れが一番だと思っているフシがあるんです。原発問題も同じ思考フィルターを
通して処理されてきたのです。それが福島の事故でようやく日本の一部が覚醒
したというのが今の状況なのです。



こういう議論をすると、論理をすり替えて


  ■ では地球温暖化はどうなるんだ?


って言う本当のアフォがいるモノですが、原発は地球温暖化の防止には全く役
に立たないんですよ。そして化石燃料の代替燃料にもならないのです。


確かに原発は、『発電時』にはCO2を出しません。

推進派はその事だけを大きな声で叫ぶのですが、発電が出来る状態になるまで
にどれだけ大量のCO2が発生すると思っているんですか。

ウラン235と238の分離、濃縮、核燃料の製造、運搬すべてに大量の化石燃料が
必要になるんです。つまりそこで膨大なCO2が排出されるのですよ。

ですからトータルで見たら原発でCO2排出削減は出来ません。

また、石油が枯渇したら原子力は動きません。ですから、化石燃料の代替エネ
ルギーにもなりません。(未だにこういう論を振りかざす識者って多いので注
意して下さい。)石油を燃やす事で原子力は稼働出来るのです。


これはつまり、電気自動車はCO2を出さないから環境には良い乗り物だって言っ
ている人と、脳みその次元は同じだという事です。
運転中にCO2を出さなくても、肝心の電気を作る時にCO2を出せば意味無いんで
すから。

こうやって原子力を見てみると、どこからどこまで行ってもメリットなんて無
いんですよ。


そんなモノのために、未来を人質に取られて、電気代が上がって、さらにどこ
かでドカンと起こったらその土地に住めなくなる、そんなリスクを取る事を日
本人全員は本当に合意したんですかね?


唯一のメリットは、原発があるとプルトニウムが簡単に手に入って、関連技術
を使って核兵器が作れるって事くらいです。(核兵器に転用できるウランは、
原発の燃料と同じモノで、そもそもが同位体なので分離、濃縮が難しいのです。
しかしプルトニウムは全然別の原子ですから、簡単に抽出が出来るので核兵器
を大量に作るにはこちらの方が都合が良いんです。そしてこのプルトニウムは、
ウランを原料に動かす原発では、なかば自動的に生成されてしまうのです。)



日本政府が意地になって原発を止めないのは、最後はここに理由があるからだ
と思うんですよね。


でもいくら核ミサイルを作っても、国内に原発があったら意味ありませんから。

仮想敵は、通常ミサイルを日本各地にある原発施設に撃ち込めば良いだけです。


原発というのは、相手を攻撃できず、自分たちの陣地を放射能で汚してしまう、
固定式の核爆弾みたいなモノですから。


GPSを使った誘導装置で、ピンポイントで原子炉に小型ミサイルを撃ち込まれた
らもうコレだけで終わりなんですよ。

だから迎撃用のミサイルは、全ての原発の近くに配備すべきだと思うんですけ
どね。


そんなリスクもあるという事ですよ。


それではここからは、原発推進論者が良く使うレトリックをご紹介して、彼ら
の論理がどう破綻しているかを検証してみましょう。


<<放射線の限度を100ミリシーベルトにしたのは意味が無い事だ>>

福島であの事故(正しくは事件だと思いますが)が起こってから、急遽放射線
から身を守るためのガイドラインが出来ました。憶えていますかね?100ミリ
シーベルトを超えたらヤバい、みたいな空気がありましたよね。

原発推進派の前科者某H氏は、自らの著書で、


  ■ 結局100ミリシーベルトってバカが騒いだけど、人体にはなにも影響な
    んて無かった。(だから反原発を言うヤツは放射脳だ。)


って書いていますけど、無見識もここまで来ると呆れます。

たしかにあの基準はエイヤで作ったんですよ。だから結果がどうなるかなんて
あの時点では誰にも分からなかったのです。だからといってその基準を揶揄す
るかのような発言は科学の進歩に全く寄与しないと思います。


そもそもいま地球の人間で、『何ミリシーベルトならアウトで、何ミリシーベ
ルトならOK』なんて知見を自分のモノにしている人なんていないんです。だっ
てこれだけの規模の汚染って、過去の人類の誰も経験していないんですから。
唯一記録があるのがチェルノブイリの事故ですが、あれはソ連という国の姿勢
を思い返せばどこまでが信用に足るデータなのかを疑わなければならない状態
なんです。

つまり、西側諸国の知識体系では、放射能が人体に与える影響を線引きできる
だけの経験値はないという事です。

だからこそ、可能な限りリスクを小さくしておくべきだという議論があって、
とりあえず100ミリシーベルトに設定しただけなんです。だから2年経っても影
響が無かったという事実は言祝ぐべき事なんです。

まさか某前科者H氏だって、


  ■ いっそのこと1000ミリシーベルトくらいにして死人が出た方が良い


って思っているワケじゃありますまい。

ところが昨日も書きましたが、彼のような経営者は視野が短いんですよ。
2年やそこらで影響が出ていないという事実で、真実を見切ることなんて出来な
いんです。

先ほども書いたように、人類の誰も分からない領域の話なんですから。

100ミリシーベルト以下の人にも、もしかしたら5年後、10年後に影響が出るか
も知れないんです。その意味では、今福島の人たちは壮大な人体実験をやらさ
れているようなものなのです。


経営というのは常に1年でシャッターが閉められて、そこで一度清算される世界
です。だからH氏などは、


  ■ 2年も経ってなにも無いんだから、そもそも大騒ぎしたのがバカだった
    んだよ


と考えたんでしょう。

世の中、そんな短いタームで決着がつく話ばかりじゃ無いんです。

どうなるか分からない、誰にも経験値がないという分野だからこそ、より慎重
に閾値を設定しておくという姿勢が必要なんです。なんたって相手にしている
のは人の命なんですから。


その意味では、福島の人たちに与える放射線被害の検証作業は、これから何十
年と続くでしょうし、それによって学術的に将来のガイドラインが定められる
ようになるのだと思います。


自分たちは安全地帯にいて、基準値を引き上げろと叫ぶのはとっても卑怯な考
え方で、被害に遭っている地域の人たちの恐怖を無視した非人道的発言だと思
うんですよ。放射線って目に見えないわけで、それが10年後、20年後にガンや
白血病を引き起こす危険性を持っている。そんな危険なところに住んでいる人
たちに、


  ■ 100ミリシーベルトなんて根拠が無いんだからもっと引き上げて、遅れ
    ている復旧作業をジャンジャンやらせれば良いんだよ


なんて言えるんですか?これって翻訳したら、


  ■ もしかしたらガンになるかも知れないけど、それは10年後とかの未来
    の話で因果関係は証明できないから責任取らなくて良いんだよね。ま、
    オレは安全なところに住んでいるからどうでも良いんだけどね♪


って事ですよ。

書いてて胸クソ悪くなってきたんですけど、推進派の言っている事って要する
にこういう事なんですよ。いつからこれが日本人の総意になったんでしょう
か?



<<もう廃棄物は死ぬほどあるんだからいまさら騒いでも仕方が無い>>

これまた良く聞く反論です。今から原発を止めたって、過去貯まった廃棄物は
残るんだから、止めたって意味は無いというロジックです。これって公害問題
の歴史を調査すると必ず加害者側から出てくる論法なんです。


かの名著、


新装版 合本 公害原論 宇井純著

http://www.amazon.co.jp/dp/4750506184/ref=nosim/?tag=jiateng4-22


は、水俣病を初めとする公害問題の本質を抉りだしてくれたわけなんですが、
この本の中にもそういうお下劣な方が出て来ます。

山部赤人が、「田子の浦にうち出でてみれば白妙の 富士の高嶺に雪は降りつ
つ」と歌った、世界屈指の美しい海と風景を持っていた田子の浦は、60年代に
大昭和製紙が工場から垂れ流したヘドロで完全に死に絶えました。あれから50
年経っても大昔の面影すら残っていません。

その主犯である会長の斎藤了英が、田子の浦をどうやって元に戻すのかと詰問
された時に言ったのが、


  ■ つべこべ騒いでも、もう18の生娘には戻れないんだよ


というまさに強姦魔が言いそうな捨て台詞でした。

私にとっては、


<<もう廃棄物は死ぬほどあるんだからいまさら騒いでも仕方が無い>>


という物言いは、根本のところでこれと同じメンタリティーを持つ人が言うの
だと思うのです。


  ▼ どうせ汚れちゃったんだからいまさらガタガタ言うなよ

  ▼ どうせ何万年も時間がかかるなら多少増えたって同じだよ

  ▼ ここまで汚くなっちゃったら手遅れだから諦めた方が良いよ


これって、一人殺したら二人も三人も同じだよ、という論法とどこが違うんで
しょうか。


この変形バージョンに「どうせ今ある廃棄物は無くならないんだから、再稼働
させて処理場を建設するべきだ」という議論があるんですが、これは議論のす
り替えです。廃棄物問題と再稼働問題は全然別のイッシューであって、「だか
ら」という接続詞でつなげるのがおかしいんです。


再稼働させなくても8900トンの廃棄物をどうするかという問題は解決させなき
ゃならないんです。再稼働させるという事は、この廃棄物の量を増やすという
事で、今でさえニッチもサッチもいかない廃棄物問題の解決をさらに難しくさ
せる事になるのです。



ところが経済界には臆面もなくこう言う人が多いんですよ。


繰り返しますが、『もう元に戻らない』のと、『だからこれからも汚しても良
い』は別の話です。



<<今原発を止めると、原発関連の技術者がいなくなって困ってしまう>>

これは比較的新手の抗弁手法です。ここまで開き直られると呆れてしまうんで
すが、しっかり論破しておきましょう。これまた前出の前科者H江氏がメルマガ
のQ&Aで同じ事を言っていましたし、著名経営コンサルで、原発プラント会社出
身のO前氏も同様の主旨の発言をしていたように記憶しています。


彼らはいつから原発技術者の仕事の心配までしてあげるようになったんでしょ
うか。原発技術者って全国で1万人もいないんですよ。日本の労働力人口は、総
務省統計局によると6500万人ほどになるそうです。


http://www.stat.go.jp/data/roudou/longtime/03roudou.htm


そのうち、多く見積もっても1万人しかいないエンジニアの仕事が無くなってし
まうから原発は続けるべきだと?なんでそこまで原発エンジニアを優遇しなき
ゃならないんですかね?


そんな人の心配をするヒマがあるんなら、デスドアじゃなくて、ライブドアが
あんな事になって会社を辞めなきゃならなくなった人の心配をしなさい。そっ
ちは自分のスキルでマーケットに対応しろですか?なら原発のエンジニアも、
需要のある中国や北朝鮮、イランなどに行って転職活動をすれば良いんですよ。


これは平成10年のデータですが、福島県で漁業に携わっている人は7,400人で、
彼らはみな、今回の事故(イヤ、事件だ)で仕事を失ったか、壊滅的なダメー
ジを受けているんです。

人数的にほぼ同じなんですけど、彼らを助ける前に、事故の加害者側の人間で
あるエンジニアを救うために再稼働が必要って、この臆面の無さはどういう幼
児教育の賜なんでしょうか。


O前氏などは、


  ■ ここで原発を止めて衰退産業にしちゃったら、誰が原子力関連の勉強
    をしようと思うんですか?これから廃炉するにしても技術者は必要な
    んですから。


なんてもっともらしい事を言っていますが、原発なんて日本だけじゃなくて世
界でやっているんですから、必要なら海外から調達したら良いんですよ。その
うちクラウドソーシングで原発エンジニアがひっかかるようになるんじゃない
んですかね。人件費が安いからそっちの方が安上がりになって良いんじゃあり
ませんかね。


むしろ原発の存在によって、日本全国から漁業従事者が減少しているんです。
原発停止で仕事を失う人よりも、原発が出来た事で仕事を失った人の方が圧倒
的に多いんですよ。後者を放置しておきながら、前者だけケアしようなんてへ
理屈を通そうと言っているんですね。


原発が垂れ流した温排水(核分裂で生まれた熱は最後は海や川の力で冷却する
しかないのです。それが温排水です。)で、地元の海や川の生態系が変わって
しまい、漁業が出来なくなった人が過去40年間で何万人いることか。

彼らを救わず、原発エンジニアを救う理由がどこにあるのか?
原発のエンジニアはいつから特権貴族になったのでしょうか。



<<でも再処理や処分場は作らなきゃならないんだよ>>

月曜日に来た、某有料メルマガに同じ主旨のコメントがあったので引用しまし
ょう。

「核のごみ満杯へ 打つ手なし 再処理技術や処分場も未定」という題名で、


引用ここから
>>結局原発反対派が先鋭化していることで、最終処分場も決まらないし原発の
再稼働もできず、再処理もままならず、という膠着状態が続いている。再処理
するにせよ、しないにせよ長期貯蔵をするための処分場が必要なことは間違い
ないので、まずはその確保を再優先しなければならないし、文句を言うばかり
では先に進まない。<<
引用ここまで


文面からは、反対派がグチャグチャ言うから何も先に進まないと言いたいよう
です。

これ、順序が全く逆ですから。

元々推進派が、『安全だ、問題無い!』って言い続けて、それを地元民が信じ
て原発が作られ、六ヶ所村の再処理施設が作られたのに、今回の事件でそれが
ぜ~んぶウソ八百だったという事がバレたわけです。だから、住民は反対して
いるんです。安全じゃ無い事が分かったから反対しているの。

こうやって反対派を攻撃するんなら、あんたらはその処分場の側に住めるの
か?、福島の放射能は怖くないって言うんなら今すぐ移住してみろと言いたい
んですよ。

つまり、「まずはその(場所の)確保を最優先しなければならない」というの
は大きな間違いで、最優先すべきは、


  ● どうやって安全性を担保するか、そしてそれを理解してもらうか


なのですよ。それが出来ていなきゃ反対するのは当たり前でしょ。
そして物理的に放射能の半減期を変えられない限り、安全性を担保して50年も
保管する技術が存在しない事がバレて来ているわけ。これが反対の真相であり
現実なのです。


原発というのは根拠もなく『安全だ!』と言い続ける事で作られてきたんです。
真実が見えないように、ウソにウソを塗り重ねて、危険で人間の手に負えない
モノを、


  ■ 絶対安全で、まったく問題などありません


って言い切る事で地元民を騙してきたのです。それが今回の事故で長年ついて
来たウソが露呈しただけなんです。そして正直いうと、地震対策も、活断層問
題も、高速増殖炉の事故も、再処理施設も全部実は見切り発車で、絶対安全と
言い切れる技術など何も持っていなかった事が次々に明らかに(露呈したとい
うのが正しい表現ですね)なって来たのです。


それを言っちゃうと全部がパーになっちゃうから、未だに「安全だ」、「技術
はある」、「ちょっとヒューマンエラーが起こっただけ」とウソをつき続けて
いるのです。実態としては、安全性の担保などどうやっても誰にも出来ないは
ずですよ。


それならそれでどうすべきなのか。
担保できないのなら、まずは歴代の関係者全員が懺悔して、


  ■ 申し訳ありません、トンデモ無いモノを作ってしまいましたm(__)m


と謝罪すべきで、それをやって初めて次のステージに行けるのですよ。


良く考えて下さい。福島の汚染水ひとつ満足に収拾できないのが現実なのです。
たかだか地下水でさえ、放射能汚染が起こったら手の出しようが無いのですよ。
(あれだって数十年はタンクに入れておかなきゃいけないのに、タンクの耐用
年数は5年だそうですよ。そのあと作り直して入れ替えでもするんですかね?さ
らに汚染水は増え続けているのにね。もちろんこの費用も将来的には電気料金
に跳ね返るんですよ。)


そんな現状を認めもしないで、「必要だから作りたい」と言ってもだれも協力
するわけがないんです。


そもそも40年前に発電を開始した時から、処分場の問題は反対派から突っ込ま
れてて、それを東電、御用学者、官僚、政治家がムシしたまんま延々と発電を
続けたという歴史があるわけ。私がこの勉強をやり出した25年前だって、


  ■ 原発はトイレのないマンションのようなモノ


という表現で、処分場が作れないから止めなきゃいけない、って言われていた
んだから。

それを、「(反対派が)文句を言うばかりでは先に進まない」とコメントする
のは確信犯にしろタチが悪い批評で、もう一度刑務所に戻って反省したら?と
言いたくなるんですわ。



<<原発が止まっているせいで、火力発電に無茶な負荷がかかっている>>

これは奇妙キテレツな反論で、全然反論になっていません。たしかに火力発電
所の稼働率はあの事件以降限界に近い状態です。でも、だから何?というのが
私の感想です。昔アナウンスされた東電の大本営発表によると、


  ■ 原発は電気の1/3を作っていて、これが止まると電気が足りなくなりま
    す


ってアジっていたんですよ。(今の現実をみたらこれがアジテーションだった
って分かりますよね。私たちは当時からこれが大ウソだって言ってたんですけ
どね。)

あれは最初から、原発の稼働率を上げるために火力発電所を止めて作った偽り
の数字なんです。東電もバカじゃありませんから、万一原発が止まった時のた
めに(それは他の発電方法よりも格段に高い確率で発生するであろう事は彼ら
自身が認識していたはずです。)、他の発電施設をちゃんと温存していたんで
すよ。それが今になって活きているというだけなのです。


ですから、大本営発表の中身が「電気が足りなくなります!」から、今度は、
「火力発電がパンクします」に変わっただけで、いつまで経ってもオオカミは
来ないのですよ。大本営発表ってそういう事ですからご心配には及びません。


こと原発に関しては、東電は40年以上もひたすらウソをつきまくってきたので
す。反原発の歴史とは平たく言えば、東電のウソ、欺瞞を暴き続けた歴史でも
あるのです。そんな彼らがあの事故を契機に、


  ● もう二度とウソはつきません。今度こそ信じて下さい!


って土下座をしたというのなら、一度くらいは信じてあげても良いと思うんで
すけど、あの事故のあとだってずっと「ばれるまでウソを突き通す」という姿
勢を変えていないんですから。という事は真実は彼らの発表の真裏にあると考
えるのが正しいはずなんです。


ちょうど今の時期は、暑くもなく寒くもなく、ちょうどよい気候ですよね。こ
ういう時に、東電は人知れず老朽化した火力発電所の整備、点検に躍起になっ
ているはずです。なんたって今度こそ、火力発電所が止まったら電気が足りな
くなるんですから。でもそれって本来の東電の仕事ですよ。まさにビジネスア
ズユージュアル(日常業務)そのものです。その日常業務が辛くて大変だ、と
いうのならこれを正すのは東電の経営者の仕事で、それをマネジメントという
のです。我々利用者が心配するようなイッシューじゃありません。

こういう論を言う人って、まさか東電に火力発電所の整備をさせたくないから
原発を動かせって言っているんですかね?


ま、その結果、今年の冬も楽勝で乗り切れる事でしょう。
今年の夏は記録的猛暑が全国的に続いたんですが、電力供給が95%を超える日は
ありませんでした。(95%を超えるとヤバい状況、98%になると危機的状況と言
うらしいです。)東電管内では原発稼働がゼロだったのに、余裕だったという
のが数字が証明している事実なのです。



ちなみにこの論の発展形が、


  ■ 無理矢理火力発電所を稼働させたら事故が起こってしまう!


という本当にどうしようもない下らない言いがかりなんですが、これには、


  ● 原発事故と火力発電所の事故ではどっちが悲惨だと思ってるんだ?


って言ってあげましょう。

火力発電所で事故が起こっても、2年も経たないうちに事故の痕跡すらすべて消
せますが、原発の場合には2年経ったのに状況はより悪くなっているんですよ。

ならどっちを動かすべきかは議論の余地など無いはずなんですけど、ヒステリ
ックに原発マンセーを叫ぶ利権屋もしくは無知層は、そういう冷静な思考を涅
槃の彼方に置いてきたようです。



まだまだ言いたい事はあるんですけど、これくらいにしておきましょう。

原発に関する議論をするのなら、これくらいの事は知っておいてからやって頂
きたいと強く思うわけです。

とはいえ私は原発反対だけを訴えた政党には投票していないんですよ。

だって政治とか生活って、原発だけじゃありませんからねぇ。


だから民主党政権が原発見直しを言った時にはチャンスだったんです。
でも彼らも勉強不足で、官僚と東電、そして産業界に言いくるめられて終わっ
ちゃいました。

原発を作ったのは自民党なんですから、彼らが政権を持っている時に事故が起
こったら良かったんですがね。今の自民党は菅直人に責任を押しつけて自分た
ちは悪くなかったかのように振る舞っていますが、元々は自民党の総裁にもな
った中曽根康弘と、読売新聞の正力松太郎が原子力予算をとってきたんです
よ。

日本を地獄に引きずり込んだ張本人があいつらで、その片割れが今や大勲位と
はブラックジョークにもほどがあると思うんですけどね。(もう片一方の後継
者が日本を代表する老害ジイさんですね。)


その意味では、引退した小泉純一郎氏は見事な変わり身だと思います。
今では講演で脱原発を言いまくっているらしいですから。
ま、引退したから言えるという事もあるわけで、それくらいこの原子力産業っ
てマフィア的な構造を持っているんだと思います。

それを変えるのは国民ひとりひとりの知性なんですよ。


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