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第47回目(2015年3月)の課題本

3月課題図書

 

データの見えざる手: ウエアラブルセンサが明かす人間・組織・社会の法則

 

です。

いま盛んにビッグデータと言われているんですが、ビッグデータを解析するとビ

ックリする事が分かるんですね。ここで使うデータというのは、一人ひとりのク

ビからぶら下げる社員証のような大きさのカードから送信されるデータです。こ

のカードには加速度計や赤外線センサー、周囲の音量を測るセンサーが内蔵され

ていて、これを身に付けている人がどこにいてどういう動きをしているのか、そ

の人の正面に人がいるのか(赤外線センサーによってそばに人がいるかどうかが

分かる)というデータを1秒に50回サーバに送るのです。


このデータが一人分だと全く何も分かりませんが、集団たとえば社員全員がこれ

を付けてデータを集めると、ここから社員の幸せ度合いとか、幸せになるために

必要な行動とかがデータから読み取れちゃうんです。


さらにはここからその社員が運が良いかどうか、運が悪い場合にはどういう行動

が必要かなんて感じの怪しい系の世界でしか論じられないテーマも、実はビッグ

データを分析すると見えて来ちゃうらしいのです。


しかもこの装置を作ったのは日本人で、この本も日本人が書いているんです。こ

ういう本って面白いのはいつも外国人が書いたモノばかりだったんですが、よう

やく日本人にもこんなスゲェ研究をやる人が出て来たんですね。


怪しい系とロジック、そして科学的アプローチが好きな人は、絶対に読んだ方が

良いですよ。これの3つの要素がひとつに融合する珍しい事例に胸がワクワクす

るはずですから。

 【しょ~おんコメント】

月優秀賞

 

いつものように一次選考を突破した人を列記すると、gizumoさん、dukka23さ

ん、BruceLeeさん、satoyujiさんでした。内容的にはBruceLeeさんがひとつ頭

抜けていたんですが、あのネタは(面白けど)やり過ぎでしょ。真面目な投稿

と笑える投稿をセットにすると当選するよと思われるのもなんなので、今回は

satoyujiさんに差し上げる事にします。

最後の、「データというアプローチで人のことがここまでわかるようになった

のか。でもそれを知ってどうするかは一人一人に任されているよね」というコ

メントは私の感想に近いです。

この本でスゴいと思ったのは、今まで科学的に語れなかった領域のものをデー

タで測ったという事と、そのためには人間がアナログ的思考で定義を作らなき

ゃならないという、結局データがスゴいのか、人間がスゴいのかよく分からな

い話になってるというところだと私は感じたんですが、satoyujiさんはそれに

近いところを感じたようだったので、この方を選びました。 

 

【頂いたコメント】

 
  投稿者 jorryjorry55 日時 2015年3月26日

「データの見えざる手」を読んで。
最初に思ったことですが、時間は意思により自由に使えると思っていた、というか、それが当たり前じゃん!と思っていたから、衝撃でした。まさに時間は有限であるというのを再認識した次第です。
また、このウェアラブルセンサは色々なところに使えて非常に有用だとは思いますが、使い方を間違えると凶器にもなるので、実用化までにはまだまだハードルは高いと感じました。デメリットをいかに潰して、メリットを高めていくか、そんな事を考えながら読んでいました。ふとした思いつきから色々な事が実現可能なんだなと、これまた再認識しました。まさに、思考は現実化する、ですね。
さて、内容についてですが、最初はリストバンドだけでそういったことが計測できるのか?と思い読み進めていきましたが、一人だけでなく、複数人のしかも丸一年にわたる計測結果がそれを如実に表していますが、偏った集団のしかもサンプルサイズが非常に少ないデータの統計的な信頼性は如何程なのだろうか。残念ながらそこの部分を読み取る事が出来ませんでした。とはいえ、物理的な制限がある事には、なるほど、と思いました。実際に、業務開始前に、その日の業務を優先順位をつけてリストアップして実施していますが、量的に1日ではちょっと無理目な時、最初飛ばして仕事すると大体午前中で息切れすることが多々あります。量的に余裕な時はゆっくりやって早く終わったとしても、じゃあ次の日の分をやるか?というとそんな事はなく。この辺は私の仕事に対する姿勢の問題かと思っていましたが、そうじゃないんですね。もちろん、100%そうじゃないと思いますが。
次に、ハピネスを測定した部分では、名札型ウェエアラブスセンサってすごい便利、私が勤めている会社が導入すれば、無駄な業務の洗い出し等色々と見える化出来て良いのではないか?と思ったものの、ちょっと待てよ、と。普通に業務をしている分には全然問題ないですが、勤怠管理に使われたら首切りが容易に行えてしまうのではないだろうか?と不安を感じました。導入するにあたっては労使で話し合いをするだろうから、そういった心配は過剰反応とは思いますが、出来ないことではないでしょう。実際に、マネージャーや外回りに行く従業員には会社がスマホを支給していますが、会社が簡単にそのスマホの位置を特定することが出来ますから。幸いにまだ内線としては使用していないので、ガチガチに管理されているわけではないですが、それでもそのスマホを持っているだけで変なことはしないという意識が無意識に働くと思うので、会社としてはメリットが大きいでしょう。
話を戻して、ハピネスを測るにあたり、コールセンターの人たちを対象にしていますが、これもサンプルサイズ及び業種が限定されており、統計学的な信頼性は如何なものか?という懸念が拭えません。筆者は海外でも同じデータが得られたと言っていますが、あくまでもコールセンターのデータ。実際問題どうなんでしょうか。ただ、活発な職場が良いというのは私も賛成します。みんなが一言も喋らずに、黙々と仕事をしていると、自然と暗くなってしまいます。私が所属している部署は結構和気藹々(仕事をせずにお喋りばかりでは勿論いけませんが)と仕事をしているため、みんな楽しそうだね、と他部署の人から言われたことがあります。確かに仕事をしていて楽しいです。
それから、話をする際に、体をよく動かすと良いそうですが、私は良く手が動くのですが、側から見ていて、大げさかな?煩く見られないかな?となんとなく思っていたので、これからは気にせずに今まで以上に動かそうと思いました。

さて、ここからは完全に個人の話です。本文中にApple創業者であるスティーブ・ジョブスの話が出てきますが、そこに出てきたノーベル賞受賞者であるポール・バーグさんとは一度お会いした事があります。見たというレベルではなく、一言だけですが、会話もしたので、自分の中では「会った」です。今まで、ノーバル賞受賞者二人とお会いした事があります。いずれも大学4年の時ですが、当時自分の大学ではなく、指導教官に無理を言って、自分で東大の医科学研究所にアプローチしてその中のある研究室で卒論研究を行っていました。そこの研究室の教授がその二人と親しく、その教授に会いに来日した時に、お会いした次第です。今から思えば、そういった機会も自分で色々と動いた結果なんだなと思います。若かったからこそではありますが、日本最高峰の研究室に自分で飛び込みで、研究をやらせて欲しいとお願いした事は自分でもよくやったなと。そこに、一年だけとはいえ所属して一緒に研究出来た事は誇りに思います。ただ、やはり東大。私とは頭の構造が違うな、というのは痛感しましたが。それも、そこに飛び込んだからこそ実感できたわけで、この本を読んでいて、あの時のことがふと蘇ってきて、またあの時のように頑張ろうと思えた次第です。

ありがとうございます。
 
投稿者 munetaku 日時 2015年3月30日

■U分布の意識的利用
全てはU分布に従うという物理法則に従っていることに驚いた。
これを利用すると、1日の自分の行動計画を最適化出来そうである。。
1日中机でじっと考え事をし続けることも、反対に、1日中手を動かして作業し続けることも出来ず、
無理に分布に偏りが生じるような行動を取ろうとすると集中力が低下して作業効率が落ちてしまう。
なので、その日の予定を立てるときに、動と静の行動をバランス良く配分することが出来れば、
集中力が途切れることなく、効率良く仕事が出来る。

さらに、朝起きた時に何をするかを日によって変えるのが良さそう。
例えば、その日は重要な会議があって、じっくりと考える時間が予定されているならば、
会議は静の行動なので、朝起きたら動の行動である散歩などを取り入れると、会議に集中出来る。
逆に、その日はバリバリと作業する予定があれば、朝起きたら静の行動である瞑想などを取り入れる。
デキるサラリーマンが散歩や瞑想をするのも実はこの辺につながりがあるような気がしてくる。
身体は心を制御する、というのを身に沁みて感じているのかもしれない。
散歩によって身体と脳がリンクして共に動の状態になる。瞑想は身体も脳も静の状態になる。
身体と脳は切っても切り離せない関係にあるのだろう。

誰もU分布からは逃れられないが、分布の広がる範囲は人それぞれである。
この分布範囲を広げることも考えたい。
エラい人、デキる人は精力的に動く人が多い印象があり、動のMAX値が大きい。
その上で瞑想などの静を取り入れると動と静のギャップは広がり、全体として広範囲な分布になる。
すると、行動を配分する幅も広がり、柔軟に配分することが出来そうである。

■行動するほどやめられない
ある行動をして、次にその行動をするまでの空白時間が大きくなると、行動をやめる確率が高くなってしまう。
ここから言えるのは、習慣化したい行動は毎日続けること。
1日くらいサボってもいいや、と空白を作ってしまうと次の日はもっとサボる確率が上がる。これは体験的に良くある話。
習慣というのは、ギア比の高い自転車を漕ぐようなもので、最初は回すのに大きな力が必要であるが、
漕いで進んでスピードにのるほど漕ぐのがどんどん楽になっていく。
習慣の壁に3日、3ヶ月、3年があるとしょうおんさんが言っていたのもここに理由があるのだろう。
本書では行動するだけで幸せになる、とあり、結果は問わないというのだから、この言葉だけでも非常に勇気づけられる。

人は本来集中するのが自然な状態、というのも良い言葉と思った。
人は好きなこと、夢中になれることをするのが自然な状態だ、と言っているのに等しい。
イヤイヤ仕事をするから集中出来ずフロー状態になれずにストレスが溜まる。
好きなことであれば、多少困難であっても諦めずに夢中になって取り組むからフロー状態になってストレスもない。

■ミクロのやり取りがマクロを作る
部署の会話を増やすだけで仕事の効率が上がる。
部署全体を制御しようとするのは大変だけど、例えば、日々の挨拶のような些細な行動がむしろ重要である。
当事者達も気づかないような些細なことが潜在意識に影響を与えていると思うと面白い。
自分に出来ることは日常の些細な行動を大切にすること、そして、運のいい人に多く会って一緒にいる時間を増やすこと。
いわゆるセレンディピティは運のいい人に会う機会を増やすことで生まれてくるのではないだろうか。

■説明不能なものの重要性
今までは、部署の会話を増やせば売上が上がると言われても、効果が測れず科学的に説明出来ていなかった。
このような説明出来ないけど経験的に効果がありそうなことは多く存在する。
本書の手法によって散歩や瞑想の効果も測れるようになりそうである。
本書を読んで、説明不能、怪しい話こそ実は効果があるのでは?と思える。
特に、昔から良いと言われているようなことは、多くの人の経験によって伝えられているのだから
根拠は無くても語り継がれるだけの何かがあるはず。
古典、歴史を学ぶときに、事実だけではなく、昔の偉人や賢人の経験を疑わずにそのまま受け入れる姿勢も重要と思える。
昔の人達は科学が未熟だったからこそ、身体で感じられるものを重要視していたはずで、そのような
目に見えないものを観る力に長けた人の思考や体験をトレースすることで自分の観る力も養われる。

■機械と人間の住み分け
人には及ばないと思われていた領域で機械が優れた結果を示したのを受けて、
これからはますます機械に仕事を奪われるのではないかと恐ろしくなった。
人にしか出来ない仕事は何なのかを考えておかないとならない。
人とつながることはなくならない。人の心を汲んだ仕事が残っていくのかもしれない。
 
投稿者 sakurou 日時 2015年3月30日

本書は近年話題で急激な技術発展途上にあるビックデータ、人工知能(機械学習)について、ビックデータという言葉が出る前から研究してきたトップレベルの技術者である日立中央研究所の矢野和男氏が人間行動について論じたものである。

本書が他の統計・ビックデータ本と一線を画するのは、自らの実験を基に、運、幸福といった非科学的のように思えるテーマにチャレンジし、普遍的な行動法則を科学的に裏付けていている点である。

例えば、「自ら行動する人は課題解決能力が高い」というのは、終盤で触れられている「天は自ら助くる者を助く」という教えそのものであるし、「運も実力もうち」という言葉についても、本書で他社と積極的にコミュニケーションを取り、必要な情報を他者から得ている行動が課題解決につながり、成果を上げ、更に新たなミッション、チャレンジにつながる、つまり、運を引き寄せるということになる。

そういえば、先日、現行GT-Rの開発者である水野和敏さんも「バカになれ」という本の中で家相や神主さんの話について論じている一節があり、科学と無縁と思われる技術者だが、トップクラスになればなるほど、運とか気といった非科学的なことを信じている、ということに気付かされた。
水野さんも靴の履く順番等、非常にジンクスにこだわる。
ジンクスにこだわるということは良い気の流れを作ることであり、その積み重ねがよい仕事を作り、良い人生を作ることにつながるということに改めて気付かされた。

本書の中で2つのトピックを取り上げたい。

1つは、幸せに関する記述である。

コールセンターという、個人単位でかつクレーム対応等、ストレスの高い業務を進める部署での幸せ感向上や生産性向上に休憩時間でのコミュニケーションが寄与しているというのは非常に共感するものがある。

本書でも触れらている通り、日本企業のコミュニケーションがメール中心になる中でFace to faceのコミュニケーションが失われた結果、日本企業の競争力が失わわたとすれば非常に由々しきものがある。

以前訪問したシリコンバレーのIT企業ではどこでもオープンなディスカッションスペースいくつもあり、あちこちで社員が議論しているのに興味深かった。

雑談も含めて、社員のコミュニケーション活性化が社員の幸せ感向上につながることが分かっているなら、企業は社員の意識改革を進めるべきだし、そういう企業が成長につながるように思える。

思えば、私もいろんな職場にいた。雑談が多い職場もあったが、その方がきつい仕事でも楽しくできていていた気がする。

私は昔からメール、電話、Face to face等、コミュニケーションメディアはきちんと使い分けなければいけないと思っている。

コミュニケーションの8割はノンバーバルなものである。情報はメールでも伝わるが、意図や思いはメールでは伝わらない。
シリコンバレーでパーティーなどのソーシャライジングが盛んなのは、日々の飲み会を通じて情報交換や強い信頼関係構築のためである。

スマホを含め、ディジタルツールが普及していく中で、ノンバーバルなコミュニケーションの重要性を伝えていかないと幸せな世の中は作れないし、少なくとも自分は幸せになれない。

もう一つ取り上げたいトピックは、後半で出てくる機械学習の普及が人の仕事のあり方を大きく変えてしまうことである。

今月終わったマッサンでも娘エマがタイピストだった通り、当時は最先端で花形職業だったが、OA化の普及により、廃れてしまった。

近年話題のデータサイエンティストも経験に基づく仮説構築と検証に基づくソリューションの提案が柱なので、仮説構築・検証ができる「人工知能H」に取って代わられる日が遠くない、つまり、「統計学が普及することで統計の専門家さえ失業の危機に瀕する」というジレンマを感じるし、機械学習についてホーキング博士は「完全な人工知能の開発は人類を滅亡に追いやる危険がある」と懸念を表明したという点も気にはなる。

しかし、失業しない方法も本書にはしっかり書かれている。

人間でしができないこととして、問題を発見、未知の状況で業務推進する、責任を取る、という3つが取り上げられている。

よくよく考えるとこの3つは管理職・経営者の業務であり、前半の話を含めるとコミュニケーションが取れたチームを作るということが重要ということが分かる。

しかし、これらは管理職・経営者だけではない。

人は誰しも自分の人生の経営者であり、家族を良い集団にしていける立場だからだ。

このようなスキルを高めることが自分の価値向上、ひいては自分や周囲の幸せや開運につながるのであれば、実践するしかない。

まず、自分のやることが機械に取って代わられるリスクがないか十分考える必要があるし、機械では絶対できない職場や家庭等、身の回りとの質の高いコミュニケーションから、良い習慣・良いジンクスを作ることからスタートしたい。

 
投稿者 gizumo 日時 2015年3月31日
 
「データの見えざる手 ウェアラブルセンサが明かす人間・組織・社会の法則」矢野和男著を読んで

「怪しい系とロジック、科学的アプローチの融合」という課題本の紹介コメントにドキドキしつつ、自分に理解できるか不安いっぱいで手に取った本だった。
しかし、挑戦してきた課題本の中でも断トツで面白かった。内容が「わかるか」「わからないか」と言われると“分布”やらなんやらで「ちんぷんかんぷん」の面も多かったが、雰囲気は「そうそう!」や「やっぱりそうなんだ・・・」的なことが多かったのは不思議に思える。

時間の使い方や腕の動きなどの人間の行動までが「エネルギー保存の法則」の影響を受けている、という壮大かつ大胆な提言。さらには、「ハピネス」さえ図ることができデータ制御できるというからオカルトに近い感覚である。
「なんとなく」が科学的に証明されたのであり、これらのデータを活かすべき研究を日本で実現できたことは奇跡に近いとも思われる。いや、日本だからできたのか?

コールセンターや店舗オペレーションでの事例を読みながら、よく知られている「ホーソン実験」を思い出した。確かに業務でもはっきりとした理由はなくとも「雰囲気や空気感」、いわゆる“気”が良いところは業績が良かったりといったことは経験する。
それらが「ウェアラブルセンサ」による「ビックデータ」により実証されたという事はまさに「怪しい系とロジック、科学的アプローチの融合」であり、大いに感動する箇所であった。
客導線のデータから客単価アップの「コンピュータVS人間」の対決もコンピュータの圧勝という結末で、人間心理に係ると思われていた「経済活動」ですら科学的に解明されるなんて・・・。

著者の経験でもある「社内運動会」への取り組みも興味深かった。自身の実体験からも、一昔前の会社行事と言えば何よりも優先される業務であった。確かにそこで発揮される集中力やリーダーシップ、団結力などが優秀なチーム、リーダーは通常(?)の会社業務も飛びぬけて優秀であった記憶がある。
バブル崩壊以降、やはりそのような行事への取り組みや会社・組織への帰属意識は大きく変化したが、何か「ぽっかり」と欠けた喪失感ともやもやした疑問はそこだったのかと思い当たる点が見つかった。
見かけ上は、スマートに支障なく会社運営ができてはいるもののやはり人間の集団であり、同じような行動・思考の集まりで根本が変化していないためにどこか熟成しなかったのだと理解することができる。
ここ十数年で人間の根本がそれほど進化するはずはなく、当然と言えば当然で苦笑とともに安心したりする。

「直島宣言」なる画期的な取り組みは、今回初めて知った出来事であるが、このような取り組みが日本で行われたことは大いに期待したい。
また、最近のニュースで「福岡市がウェアラブル端末特区づくりに乗り出す」とのこと。こちらも大いに期待・注目していきたいと思っている。

ビックデータの活用により、人間の行動等々が予測・コントロールできることは画期的ではあるものの天邪鬼的に「偶然」という言葉がとてもありがたくたいせつに感じた。老婆心ながらビックデータが「パンドラの箱」にならない事を願ってもいる。

 
投稿者 049158 日時 2015年3月31日
 
「データの見えざる手」を読んで

本書では「ハピネス」という言葉を用いていましたが、人間にとっての”幸せ”とは?
という観点で本書を掘り下げてみました。

私は、これまでの人生で、”幸せ”を感じた時、何が最も影響しているのだろうかと
悶々と考えて生きてきましたが、本書では『遺伝的な影響が50%、環境要因(①人間関係②健康③お金)
が10%、残りの40%が行動することによって得られる”幸せ”である』と明確に示されておりました。
このことには、かなりビックリさせられました。
これまでは、人が幸せを感じるのは環境要因が殆どであると信じて疑っていなかったからです。

今の世の中、モノが溢れ、人の基本欲求を満たす環境要因では十分満たされるようになりましたが、
本当の幸せとは何か、一番大切なものを忘れてしまっているような気がします。
そんな中、本書は、センサーを使ったデータを用いて科学的なアプローチで、
気付きを得るためのツールとして非常に有益なものになると思いました。

その中の1つが、時間管理の重要性を再認識したことです。フロー状態になれば行動を継続することが
可能であることは、これまでの経験上、何となく気が付いていたのですが、
夢中になっている時は、時間も忘れ、感じる時間も早く、非常に幸せを感じていて、
あとの疲れもあまり残らない。体力的な疲れはあっても精神的な疲れは全くない状態という感じです。
ただし、本当にココロから楽しいことをしていたらという条件は付きますが、
より活発に行動できているときが、幸せに繋がっていると思いました。
ちょっと変わった視点でギャンブル化しているパチンコで例えると、
じっとして、1つの台から動かない人は、勝てないのと同じであると思いました。
つまり、どういうことかというと、どうやったら勝利できるのかを必死で考えて、店内をぐるぐる回り、
より良い台を見つけ、プロは一か所に留まらない。このことも幸せにつながっているのかなと思いました。

また、1日の活動(活発度)には活動限界があり、自己否定しなくても良い言い訳に
少し救われた面がありました。さらに、人の行動原理が方程式で示されることの驚きもさることながら、
行動すること(活発度を上昇させること)で幸せを感じることは、非常に有益な気付きとなりました。
人は、知識を学ぶだけでは幸せを感じられないようにプログラムされていて、
知識→経験→行動 の最後の行動が幸せを感じるために最もパワーが高いことは、
行動(活発度)しなくても幸せなら、人類の発展、進化はなかったはずであるから十分、頷けます。

標準化の弊害もありがたい気付きでした、本書の幸せ定義では、たった10%の環境要因でしかない
部分を改善しても、人は幸せを殆ど感じないのであれば、費用対効果が乏し過ぎますよね。
人でなければ出来ない付加価値の高い仕事、知的労働生産とも言われますが、
ますます、こっちの方向へシフトしていくだろうと痛感しているところです。
人がやるべき仕事として残すべきことと、変えるべきことの線引きを
いつのタイミングでやるかは、やはり、人にしか最終判断できない領域であると思う。
こういった判断業務などは、いくらデータ解析により科学が発達しても人の能力を真似することは難しいとこだと思います。

現在、情報革命が起こり、爆発的に情報が溢れ出し、情報過多の時代ですが、
ビッグデータは、如何に人が幸せになるかを見つけるためのツールとして扱うのものであり、
機械、コンピューターに使われる人間ではなく、機械、コンピューターを使って、より人が幸せになることは、
ウエアラブルセンサーから得られたビッグデータの使い方次第であり、
従来の人の仮説に頼らないビックデータ解析から得られた新たな知見を
人間がどのように扱うかが問われる時代が来ているのだと思います。

今後、ますます、頭脳を使わない人と、使う人の富や、幸せを感じる能力の差が激しくなると思うのですが、
学ぶ事や、より活発に行動することが、幸せに繋がっていることを、より科学的(論理的」に証明できれば、
怠惰に過ごしている人を否定するわけではありませんが、多くの人が幸せに近づけると考えました。
要するに、定量的な説得材料として使えるため、今まで非科学的なことを拒絶反応していた人たちにも
先ず、受け入れてもらえる可能性があることが素晴らしい成果であるとも思いました。

最後に、初めて投稿させていただきましたが、行動する(アウトプット)することを意識して、
本を読むことが、自分の学びのためには、より効果的であることを行動により実感し、
また、幸せを感じることにも繋がっていることに感動し、本書を紹介して頂いたことに感謝いたします。

このような良書との出会いに感謝いたします。
ありがとうございました。

以上
 
投稿者 mahoro 日時 2015年3月31日

後輩:センパイ、その本、ホリエモンのメルマガの記事の中で、
   著者の人が堀江氏と対談っていうか、インタビューっていうかで、
   紹介されてるんスけど、最近流行りの、ビッグデータがテーマの本、
   ってことで間違いないッスか?
先輩:そうなんだけど、それだけにとどまらない。ビッグデータの分析結果が、
   常識的な経験則だけじゃなくて、従来の理論的枠組みまで書き換えちまう
   可能性もあるって点では刺激的な問題提起をしてる。
後輩:やっぱりバリバリ理系の本なんスかね?自分、ド文系なもんで、
   読んだって理解できないかもしれない。
先輩:「ド文系」はお互い様だよ。理系の専門書ってわけじゃないけど、
   「対数」の大まかな概念は自分なりにおさえておいたほうがよいかもな。
   俺だってもちろん厳密に理解してるわけじゃないけど、
   データの値が極端にデカかったり、極端に値が変動するときに、
   そのデータの値を表現したり、記録したりするときに使われることが多い
   数の表現方法ってとこかな。
   俺のこの理解、間違ってるかもしれないから真に受けないでくれよ。
後輩:「かける十の何乗」とかで後に続く位を表現する数値の書き方ッスね。
先輩:そうそう、それ。たぶん。
後輩:ホリエモンのメルマガにも、店の中で客と店員にセンサーをつけてもらって、
   それぞれの動きを集計してコンピュータで分析したら、
   売り上げを上げるために効果的な店員の配置方法がわかって、
   実際にそれを試したら、売り上げが大きくアップしました、
   みたいな話が出てくるんスけど、正直本当ッスかね?
   たまたまそうなっただけの可能性だってあるだろうし、
   そもそも、ビッグデータがテーマの話って、システム屋が大掛かりな
   ITシステムを売りつけようとする口実として、
   たまたまうまくいったケースを無理やり普遍化してるんじゃネェのか、
   って思いますよ。
先輩:確かにこの本を読んでて、「ウソ発見器」のことを思い出したよ。あれは、
   要するに被験者に電極をつけて、それをポリグラフとかいう機械で記録しながら、
   取り調べをして、生理的な反応に変化があるかをみるものなんだそうだけど、
   それが犯罪捜査に革命的な変化をもたらしたかっていうと…
後輩:機械でウソが見抜けるんなら警察の取り調べはいらネェッス。
先輩:そう。俺も詳しく知らないけど、少なくとも日本では裁判での物的証拠には
   ならないらしい。ビッグデータの解析云々がお前の言うとおり
   システム屋の陰謀なら、嘘発見器は心理学者の自己満足だったのかもしれない。
後輩:その話、この本とどう関係するンスか?
先輩:この本で紹介されている研究結果って、
   センサーから得られる情報と人間の行動との結びつけの前提や解釈が、
   なんか無条件というか、恣意的になされているような気がするんだよ。
   それは単純に、書いてると長くなるからわかりやすくまとめてるだけなのかも
   しれないけど。
後輩:さっきのウソ発見器の話だって、反応が出やすい人と、
   出にくい人がいるはずなのに、個々の人間の個体差みたいなものを意識しないで、
   十把一絡げに人間を扱おうとしてるところに無理があって、それと同じじゃないか、
   ってことッスか?
先輩:その通り。人間をなんか実験動物みたいに扱っていて、あえてそうすることが、
   新しい知見をもたらす可能性も、確かにあるんだろうけれども、
   ウソ発見器だって昔はそう思われていたんだろうし、「ド文系」の俺には、
   どうしてもそのあたりがひっかかるんだよなあ。
   もちろん、従来の理論的前提の批判的な検証が論理的にされてるし、
   トンデモ理論だとかトンデモ研究だとかいうつもりは全然ない。
後輩:学問的にも意味があるから、こういう研究をすることには十分意義があると?
先輩:全くその通り。ひょっとすると、電子顕微鏡の発明が分子生物学の進歩を支えた
   ようなことが今後起こるのかもしれないけど、確かに、
   「ビッグデータはシステム屋の陰謀」ってとこもあるから、、
   引っかかるところもある、というわけだ。
後輩:SISだのナレッジマネジメントだのデータマイニングだの、
   いろいろありましたからね。システム屋さんが新しい言葉をつくって
   煽ってくるのって。それじゃそろそろ失礼するッス。
 
投稿者 6339861 日時 2015年3月31日

「人間、楽しいから笑うのではなく、
笑うから楽しい」と聴いたことがある。

この理論から、
「ハピネスを感じているほど、体の動きが大きくなる」
のなら、体を大きく動かしてみよう、と考えた。

まずは、毎朝のラジオ体操で試してみた。
私は関節や筋肉の可動を意識してひねりを入れたり、
手足をより遠くまで伸ばすように体操してみた。

たしかに、体を大きく動かしたほうが気持ちがよい。
周囲の人をよくよく観察すると、動きの鈍い人ほど暗い顔をしている。
体の動きと心にはつながりがあるようだ。

また、議論の場においても身振り手振りを意識して
多くするようにしてみた。
といっても使うのは手が中心であるが、
発言のリズムと手の動きを同期して話すと
抑揚が出てきて頭で考えたことがすんなりと
出てくるような気がしている。

今、私の職場では、ちょっと遅めの事業計画の策定を行っている。
本の中で、コミュニケ―ションの双方向率を高めるには、
「少し挑戦的な目標を共有するとよい」との記述があったので、
みんなで少し挑戦的な目標を掲げるよう意識して発言してみた。

手が届かないような非現実的な数字でなく、
反対に簡単すぎるわけでもない、
積み上げた根拠からこれならいけそうだと
合意できる売上目標にしよとうと働きかけるよう発言していくと、
メンバーからネガティブな意見が消えた。


これは、どんでもない技術が開発されたと驚いた
しかも、すでに日立ハイテクノロジーズ社から
サービス提供が開始されている

この技術をマーケティングに活用すれば
今まで誰もできなかった、改善(売上向上、コストダウン等)
が実現できると考えられる

一昔前にAmazon等のレコメンド機能を見たとき
革新的なマーケティング手法が出てきたなと驚いたが、
その時と同じ衝撃を覚えた。

少し前に「仮説思考」という本がベストセラーとなり
仮説構築の有効性について、この本から学習したが
「仮説立案」はあくまで人間の経験や知識によるところが大きいと
思っていたものが、ビッグデータを活用した
コンピュータ技術により、仮説立案されるとすれば、
これほど汎用的かつ強力なものはないだろう
また、人間オリジナルの分野にコンピュータが
進出してきた感覚である

今後は、人間はこういった「運転判断型」コンピュータを
使いこなして、さらに上の技術知識を作り上げる必要があるのだろう

本書では、「ビッグデータで儲けるための3原則」まで提示されている
そして第一原則で、財務的な利益に直結させるという超現実的な
目的を設定している

しかも、営利活動を4層に分割しているがこれは、バランススコアカードの
考え方と同様で極めて合理的である。

つまり、理論と技術だけでなくそれを企業活動における財務数値といった
現実的な目的にまで落とし込んでいるところが秀逸である

さらにこれを社会サービスにまで発展させ、教育や都市計画、果ては地球規模の
問題解決と末恐ろしいビジョンが描かれているではないか・・!

課題としては、ウェアラブルセンサは一般的に普及しているものではないので、
いかにデータの取得方法を考える必要がある

小売店の店舗では、簡単に身に付けられる名札型や腕時計型のようなものに
インセンティブをつけて顧客に身に付けてもらえばよい。

また、いずれウェアラブルセンサを埋め込んだスマホとアプリが開発されれば、
いたることろで、容易にデータの取得ができるようになるだろう

コンピュータは、将棋などでも名人を負かすほど進化し、
本書で紹介された帰納的な仕事や従来人間にしかできなかった仕事もこなせるほど進化を続けている。
今後、この流れは止まることはないだろう。

人間は、今後常にコンピュータの進化に関する情報をインプットし、
自分の生活に応用していく意識を持つ必要があると感じた。
 
投稿者 dukka23 日時 2015年3月31日

【データの見えざる手】を読んで

日本はまだまだ安泰ですね。
なぜなら、こんな変態、変人を囲っていられるだけの大企業がまだまだ存在するのですから。

今でこそ、これほどのデータと分析実績があり、本まで出せていますが、
著者が研究を開始した2004年の「ビッグデータ」など、かなりのキワモノ。
それを10年以上も研究活動をさせてもらえるのだから、
さすが「世界の日立」と言わんばかりの懐の深さだと思います。

著書は実績や経歴を見る限り、中央研究所のエースではある点は考慮が必要ですが、
それでもその研究開発投資を進め、特に2008年のリーマン・ショック以降の
日立の苦境時代にも研究を続けさせた社長は誰だ?と少し調べてみたところ、、、

川村隆社長
2009年にグループ会社社長からという異例の人事で大抜擢。
当時2008年に7000億円もの大赤字を出した日立を再建。
そして、目を引くトピックは
「1999年の全日空61便ハイジャック事件」

機長が犯人に首を刺され亡くなった、痛ましい事件ですが、
著者は何とこの飛行機の搭乗者だったんですね。

二階のコックピットに刃物を持った青年が押し入り、副操縦士は追い出され、
機体は急降下し最も低くなった時には、高度300mという超低空飛行状態。
そんな時、たまたま非番で乗り合わせたパイロットの山内純二さんが
陣頭指揮をとり、操縦桿を奪い返して事なきを得たそうです。

当時、著者からそのような説明がなされたかどうか分かりませんが、
「人間のハピネスを測る指標を作る」「運と真面目に向き合う」という言葉を聞いたなら、
川村社長はその重要性を身を以てしてわかっているので、
重電やインフラ投資を重視した事業ポートフォリを組む中でも、
(単なると言っては失礼ですが)IT技術への研究開発投資を惜しまなかったのではないでしょうか。

この社長あってこその、この著書や研究成果が陽の目を見るに至ったのでは、
と思うと不思議な巡り合いを感じます。


他方、人工知能Hについて。
まったく先入観を持たず、事実の示すままに推定を行い、かつ学習する知能。

多少の人間の誘導は未だに残るものの、
そこから推定される突拍子もない相関の仮説は、今の社会の問題をすんなりと解決してしまう可能性もありますね。

例えば、
 ・人口の20%が黄色い服を着れば、出生率が上がり少子高齢化が終わる

 ・20歳以上の男子が髪を短く切れば、財政赤字が20%好転する

 ・全人口の80%がドラえもん全巻揃えると、官僚組織が崩壊する


などなど(すべて個人的な想像・妄想です)。
こんなことを考えていたら、何でもかんでもデータを取って放り込んでみたくなるので要注意です。

このHによって、今までブラック企業か、ちょっと宗教じみたとみられる企業しかできなかった
「社員の幸せと、利益を両立させます!」という「儲け」と「共感」・「ハピネス」をという
相反すると思われていた要素を両立スローガンを堂々と掲げられる時代になってきたのだなあ思います。

良くも悪くもこの領域が解明されていくことに一種の怖さはありますが、
「分かっていないことを解明する」というサイエンスの本質に立ち返った素晴らしい研究だと思います。

ただし、このHにもできない部分があり、アウトカム設定やデータ収集といった部分。
データ収集は現代でも半分実現しつつあるので、特にアウトカム設定に関する部分。
ここはやはり人間が考えるところですね。

となると、これからますます「ToBe像を描く」創造性・想像性が重要になってくるとの示唆があると思います。
その理由は、How ToはHが考えてくれるから。

従来は、例えば会社経営のビジョンや長期戦略において問われるのはToBe(ビジョン)とHow To(戦略)の2つで、
両方の整合性が合っていなければボロクソ言われていました(それでも実現する孫さんはスゴイです)が、
これからは、ウンウン唸るのはToBe(ビジョン)を考える時だけでいいんですよね。
How To(戦略)なんてHが考えてくれる(しかも人間には思いもつかない斬新なアプローチで)ので、
戦略コンサルなんかもいらなくなりますね。

となると、思い描くTobeが面白ければ面白いほど、でかければでかいほど、
人類や社会の発展に貢献できるというわけなので、これはワクワクしますね。

とこう考えていくと、このHを巡って、血肉の争いや、
情報公開制限がでる日も近いのだろうと思いながら、
私はできること=Tobeを描く力を磨くための「自己の内面との対話」を
淡々と地道にやっていこうと改めて思わせてくれる本でした。
 
投稿者 kd1036 日時 2015年3月31日

一見意味のない事のように見えるものにも、実は意味があるのかもしれない。
ビックデータという概念は、恥ずかしながら本書に触れて初めて知りました。
そして読み進めていくうちに、内容に対する驚きがいや増すばかりでした。

前半部分にあるハピネスに関する記述で、まず引き込まれます。半分は遺伝、10%は環境要因、残り40%は人が積極的に行動したかどうか。この部分は本書のセンサによるデータ解析ではなく、近年の研究からの引用である。一般には環境要因が幸福を量る指標だとされてきた部分が多いが、それは何か違うという事には多くの人が気づき始めていると思います。
行動を起こした結果、成功したかが重要なのではない。行動を起こすこと自体が人の幸せなのである。
という言葉は、非常に腹に落ちやすい言葉でした。個人的にはこの考えに賛成であり、仕事場面で特に感じています。私見では、人がいいパフォーマンスを発揮できるのは、自分で考えて伸び伸び行動している時であって、強制とは言わないまでも指示されたものをこなしている時ではないと考えています。何かの指示に対して自分というフィルターを通過させ、どう遂行するか自ら構築し実行している場合は、前者だと判断します。
そこで、今まで採っていた方策は、着地点を示し(スパンにより中間目標の設定等も含む)、やり方も示しますが、このやり方がベストとは限らないしもっといい方法もあるかもしれないから、自分で考えて好きなようにやっていいよ、というものでした。その結果どうなるか、というと、お分かりだと思いますが、本当に意図どおりに行動する人にお目にかかる事はゼロではないにしろほぼ皆無です。多くは好きにやっていいと言われるとどうしていいか分からなく明らかに不安になったり、逆にやりづらそうにしていたりと、指示をこうしなさい、と命令調に変える必要に迫られました。
この事は、まさにビックデータでも何でもない両手に余る位のケースからの経験でしかありません。色々な場所で同じような事をしても、スッと入る場所もあれば全く入らない場所もありました。
「自ら行動する」ということと、「指示する」というのは、互いに矛盾する。まずスタートはここで、そのうえで
「自ら行動する」仕組みを作ることが必要だったのだなと感じました。本文で書かれていく「社員の幸せで会社が儲かる」といった事については今更ツラツラ書くような事でもないのでここでは触れませんが、そのような事柄に対して、このような科学的なアプローチが出来る事を知れたのが本書を手に取ることが出来た大きな収穫でした。

さて、本書に取り上げられているデータ解析により、得られる知見の幅の広さに圧倒されます。
基本的には感情というものは、個人個人のものであって、ある程度のパターンはあるにせよ、分析対象として一定の論理に当てはめるには適さないものという認識を持っておりました。
でも、そうではないんですね。集団のデータ解析から、どういう傾向があるとどうなって、個人としてはこういう傾向の人はこういう特性を持っている、このような状態の時には集団と個人にどのような事が起こっている、といったような事が分析できるようになっています。よく動く・身体の加速度という要素も盛んに出てきていましたが、個人に対しても必要な時間センサをつけることにより、大量データの中の個人の情報も蓄積でき、個体的側面による動く回数の傾向なども把握できるので、平均値より離れているような人だと平均値に満たなくてもこの人はアクティブな状態が量れます。
本書に書かれていることがどれだけ正しいかは、分かりませんが、少なくとも今まで曖昧に処理をしてきた部分が明確にされつつあるのを強く感じます。

コンピュータvs人間、売り上げ向上で対決!
の場面は痛快でした。
これは私個人の偏見に満ちた考え方なので、正しいというつもりも無いことは先に述べておきます。色々な経営指導やコンサルの場面に立ち会って感じる事として、論理的に結果(大抵は売り上げですが)を出すために、これこれこういう事をすると、こういう風になるから、こうしなさいという事が非常に多くあると感じます。そして多くは結果に到達できていないように感じます。ここにはプロセスをガチガチに固めすぎて、実際に携わる者が遂行できないようなものを構築している事が多過ぎるのでは?と思っていました。個人的には、ちゃんとした事をやれば、ちゃんとした結果がついてくる、のちゃんとの部分に遊びがないと、人のやる事は上手くいかないと思っています。先程の結果が出なかった場合、コンサルタントは何を言うかというと、プロセスを逐一完遂しているかと逆詰めしてきます。それこそ機械じゃないんだからって話だと思うし、指導にあたったほうは自分の権威が守れます。そういうジャンルの全てがそうだと言っている訳でもございませんので、その点は悪しからず。
その上で、店舗での実験ですね。商品郡の選定・広告・棚の配置改善などをした専門家チームは売上・顧客行動に影響を与えなかったのに対し、高感度スポットを探り当てそこに人を配置する施策をとった人工知能は明らかに影響を与えました。
この時点では、何故そこに人を置くと顧客行動が変わるのかの原因は明確にされていませんが、解析が進むにつれてそこも明らかになっていくのだと思います。

本書は、厳しい現実を突きつけているのかもしれません。
それは、一切の言い訳が出来なくなっていく、という事です。
「運も実力のうち」から「運こそ実力そのもの」へ
という箇所もありましたが、今まで論理で説明され得なかった部分の事も明らかにされていくとしたら、何となく何かのせいにしてうやむやに出来ていた事も、出来なくなっていきます。
先日、脳科学者の方のセミナーで、人間とロボットの大きな違いという事で、雑談ができるかどうか、とおっしゃっていました。なるほどそうなのかな、とも思っていましたが、忘却という事のない人工知能にとって無限のような蓄積をしていけば、下手な人よりよっぽどいい感じになるのではないかなと、本書を読み進めると感じさせられます。

こういった本が世に出ているという事は、既に様々な場所で応用されているのだと思います。こういった流れは進んでいくばかりだし、人類にとっても有用なものだでしょう。知識を入れて、上手くはなくても何とか使っていきながら、取り残されないようにしないとな~、というのが一点。この先研究が進むと面白いだりうな~、というのが一点でした。

 
投稿者 magurock 日時 2015年3月31日

本書を読んで思いがけずホッとしたところがある。
それは、U分布によって1日の総活動量を決まると、どの帯域の行動にどれだけ時間が使えるか決まってしまう、ということだ。
「あとで集中してまとめてやろう」とか、「10分間このぐらいのペースでできたから一時間後には6倍は片付いているはず」などの見込みは、多くの場合外れる。
それは飽きてしまう自分がダメ人間だからなのだ、と思っていた。
義務教育時代の夏休み最終日の徹夜がうまくいかなかったのも、こういうことなのだろう。
ただ、このことを知ったからといって言い訳に使うのではなく、だからこそ仕事のペース配分を考え、後に溜めないように計画的に進めなければいけないのだと思う。
とはいえ、火事場の馬鹿力もあるからな…

そして励まされたのが、「行動の結果が成功したか」ではなく、「行動を積極的に起こしたか」がハピネスを決める、という記述だ。
つまり、ハピネスにいたる道のりに忍耐は必要なく、ただ動き出せばいいらしい。
どんどん動いてどんどん人と繋がることが、幸せの極意なのだ。
これでは、踏み出したモン勝ちではないか! やるしかないではないか!

「幸せな人はよく動く」というのも、よくわかる。
人はうつになると、動きが緩慢になる。
そして意欲が減退する。
でもこれは、どちらが先なのだろう?
人は幸せだから笑うのではなく、笑うから幸せになるのだ、という話を聞いたことがある。
タマゴが先か、ニワトリが先か。
どちらにしても、よく笑いよく動くことにしよう。

それにしても、人を理解する上で、データはとても重要なのだと思った。
そしてただデータを集めるだけでなく、それを分析し、学習していくことがさらに重要だ。
電王戦でも、将棋ソフトは過去の膨大な棋譜データから学び、急速に力をつけてきた。
そしてそこから棋士が学んでいき、またさらにコンピュータが…と、人とコンピュータが学びあって切磋琢磨する世界がもう始まっているのだ。
なんだかとてもワクワクする。
もう少ししたら、膨大な感情のデータがインプットされた、人工の心を持ったコンピュータが現れるのではないだろうか?
今後、太陽の黒点が活発化して大型の太陽フレアを引き起こしても、本当にアトムがなんとかしてくれるかも知れない。

以前勤めていた会社に、休日だけ占い師をしている同僚がいた。
その人は、スピリチュアルなものとは縁遠いような理論的なタイプだったので、少々意外に思ったのだが、話を聞くと、
「四柱推命や占星術、手相なんかは、結局のところ統計学なんだよね」
とのことらしい。
長い間積み上げられた膨大なデータによって、人の性質や運勢の読み方が示されている、とのこと。
「だから私は、データ解析をしているに過ぎないの」
彼女曰く、腕のいい占い師とそうでない人の違いは、データの読み取り方の違いなのだとか。
同じデータでも、その人の経験や知識などによって読みが浅くなったり深くなったりする。
では、人工知能Hなら、腕のいい占い師になれるだろうか。
きっと、鑑定はかなり的確に示せるだろう。
それでも、占い師が不要になることはない。
本書にも書かれているように、人間にしかできないことがある。
ひとつは「勘」。
そしてもうひとつは、話をじっくり聞いてあげること。
占い師のもとをたずねる人は多くの場合、単に予想を聞きたいのではなく、話を聞いてもらって共感してもらい、時には叱咤されてアドバイスを受けたいのだ。
やはり人は人と繋がり、ハピネスに近づいていくのだろう。
 
投稿者 senumishima 日時 2015年3月31日

データの見えざる手を読んで

すごい研究しているものだ。というのが真っ先に出てきた感情です。
この本を読みながら、どんどん想像が膨らんでしまい、本文から離れてしまうことも多々ありました。
お陰で読むのに時間がかかってしまいました。

「運」というものを定義して科学的に検証していました。
運とは人との繋がりである。という側面から切り取っていくと、今まで複雑に色んな要素が絡み合っていると考えていたものが、シンプルに見えてきました。
いかに少ないステップ数で全体(自分に必要なものを持っている人物)と繋がることができるか。
繋がるためには、コミュニケーションも重要だということ。雑談も、というか雑談こそ重要であると納得しました。
必要な事務連絡ならメールで済ませればいいし、決定事項があるなら会議で決めればいいことです。
雑談は仕事には一見必要なくても良いと考えがちだが、リラックスして出てくる情報の中に「運」として繋がるものがあると思います。
ステップ数を減らすカギの一つだと思います。
相手がどんな情報を持っている人物か、何が得意で、誰と繋がっているのか。
「運」というと、掴みどころがなくはっきりと言葉で表現しにくいと思っていました。
しかし、著者のように、まずはっきりと言葉として定義して、検証する切り口を決める。そして実験結果を見て考えることにより、どうすれば改善出来るかが見えてくる。
目的、定義を明確にすること。これを鮮やかに表現しているなと思いました。
まさに人間にしか出来ないことです。

この研究が進めば、様々なことが解明されていくと思います。
同じ商品でも店舗によって差が出る。交通量は同じなのに、事故数が違う。ポスターや広告の効果はどれほどあるのか。
など、今までは考え付かなかった(その点を変更する理由を思いつかなかった)所をを変えてみたら改善していくのではないかと思います。
そして、これはとてつもなく効率の良いことであると思います。これを経験から体得するのには時間がかかりすぎます。
ウエアラブルセンサのデータを上手く活用して機能させることができれば、加速度的に現状が改善していきます。
ハピネスがアップするので満足度の高い客と充実感に満たされている従業員が増えることになります。これは本当に人間として目指すべき、素晴らしいものだと思います。

人間がすることは、進む方向、目的を決めることになります。

そうなると、次の2つの問題があると思いました。
一つ目は、機械的な仕事や生活ばかりで、体を動かす目的もなく生きるために生きている人が社会から取り残されてしまいます。
効率よく動くことができて売上げが上がっても、目的を持っていなければ、やはりこれまで同様なばかりか、
世の中が効率よくなってしまうために、生産性の高くない(ハピネスの低い)ものは居場所が減っていくからです。

二つ目は、目的を持っていても「アドバイザー」により効率の良いアドバイスをもらって動くことに慣れてしまっては、
それ以外の行動を起こしにくくなり、依存してしまうのではないかということです。そして依存度が高まると、決められた枠を超えることが難しくなります。

「マシンを使ったとしても、使わなかったとしても、結果の責任をとるのは常に人間である。
責任が人間に帰することと、仕事や技術がより人間中心のものとなることとは、表裏一体である。」
というのはどんな技術やシステムがこれから発達して世の中が変化するにしたとしても、共通することだと思いました。

このような技術の発達や、人間が理解していなかったことの解明により、未来が大きく変わっていくことがとても楽しみです。
お金を稼ぐこと、経済のみ重視の価値観から、それに加えてハピネスを併せ持ったものが豊かに富んでいくように、
これからの世の中の「ものさし」が変わっていく、その変化のための研究に思えました。
 
投稿者 BruceLee 日時 2015年3月31日

「データの見えざる手」アウトプット:その1(マジメ編)

私が本書を読んで強く感じた3点について述べてみたい。

1)定量化で見えてくる人間の面白さ
ウェアラブルセンサにより取得可能なのは対象者の詳細な活動記録であり、
結果的には全て数値化(データ化)され、定量情報となる訳だが、そこから
逆に、時間の自由性、ハピネスの計測、人間行動の方程式、そして運など、
一般的には不確かでロジック化は難しいと思われる人間の定性的な面が
語られる点は実に面白い。例えば「ハピネス」だが、本文中に「行動を起こ
した結果、成功したかが重要なのではない。行動を起こすこと自体が、
人の幸せなのである」とあるが、これはつまり「笑う門には福来たる」
がデータにより証明されたと言えるのではないか?我々はその意味として、
幸せだから笑うのではなく、笑っていると幸せが訪れる、と知ってはいる
ものの、実際は「あくまでことわざで、そう言われればそんな気もするけど、
科学で証明された訳じゃ無いからね~」と何となく曖昧に解釈してきたのが
データという科学で証明された事により、それでは片付けられなくなって
きた、という事なのではないか。他にも本書に出てくる社内運動会や
上長に押印を貰う際のチョットしたやり取りなど、確実な証拠や証明
方法は無いが、何となく昔からそう言われ、現代人も薄々そう感じて
いるものの類が、ビッグデータの活用により明確になってくるとしたら、
それは非常に意義ある研究であると思うのだ。何故なら、過去でも
現代でも、多くの人が悩み苦しむのは「(自分自身も含めた)人間の
曖昧な部分」だからだ。ここをビッグデータの活用で整理し、例えば
人間が悩むべき事、悩んでも仕方ない事、等が明確に切り分けられ、
我々が納得感を持って理解すれば、最終的には人間の「生きやすさ」
に繋がると考えるのだが、どうだろうか。

2)データの説得力は怪しい世界を打ち負かす
定性情報が定量化されると説得力が出る。本書で最も興味深く
引き寄せられたのが「高感度ポイント」という「説明つかない
因果関係」である。何故かと言えば「従業員が好感度ポイントに
立つと売上げが増える理由」を誰もまともに説明出来ると思え
ないからだ。例えば一般的に営業の仕事において顧客へ何かを
提案する際、顧客のキーマンにプレゼンする訳だが、そこには
必ずロジカルな説得力を求められる。提案する物やサービスの
訴求ポイントはどこにあり、どのような導入メリットがあるのか、
つまり投資対効果の可視化である。顧客は自社の利益から捻出した
予算という大切なお金の使い道として、その使途判断理由に重きを
置くのは当然である。が、この高感度ポイントはどうか?全く説明が
つかないではないか。とは言え、仮にそうであればキーマンが無視
するかと言えば、それは出来ないだろう。何故なら売上増加という
事実はデータで証明されているからだ。ただ、その道理が説明出来
ない、というだけなのだ。さて、ここでキーマンの資質も問われる
事になる。「結果は出るが説明つかないもの」、つまり一言で表せ
ば「怪しい話」だが、これをどう解釈して扱うのか?これ、一般社会
では恐らく「分かる人には分かる話」としてカテゴライズされるの
だろう。が、しょうおんさんセミナーにてセブンイレブンの照明や
JRの駅のブルーライトの話を聞いた我々、そしてあのフレーズを
教えて頂いた我々にはスンナリ受け入れる事が出来る。理屈では
説明つかないがそうなる道理を表す短いフレーズ、
「だってそうなってるんだもん」。説明しようのない真実もある
という事だ。そして結果のデータが全てで、それがあれば理屈は不要
なのである。この研究成果を活用し、リテールビジネス向けコンサル
事業等が今後日立の新規ビジネスとして収益率の高いものになる
のでは?と邪推するが、どうだろうか。

3)著者の仕事への気概と矜持
行間からずっと溢れてる、と感じたのがコレである。日立という
大企業において、研究所勤務という恵まれた環境にあるにしても、
著者も一人のサラリーマンである以上、結果は求められる筈だ。
しかし、時には失敗もあるだろうし、社内からのやっかみや、
直ぐには金を生まない研究室に対する予算の問題視や議論等も常に
あるだろう。本書ではサラっと書かれているが、このウェアラブル
センサをつけて(人体?)実験を開始したのも著者自身だし、これ
を四六時中装着し、充電を滞りなく行い、それを何年も継続する事は、
考えてみれば非常に面倒で大変な事である(私自身はやりたいと
思わない)。また更に面倒で細かく気の遠くなる作業が、収集した
データの整理と解析、仮説立案と実証作業、そしてまとめである。
当然、外部からの異論・反論を想定しながら進めるだろうが、それは
外部からだけでなく、社内のチーム内からも様々な意見が出て、時に
意見や方向性にGAPが生じる事もあるだろう。結果が直ぐには見えない
だけに、それはそれで、まとめるのに相当な労力を強いられる筈だ。
はっきり言ってメンドクサイ作業のオンパレードだと想像する。
それでもこの著者を突き動かしてるものは何か?私は読みながら
「3人の石工」の3人目を思い浮かべたのだが、この仕事こそ、
目先の給与や成果を求めてはやってられない仕事、それらとは
「別の何か」を見ながら気概と矜持を持っていなければ出来ない
仕事ではなかろうかと考える。勝手な推測だが「別の何か」とは、
人間の実態を把握し、人間そのもの、そして世の中を更に良く
したいという強い思いではなかろうか。研究自体は金を生まない。
そして研究結果がどう出るかは不透明だ。が、研究の成果が
ビジネスに繋がり、将来的に人類に貢献出来る筈だ、という信念
を持った著者の熱き思いが行間から溢れていたように感じる。
その意味では、私にとって本書はそのような姿勢で仕事に挑む
一人の人間の生き様に触れる事の出来る1冊でもあった。

以上
 
投稿者 BruceLee 日時 2015年3月31日
 
「データの見えざる手」アウトプット:その2(ネタ編)
*ケーシー高峰の漫談をイメージしながら読んで頂きますと幸甚です。

「最近、女性の性生活が乱れてるでしょ?でもね、少子化対策のためにも
女性の下半身管理は大事でね、これ人類の課題なのよ。いや奥さん、ワハハ
って笑ってるけど、ホントの話なの。だから今IT業界ではね、政府指導で女性
の下半身管理をチャンとやろうっていう動きがあるの。どうやるかと言うとね、
女性性器にウェアラブルセンサを付けて、いつ、どこで、誰と、何回致したか?
を時系列に記録・蓄積してデータ化してね、それを解析して出生率向上に役立て
ようって動きなの。この貴重なデータだけどね、我々の業界では『アナ、ログ』
と呼んでます」
(会場のオバチャンの爆笑音)

「一方でさ、だらしないのが最近の若い男ですよ。草食男子とか言うんでしょ?
若い男が女を見て興奮しないってどういう事よ?まったく困ったもんだよね。
でもね、ここに朗報があるの。ある調査団体のリサーチ結果なんだけどね、
そういう草食男子こそイイモノ持ってる傾向にあるらしいのよ。え?イイモノ
って何かって?奥さん、分かってるくせに、やらしい顔して聞くんじゃないよ。
でね、表面上はういういしい草食男子だけどいったん興奮するとモノの巨大化
が半端じゃないらしいね。で、男がパンツを下ろすと女性はビックリしてこう
言うらしいよ。『ビッグ、出ーた!』」
(会場のオバチャンの爆笑音)

「まあ、何にせよですよ。全ての幸せは自ら動く事にあるの。言ってみれば
動けば幸せになれんのよ。だからね、ベッドの中で『今日は残業で疲れてるから』
なんて奥さんに背を向ける亭主は駄目だね。そこで動かなきゃ。だって動けば良い
事だらけなんだから。まず、自分が気持ちよくなるよね。そして奥さんは喜ぶでしょ。
で、翌日の食卓からおかずが一品増えちゃったりするんだから。更に最もの良い事は
動いた結果、新しい命が誕生しちゃうかも知んないって事!最近は経済的格差とかで
子作りを躊躇してる夫婦もいるみたいだけど、そんな重く考えず動きなさいって。
家族が増えたらどうしていこうなんて、出来ちゃったらどうにでもなるんだから、
もっと軽く考えればいいの!こういう考え方を我々の業界では『あっ、軽い家族計画』
と呼んでます」
(会場のオバチャンの爆笑音)

という事で、くっだらないこと喋ってきたけど、人間はこうやって笑ってる
のが一番健康にいいんだし、笑ってれば幸せになれるんだから。ただ、
やらしい事だけじゃなく、たまにはまともな事も考えて生きなさいよ。
じゃ、本日は終了!
(会場のオバチャンの拍手音)

以上

追伸:という事で、今回はマジメ編、ネタ編のダブル投稿とさせて頂きました。
 
投稿者 akiko3 日時 2015年3月31日

「データの見えざる手」を読んで
  
 ウエアラブルセンサーを身に着け、会社説明会やグループデイスカッションなどの採用試験を通してデータを蓄積する。その結果、運が良くて活発に動き、組織との相性が良さそうな人を採用する。就職も結婚も家探しもご縁だから…のご縁をビックデータに見える化してもらうのだ。でも、せっかく優秀な完璧な人材を得ても、人と人とをつなぐ会話の質が維持できなければ活性化していかない。互いに切磋琢磨していこうという絆を作り、適度な課題を与えないと育たない、利益を生み出さない。いい人(道具)も使う人次第なのだ。
  家庭でもウエアラブルセンサーを身につけると、例えば、次男が学校から帰ってTVを見ようとしても、「今日はせっかく理科の授業がアクティブラーニングを取り入れたのに、怠けて積極的に参加してなかったからもう少し動かないと。はい、掃除担当!」なんて人工知能から指示されたり、父親が「あ~疲れた」と帰ってきても、「いやいや今日の会議は生産性が低く、ダラケテマシタ。もう少し頭を使う方がいいので、洗濯、料理、翌朝の下ごしらえ、この3つを手際よく処理して下さい」と段取り力の訓練課題が出される。「奥様につきましては、今日は保育園の送迎、買い物、仕事でも緊急タスクがあり、一日バタバタしていたので、末っ子とのんびりお風呂に入って一息ついて下さい」「あ、そうそう次男君は体育で逆上がりができなかったのが悔しかったようですね。その悔しい、頑張りたい気持ちは応援します。でも、もう夜ですから今日のところは腕立て伏せぐらいでどうでしょう」、「あ、お母さん、隣のご主人が娘さんの塾の迎えにいくので、長女も一緒にピックアップしてくれるとのことでした。今日はちょっとのんびり過ごしなさいという計らいですね。」
  データを分析したら、仕事、家事、子育ての負荷も見える化されて、互いの感情を主張しあう押し問答という無用な時間も(データにサクッと現実を示されれば)なくなるかも?思考は現実化する。こんなのあったらいいなと妄想するのは楽しいもんだ。でも、それを形にするのはなかなか出来ない。著者の数年来の研究への取り組みは凄いとしみじみ思うし、その新たな英知を一粒の種として社会に活かそうと、個を超えて組織(さらに組織の垣根を越えて)として大きく育てようとされていることに、頭も心根も賢明な人だと感心した。
 
  著者のように仕事も生活も質を高める為には、意識し努力する必要がある。人工知能に適切な問題を与え、データを使える人にならねば!しかも、上司や部下、売り手と買い手、そこに双方にとっての喜びが生み出されていないと幸せにつながらない。ヒト、モノ、カネを使いこなせたら、会社の向上につながり、社員、地域社会への貢献になり、幸せをもたらせる。他人が接客されているのを見て買う金額がUpするデータは、かつての商店街がシャッター通りとなって地域が沈む現実の説明でもある。地域社会が豊かに幸せになるには、個々の家族が幸せであることが大切。でも、家族でさえ個食が当たり前でバラバラなのに、地域が1つなんて不可能だ。町内運動会復活も必要か?!でも地域に家族単位が少なくなっているからよりシビアな現実ってことか…。
  
  先日、TVでメールの返信も機械が文章を考え、返信できる商品化が進んでいると紹介されていた。人はこれから何に時間を使うようになるのだろう。人に変わって人工知能が様々な仕事をしてくれるから少子化なのも見えざる手の計らいか?!人生は見えざる手によっていつか終わる。生は幸せを味わう為、経験をする為、生きている幸せを味わえるように、一粒の種として自分から自分の外へのOutputの質を高めていきたい。ビックデータから人との「共感」「積極性」「パピネス」が大切なことが引き出されたのだから、この3つのキーワードを胸に刻んで人と関わり、積極的な“行動する”人生を歩もう。思うように行かなかった行動でさえも蓄積され、将来へのアドバイスに結びつくのだろうし。
しかし、人工知能に頼ってばかりいて、いざ人工知能に頼れなくなったり、自然災害、非常事態の時、火事場の馬鹿力的な能力がいつ必要になるかわからない。この本能は、見えざる手から放たれるデータをキャッチし、掴み自分の行動へと結びつけることだと思う。見えないものを見る、感じる為に、自分の内を覗く時間を持つことが大切に思えてきた。
  データは“神が細部に宿っている”ことを示してくれたが、ありんこ並みの個人情報は素っ裸?!。“ありのままに~♪”と赤っ恥をさらしながら生きるのも…。著者のように誠実にデータに向き合う人ばかりとは限らないし、インターネット、FB、ネットショッピング、携帯など便利に無防備に使い続けてしまっている…。時々、使いこなせず時間を浪費している(45歳をすぎると人の能力は下降線らしい)。あとがきにコントロール可能な自由な時間の大切さが書かれていたが、奇しくも時間は今、一番気になっていることだ。
来月も楽しみである。ありがとうございました。

 

投稿者 ktera1123 日時 2015年3月31日


データの見えざる手を読んで

1.本屋へ
大体の課題図書の調達先の通勤経路の途中の新宿の紀伊国屋書店本店へ。web上で検索してみたら、なんだか知んないけど3階の売場の何か所かにあると表示が。実際に行ってみると、通常の本棚、平台以外のワゴンにも。中の人にメルマガの読者がいるんじゃないのかな。

2.会社で

会社で2月末に顧問(某大学教授)の最新状況勉強会がありました。私用が立て込んでいたため(例の日でもありました。)不参加だったのですが、何故かレポートを書けと。
課題は以下の3つ
「LifeLog,IoT,3DMapは誰が何のためにやろうとしていると思うか」「IoTが作り出す未来はどうなるのか。何年後に変化が加速すると思うか。」「そのとき地図業界はどうなっていると思うか。そしてその理由は。」でしたが出席した上司に確認してみたのですが、自分で考えて自分の意見をまとめて書けばよいと言われたので、丁度読み終わっていたこともあり参考にさせて頂きました。けものみちがだんだん広がって道になった経緯から考えれば、地図も結局は位置の情報をとりまとめたもの、行動の履歴をとりまとめたものにすぎない。

3.怪しい話
「科学で割り切れる、わりきれない」「科学が解明できていることは1%程度しかない」などしょうおんさんのセミナーで言われていたことが、データの見えざる手の手法を使うと解明できるかもしれない。おばあさんの知恵袋や職人の勘などの経験工学的な見方、過去の経験の蓄積的なものを数値としてとらえて分析することが可能になれば、物理法則は万物に共通しているのでいまわからないことでも解明する日は近いのかもしれない。
上の話は偶然かもしれないけど、必然だったかもしれない。ある意味引き寄せの法則が作用しているのかもしれない。また、頭で思っていることが現実になるということが事実ならもしかしたら、ドラえもんは姿、形は違っていても遠くない未来に実現できるかもしれない。

 
投稿者 chaccha64 日時 2015年3月31日

「データの見えざる手」を読んで

人間の行動にも法則が有った。この事実には驚きだった。
この事実を、センサー技術で収集したビッグデータを解析することで明らかにしていく。

人間は、自由意志で行動しているので、法則はないと思われていたが、ビッグデータの解析で解き明かされていく。9000時間の人間の活動データを分析することで、人間の活動も熱機関のエネルギー効率の上限、カルノー効率が当てはまることを発見した。カルノー効率以上の活動をすることはできない。
そして、人間の幸せを計ることができる。従業員の生産性向上のための施策を提言できる。積極的に行動することで幸せになれるし、仲間との会話が生産性を向上させる。その上、ビッグデータの解析から人間の行動の方程式が導き出される。
ついには、運も計測可能なことを明らかにしていく。ここでの「運」は「人間と人間の到達度」、他人との繋がりの近さというもので計っている。困難な場面に遭遇した場合の対処での他人の協力という意味での「運」だが、その「運」を向上させるためにどのようにすればよいかを、ビッグデータを解析することでその方法を提示できるようになる。時機に、その他の「運」も計測可能になり、運がよくなる方法も明らかになっていくような気がする。
センサー技術とビッグデータの解析、これらの技術で人間にとってよりよい世界を別の視点から考えることができるようになる。最後の章でビッグデータの利用方法の提言を専門分野の垣根を越えた形で活動されているが、うまく利用してほしいと願います。

しかし、著者が、ビッグデータの解析をを人間行動と結びつけることを、それを解析することで人間の行動原則を明らかにできるという発想をどこから得たのだろうか?
センサー技術で大量データを収集することができるようになり、コンピュータの処理能力の向上、そして人工知能技術の発展でこの本のような発見ができたと思う。しかし、これらの技術があっても、問題、「ビッグデータを用いて人間の行動を明らかにする」という問題を与えなければ、コンピュータは解答してくれない。この問題の発想をどのようにして思いついたのかが知りたい。
この本に述べられているデータの解析結果はなるほどと思うが、この発想はどこから来たのか? コロンブスの卵のような発想だと思う。物事に対して、もっと柔軟な発想をしたいので、そこのところを知りたい。

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投稿者 satoyuji 日時 2015年3月31日
 
「データの見えざる手」を読んで

運、幸福を追求するのは非科学的。そんな印象があっさりと瓦解する本でした。
そもそも運がいい、ラッキーというのは予想できないいいことが起こるから運がいいと思われているのであり、世間一般では制御できるような代物と思われていない。幸福も同様に科学によってもたらされるものと思われていなかった。
 それが本書を、読むと身体の動き等のデータを構築することで間接的にその原理を把握つかむことが可能になると書かれている。今まで経験や感性で把握しコントロールするしかないと思えていたものが、大量のデータを用いることで解明されている。ここまで書いてみて、不意に『影響力の武器』を思い出した。影響力の武器は人の行動をつかさどる心理学の原理を6つの原理にまとめて、それらを実際の出来事からまとめている。データの量・細かさが異なり、アプローチも違うためにこの2冊の本には共通点はないように思えるかもしれない。しかし、この2冊に書かれているのは今まで我々が漠然としか捉えられないと思えていた人間の行動には、「確実なパターンが存在している」ということである。私には、それが「物事を漠然と考えるのではなく、実現したいことがあるなら明確に・具体的に考えようよ」と語りかけているように思えてならない。
 我々が何かを変えたいと望むとき、よくわからないが実現できてしまうことは確かに存在する。そこには目に見えない力が働いているのかもしれない。だが何かを切実に変えたい、実現したいと願うとき、そこに「どうやったらいいのか」という意識を持ち、順序を定めて行動していくという姿勢は必要不可欠である。業績をあげたいのなら、必要なのは気合ではなく、明確で客観的な方法である。データを構築することでしか、そのような客観的方法を生まれてこない。
 本書は大量のデータを構築し、それを分析することで今まで科学的にはアプローチできないと思われていたことの理解を試みている。その最初に「時間」をテーマとして扱っている。人は時間から自由になりうるか。本書ではそれをあっさりと否定している。我々の行動はその意志によって決定されるのではなく、それぞれのエネルギーの量に制約を受けているという。単にこれだけ聞くと我々には自由がなく、すべての事は決められていて意味の内容に思えてくる。技術の進歩の中で忙殺されている中で時間を自分の意志でコントロールするしかできないというのはどうしたらいいのかわからない状況を作り出しているように思える。しかし、我々の意識は確かに存在する。何かを感じるのは我々の意識にほかならない。そして、このようなデータがあるからこそ変化の激しい時間の流れの早い現代を心地よく過ごすことが可能になるのではないかと思う。
 
最後に、この本を読み終わった時に最初に感じたことを書いて終わります。「データというアプローチで人のことがここまでわかるようになったのか。でもそれを知ってどうするかは一人一人に任されているよね」。解かろうが解るまいが、自分の人生をどう感じてどうするのかは一人一人に委ねられていることを改めて感じた次第です。

この本は自分の読書範囲では出会うことのなかった本だと思いました。刺激的な本をありがとうございました。
 
投稿者 ken2 日時 2015年3月31日

「データの見えざる手 ウエラブルセンサが明かす人間・組織・社会の法則」を読んで

先月の課題図書「絶望の裁判所」で、司法組織のダークな一面を見せつけられ、なんともやりきれない気分でしたが、今月は一転、「運を科学の力でコントロールできる」という。なんとハッピーな題材だろうか。

そこで、「絶望の裁判所」を科学の力で「希望の裁判所」にできるのでは、と思い浮かんだ次第です。
裁判官の方々のハピネスが向上すれば、組織としてよくなる一助になるのではないか。
ひいては、裁判所を利用せざるを得ない事情の方々の満足度もあがるのではないか。

そして、後々、ビッグデータで様々な情報や判例を取り込んでいった暁には、裁判も電子化され、コンピュータ裁判官も出現するかもしれない。
しかし、そういう想像を巡らすと一転、その未来には少し空恐ろしさを感じる。
ジョージ・オーウェルの小説「一九八四年」に出てくるビッグブラザーのイメージがよぎるからだ。
ビッグデータは、諸刃の剣だ。
便利、利便性向上、分析などに役立つ反面、極端な管理やプライバシーの侵害といった問題も出てくると思われるので開発や取り扱いには充分な注意が必要だ。

ところで、「運を科学の力でコントロールできる」としたら、自分の行動様式にどう取り込むだろうか?
1.よく動く人になろう
⇒待ちの姿勢でなく自分から動く。 それが習慣になれば、継続は力なり、で運の継続にもつながるであろう。

2.よく笑う人になろう(身体運動が活発)
⇒棋士の米長邦雄名人の著書「運を育てる」にもあったが、運をよくするには「謙虚であること」と「笑い」が必要とある。

3.到達度
ソーシャルグラフでいうところの知り合いの知り合いという結合が一番効率がよい、とのこと。
もう少し、積極的に自分から発信し、人脈を広げていこう。

4.会話の質、双方向性
本を読み、思索を深め、また上下関係のないフラットな人間関係での会話をもっともっとしていこう。

そうすることで、あたかも「見えざる手」がさらなる「幸運」を導いてくれることでしょう。

今月もありがとうございました!
 
投稿者 morgensonne 日時 2015年3月31日

『データの見えざる手』を読んで

人間の幸せと運について、科学的にデータを活用した研究が日本の大手メーカーで日本人で
されていることに驚くと同時に嬉しくも思った。

また、しょ〜おんさんのセミナーの一部をより科学的にデータに基づいて説明しているように感じた。
日頃の訓練やエネルギーの使い方のヒントにもなるような気がして、セミナーを思い出しながら読み進めることができた。


「ライフシグナルズ」によってより良い時間の使い方ができるということで、
コンピュータによって人間が支配されるような印象を少し持ったが、
あくまでも主導権は人間にあり、人間の過去のデータの蓄積をうまく使って
「ハピネス」を高めていくということであろう。


現在、仕事では指示される立場から、自分で考え指示する立場に変わりつつある。
悩む時は一人で考えるより、様々な人とコミュニケーションすることで
解決策が見いだされたり、具体的なアイデアが浮かんだりすることがある。

常に行動することを心がけ、人と接することで問題を解決し、
「ハピネス」を少しでも多く感じていきたいと思った。
そしてそのことによって、さらに幸せと運を引き寄せることになると思う。


ありがとうございます。
 
投稿者 andoman 日時 2015年3月31日

「データのみえざる手」を読んで

人の行動には、1日における行動量の限界とパターンがある事には驚きました。
これまでまったく意識せずに、仕事を続けて来ていましたが、確かに思い当たる節があります。
今ではパソコンに向かった仕事をしていますが、学生時代にはよく、友人の実家が経営している運送屋のアルバイトをしていた事があり、引っ越しからイベントの機材搬入、酒屋の配送まで幅広く運送業を経験しましたが、それを思い返すと1日の労働のON/OFFがはっきりしていたと思います。
トラックへの積み込み→トラックで移動→荷下ろし
大概このパターンになりますが、積み込み時にはトラックまでのある程度の距離を荷物を移動させながら積み込みます。
その日の作業の労力を10とするなら、6割はこの時に使います。
次にトラックでの移動中は、運転手はハンドルとペダル操作がありますが、労力の割合はほぼ0~1割。
荷下ろしの時は、大抵は置き場の近くまでトラックを寄せるので、単純に降ろすだけに近くなり、労力としては残りの3割といった具合。
ここで面白いのが、現場リーダーが常に「効率」を考えて行動をしていた所です。
そのリーダーが良く言っていたのが、「余計な労力は使わず、手は抜かずに、楽してきっちり仕事を終える。」です。
そのため、荷卸しの時になるべく最小限の労力で済む距離にトラックを寄せる。という事を習慣付けていたのではないだろうかと。
図1-1にある分布図が示す様に、前半は労力が高く、後半は楽になっていく。
という形が伺えます。
全てが上記の形ではありませんでしたが、本書の分布の箇所を読んだ時に、そういえばと、この記憶を思い出しました。
おそらく、現在のデスクワークよりも、身体を使う仕事をした経験の方が、行動量の限界とパターンについて、自身でも腹に落ちたのでは無いかと思っています。

2章のハピネスを測る内容では、会話を行う事で生産性が向上する。という内容には非常に同感です。
以前から、仕事をする際、一人でとことん集中する作業ではない限りは、時々リラックスする状態を作った方が、仕事の効率は上がると感じていました。
よくある「喫煙所会議」もその一種だと思います。
喫煙所では(ニコチンのせいもあるのか?)、ほとんどの人がリラックスした状態になっているので、考えが柔軟にもなるので、ふとした思い付きで、それまで解決策が出なかった物事が一気に解決したりする事がありました。
私は非喫煙者ですが、これを知っていたので、プログラマ時代の新人の頃、煮詰まった時には上司が喫煙所に行く時に一緒について行き、雑談しつつよく相談に乗ってもったり、ミスした時にさりげなく謝ったりしていました。
一方、別のチームに移り喫煙者がおらず、ただ黙々と仕事をしていた時には、あまり会話らしい会話も無い為、コミュニケーション不足が発生したりと、悪い方向に進んでいた事もありました。
本書の実験結果からも見てとれた、他者との雑談を行う事で、会話が仕事の効率と生産性を上げるという件は、過去の経験からも申し分ない証明だと思います。
また、現職(ベンチャー企業)では、喫煙組とそうでない組で、仕事のチーム自体も別れてしまっており、ちょっと危ないので、本書の影響から、非喫煙者での業務に関するブレストを絡めた、コミュニケーションタイムを導入しようと動いており、上手く行けば喫煙者も巻き込んで、職場全体でコミュニケーションの輪を広げ、その結果4章にあった、人間関係の三角形の構築や、到達度の短縮も含めて行って行きたいと考えています。

今月も素晴らしい課題図書をありがとうございました。

 

投稿者 tractoronly 日時 2015年4月1日


データの見えざる手: ウエアラブルセンサが明かす人間・組織・社会の法則 を読んで

私が一番ショックを受けたのはミクロとマクロの怖いぐらいの類似性でした。
本著で述べられているマス目状のU分布が熱交換をする分子のばらつきと類似するという事でしたが、私はこれ見たとき、銀河が集まった大銀河のさらに集まった「グレートアトラクター」の形そのままじゃないか!
と驚愕しました。
この世界はミクロもマクロもばらつきが存在し、銀河系宇宙は裕福な集まりに所属するのでしょうが、その中においてもさらに人間の個体レベル、更には原子の世界でもばらつきがあり、どのレベルまでいっても「貧富の差」というのは20:80に近い割合で存在し、なくならないことを示唆していると感じました。
世の中の8割はどこまで突き詰めても裕福ではなく、富は偏在しているということ。
単純に考えると8割に自分が属してしまう可能性の方が高いと考えがちになってしましますが、エネルギーは交換可能、ハピネスは伝搬する、お店に高感度ポイントが存在するなど、すぐ隣にはハッピーが転がっているかもしれない。行動すれば自分もハッピーになるし周りもハッピーになる。
まさにこれって智の道が科学的に証明される第一歩では?と思いました。