梨狩りというビジネスモデルをどうするか?

シルバーウィークに山口に行って、何か体験型のアクティビティーをと想い、梨狩りに行きました。入場料600円は分かる。食べ放題ですから、と言われて「持ち帰りはこの袋に入れてくださいね」と言われ、ここでは持ち帰りの料金についての説明は無かったわけです。甥っ子がガシガシと梨をもぎまくり袋一杯にしてしまった。4人全員が持ち帰りの袋を下げて出口まで来たら、「では重さを計りましょう」と言われて正気に戻ったわけです。結局1キロあたり700円と決して安くない金額であり、家族全員分で15000円に。

確かに確認をしなかった我々にも落ち度はありますよ。まさかタダだとは思わなかったけど、キロ700円って全然安く無いんですよね。これって商売のやり方としてはスゴく稚拙だと思うんですよ。

中には、怒り出す人もいるんじゃありませんかね?っていうか、その梨園では奇妙な光景を見たんですよ。プラスティックの大きめのケースに、紙に包まれた状態でもがれた梨がビッシリ詰まっているわけ。これってこれから出荷する分なのかな?それにしては、梨園のずいぶん色々なところにこのケースが点在しているなあと感じたんですが、たぶんこれって梨狩りでもいだは良いけど、最後のお会計のところで予想以上の価格になってしまい、突き返された梨たちじゃ無いのかしら?

梨園には梨を食べた後のクズを捨てるゴミ箱が設置されているんですが、この中には一口だけ囓って捨てられている梨たちがたくさんあるんです。最初はなんて勿体ない事をするんだろうと思ったんですが、穿った見方をしたらこれって、出口でもいだ梨にお金が掛かると知ったお客がキレて、「園内で食べるのは食べ放題だから良いんだよね」って事で、一口食べては捨てるということをやった痕じゃ無かろうか?と思うんですよ。

キロ700円が正規の料金なら、堂々と最初に、「もいだ分はキロ700円ですよ」と言えば良いんです。一切何も言わずにもがせて帰りの出口でこれを伝えると揉めるお客が出ると思うんです。で、そういうお客さんって絶対に後でdisりますから。それってスゴく下手な商売のやり方だと思うんですよ。

なんて会話を帰りの車でしていたら、ふと家人が、「それも作戦なんじゃないの?」と言ったのですぐには理解出来ませんでした。あ、そうか、そうやってタダだと思わせてもいでもらって買わずに置いて行ったって事は、これはタダでお客さんに梨の収穫を手伝わせたのと同じだ!そこまで考えていたのならスゴい経営者だと思います。

でも、このやり方は私の趣味じゃありません。私ならどうするか?お客さんに楽しんでもらって、ワクワクしてもらって、そして喜んで梨を持ち帰ってもらう(もちろんお金を払ってね)には、どういうプロモーションが必要か?

例えば、もいだ梨が3キロピッタリだったら(プラスマイナス50グラムまではOK)、それはタダで持って帰れます。でもこの範囲に入らなかったら1キロ700円を払ってもらいますよ、というゲームにしたら外れても文句を言わずにおカネを払いますよね。しかも3キロくらいなら家族で数回食べるのにピッタリの分量ですから、喜んでゲームに参加するんじゃありませんかね?

で、もしピッタリ3キロだったら、そのお客さんはどうすると思いますか?これ、絶対に写真を撮ってフェイスブックやツイッターにアップすると思いませんか?その写真に梨園の名前や住所が書いてあれば、これは宣伝してもらっているのと同じです。確かに2100円で売れたかも知れませんが、その分を宣伝に回したと思えば、梨園の方としてもムダ金にはならないんです。

もちろん、ピタリ賞で梨を持ち帰った人は、帰宅したら必ず友人たちにその思い出を話すはずです。その時には絶対に楽しい思い出として話すと思うんですよ。そういう口コミが次のお客さんを呼んでくるわけです。

みなさんが経営者ならどちらの施策を実施しますか?お客さんを騙して梨の収穫を手伝わせる(でもお客さんは不愉快になって、それを誰かに伝える)のが良いのか、損して得取れの精神で楽しんでもらい、宣伝をしてもらうのが良いのか?私なら絶対に後者を採るんですけどね。

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